『福井競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月13日
 福井競輪開設64周年記念「不死鳥杯」は7月13日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。朝から雨が降ったり止んだりする生憎の空模様となったが、激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終11レースで争われた。レースは先行態勢に入った吉澤純平を脇本雄太が一気に叩いて主導権。後続の追撃を力強く振り切り、地元記念初制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲で金子貴志がゆっくりと誘導員を追うと、柴崎淳を迎え入れ、3番手の志智俊夫と中部勢で前受け。中団からは脇本雄太―新田康仁―吉澤純平―神山拓弥―上原龍―兵藤一也の並びで周回を重ねる。
 青板周回から徐々に車間を空けた吉澤純平は赤板から一気に踏み込み先行態勢に。中団から合わせて踏む素振りを見せた脇本は冷静に車を下げて中団を確保。これで中部ラインは後方に置かれる展開に。斬った吉澤はなかなかペースを上げず打鐘を迎えると、吉澤が再度踏み上げる前に脇本が2センターから先に仕掛ける。思い切った仕掛けに吉澤は合わせ切れず、上手く新田を飛ばした神山が吉澤に脇本を追わせる。下がってきた新田が邪魔になり中部勢の巻き返しは不発に。結局、吉澤は追いつけず、そのまま押し切った脇本が嬉しい地元記念初優勝。吉澤後位から伸びた神山が2着、マークの上原が3着に流れ込んだ。


脇本雄太選手
脇本雄太選手
 「欠場した市田(佳寿浩)さんの分まで頑張って獲りたい」。そう前検日に話していた脇本雄太(写真)が有言実行のV。厳しいメンバー構成となった決勝戦でも自らのスタイルを貫き、最高の結果を出した。
 「走る前は緊張で頭が真っ白でした。気持ちだけは強く保って悔いのない走りをしようと思ってました。吉澤(純平)さんが無欲で駆けたらまくりに構えるしかなかったけど、流していたのでカマシで勝負しました。柴崎(淳)さんがいつ来るかも分からないですからね。後ろがもつれて新田(康仁)さんがいないのは分からなかった。そんな余裕は全くなかったです。2車でも先行したかったし、ここ一番で力を発揮できたと思います。4コーナーを回ったときはお客さんの声援が大きくて、それが力になりました」
 賞金ランキングで岸和田グランプリ出場も狙える位置につけている脇本。この優勝をきっかけに、さらに勢いを加速させる。
 「地元記念を獲れて、ステップアップできたと思う。次は中3日で寬仁親王牌。ハードスケジュールだけど、それを言いわけにしたくない。しっかりケアして備えたい。近畿3人はグランプリが確定しているし、次は自分がという気持ち。獲れるように頑張ります」

 4車で結束した関東勢は固い絆で抵抗したが、脇本に歯が立たなかった。脇本を懸命に追った吉澤純平の後位から神山拓弥が2着に追い込んだ。
 「吉澤さんが頑張ってくれました。新田(康仁)さんをどかして、そのまま(脇本に)切り替えていくこともできたけど、それはしたくなかった。もう少し吉澤さんが追い付いているかと思ったんですけどね。雨で前が見えずに距離感が分からなかった。ちょっと遠かったですね」

 関東ライン3番手を回った上原龍が3着に流れ込んだ。
 「吉澤先輩のおかげです。人の後ろで余裕はあったんですが、すごいスピードでした。最後は自分なりに踏めたと思います」

 吉澤純平は関東ラインの一番前で持てる力を全て出し切った。
 「自分のできることはやったんですが、脇本君のスピードが全然違いました。番手にはまって追いかけたけど、追いつく感じじゃなかったですね。いっぱいでした」

 最終ホームから踏み込んだ柴崎淳は不発に終わった。
 「ワッキー(脇本)が仕掛けていった時に追っていったんですけどね。雨のコンディションで滑ったし、あんまり出なかったです。前も見すぎてしまった。これが今の現状でしょう」

 柴崎に前を任せた金子貴志は5着に入るのが精いっぱいだった。
 「もう少し吉澤君が(脇本と)踏み合ってくれれば面白かったんですけどね。柴崎君もホームでいってくれたし、任せた結果だからしょうがないです」


ゴール
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