『福井競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月26日
 福井競輪場を舞台に開催されている開設65周年記念「不死鳥杯(G3)」は、26日に2日目を迎えた。二次予選回りを余儀なくされた地元の脇本雄太や稲垣裕之、稲川翔の近畿勢は人気に応えて順当に勝ち上がった。また、メーンの優秀「福ノ井賞」では早坂秀悟が逃げ切り、連勝で準決へと弾みをつけた。27日の3日目には決勝進出をかけ、準決の3個レースで熾烈なスピードバトルが繰り広げられる。
 本場では開催中の毎日、先着300人にかき氷をプレゼント。競技用自転車ローラー試乗体験会・三輪車対決など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。27日の3日目には地元選手によるトークショーなども予定されています。ぜひ、福井競輪場へ足をお運びください。
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池田勇人選手
池田勇人選手
 赤板の2コーナーから山降ろし気味に仕掛けて出た池田勇人(写真)が、中野彰人を叩いて主導権。叩かれた中野が番手に飛び付いて、前団の隊列はグッと凝縮。森川大輔の絶好のまくりごろかに思われたが、池田が後続のもつれをしり目に中部ラインの反撃も寄せ付けずの逃げ切り勝ちを収めた。
 「セッティングを元に戻して、ギアとかシューズをいろいろやりました。それで昨日も踏みごたえがあった。久々の1着ですよ、今年これで5勝目。今日は出し切れたし、これがひとつのキッカケになればいいですね」
 車間を詰めながら最終1コーナーからロングまくりを放った森川大輔だったが、池田の二の足に半車身及ばずの2着。
 「もったいないですね。それでも本来は池田さんの方が格上ですから。自分は詰める勢いでと思ったんですけど、(池田後位の)競りを見てしまって休んでしまった。昨日よりは力を出し切れなかった。でも、とりあえず(記念の準決に)初めて乗れたんでうれしいです」
 森川に流れ込んで3着の柴崎俊光は、池田の機動パワーに舌を巻く。
 「それにしても池田君が強かった。森川はスピードを殺してしまったところもあったけど、それでも池田君は強いですね。自分は1着を取れてないのが現状なので…。もうひと伸びが欲しいです」

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小岩哲也選手
小岩哲也選手
 打鐘から角令央奈と金子哲大で壮絶なモガキ合いに。この踏み合いを5番手で冷静に見極めていた小岩哲也(写真)が、最終2コーナーから満を持してまくると、前団を一気にとらえて山口貴嗣と九州ワンツー。
 「前がモガキ合って、いい位置が取れたのがすべてです。展開に助けられました。ただ自分の状態も悪くないです。記念の準決勝は去年の熊本以来かな。連日まくりになってしまっているので、準決はできれば先行したいです」
 小岩マークの山口貴嗣が2着に入線。
 「彼(小岩)が前々に踏んでくれたから、あの位置が取れたんでしょう。僕(が勝ち上がれたの)は前のおかげ。本当にそれに尽きますよ」
 金子に乗っていた後閑信一は、最終2センターから踏み込んで3着を確保し準決の権利をつかんだ。
 「周りが強くて(脚に)刺激が入りました。締めながら回っていたので(小岩の)まくりに対応できませんでしたね。それでもいいころならなんとかできたかもしれませんが…」

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野原雅也選手
野原雅也選手
 津村洸次郎が赤板過ぎからフカしていき、早めからハイペースの展開に。各ラインが途切れ途切れになるなか、7番手の野原雅也(写真)がホームからスパートすると、前団をごぼう抜きして2連勝。
 「打鐘で7番手になってしまったし、組み立ては大失敗でした。あれで頭が真っ白になってしまって。普通だったら勝負権がないところだったし、前がみんな踏んでくれてたぶん、僕は脚が溜まってたので行けた感じ。ラッキーでした。でも脚自体は仕上がっていると思います」
 落車禍で手負いの状態の西岡正一だが、必死のマークで2着を確保。準決勝進出を決めた。
 「作戦を立てるのが難しかったですね。昨日、野原君はいいレースをしてたんで、とりあえず前を取って行けることろからって感じでした。よく行ってくれたし、2センターで誰も来なかったんで決まったなと。強いですね。僕は首がちょっとダルいです」
 永井清史を捨て、伊藤正樹が自分で踏み上げて3着に入る。
 「永井がいっぱいそうだったんで前に踏んでいきました。前に踏めているから悪くないと思うけど、バンクが軽くて前が掛かるから、なかなか前がつかまらなかった」

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小松剛之選手
小松剛之選手
 岡村潤が中団に入り7番手まで下げた吉田敏洋の動きをじっくりと見て、才迫開が後続を一本棒にして打鐘から徐々にペースを上げて逃げる。4コーナーから巻き返した吉田は、最終1コーナーで藤田昌宏のブロックで車体故障を発生。才迫の逃げを利して1着入線を果たした藤田だったが、審議の末に失格。中国コンビを追った単騎の小松剛之(写真)は、藤田に流れ込み2着でゴール板を通過しての1着繰り上がり。
 「(才迫は)後ろになっちゃったから、1回は切ってくれるだろうなって思ったんで、そこにいました。自分は展開に恵まれましたね。(1着まで)抜けたと思ったんですけど、いっぱいになってましたね。(調子は)悪くないし、とにかく(準決は)迷惑掛けないようにしたい(笑)」
 4番手をキープした岡村潤は、最終3コーナー過ぎての追い込みも小松に合わされて2着まで。
 「自分だけになってしまって、後ろに申し訳ないです…。早く仕掛けたい気持ちもあるんですけど、(アクシデントがあって)体が動かなかった。(仕掛ける)タイミングっていうか、脚がいっぱいになってしまった」
 藤田の失格で手放しでは喜べない才迫開が、慎重に言葉を選びながら振り返る。
 「岡村さんは中団狙いだと思っていたし、あとは(吉田が)いつ来るのかと。もつように駆けないとって思って、ちょっとゆるいペースで行ったのが先輩に迷惑を掛けてしまった。今日は掛かりも悪かったし、(準決は)今日のぶんまで頑張りたい」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 近畿ラインの先頭を務めた栗山俊介が、打鐘から全開で先制。正攻法に構えていた志村太賀が中団まで引くと、すかさず今度は青森伸也が打鐘の2センターから渾身の巻き返しで前団に襲い掛かる。稲垣裕之(写真)が青森をけん制するが勢いは止まらず、稲垣はバックから青森に合わせて番手発進。伊藤保文も稲垣に懸命に食い下がり京都コンビでワンツーとなった。
 「できれば栗山君を残したかったんですが…。青森さんが来ていたので。今日は前が頑張ってくれましたね。自分の体調もだいぶ良くなってきましたよ」
 稲垣を好追走した伊藤保文は「前が頑張ってくれましたね」と一言。
 3着に入ったのは、3コーナーでうまく伊藤後位に切り替えた中曽直彦だった。
 「恵まれですよ(笑)。いろんな展開を想定してたんですけど、その中に脚を溜めて2センターから内に行くっていうのもありました。そういう展開になったのはたまたまですけど、イメージしていたおかげでうまく突っ込めましたね」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)が前受けから落ち着いて車を下げると、逃げた根本哲吏をひとまくり。初日特選は9着となったが、二次予選で立て直しに成功した。
 「勝ちたい気持ちが先走ってしまいましたね。打鐘で仕掛けても良かったんで。昨日は打鐘で出させてもらえると甘えがあったけど、今日は勝ちたい気持ちが強すぎましたね」
 稲川翔が完璧マークを決めて2着ワンツー。圧倒的な1番人気に応えた。
 「もう行ってしまうのはわかったんで。あとは僕がしっかり付いていくだけでした。(前回)落車したのは自分でやったことなんで言い訳しても。でもまだいけそうな感じがあるんで、準決、決勝と前に詰め寄れるように修正していきたい」
 根本に乗り、中村浩士が3着に入る。
 「根本君がいいペースで駆けてたけどね。それを上回るパワーで脇本君に行かれてしまった。振りながらどうにかしたいと思ったけど、ラインで決めるのは難しかったですね」
 逃げた根本哲吏は力を出し切り納得の様子。
 「落ち着いていけたけど、もう少しうまく駆けていればと思いましたね。残れないといけない展開だったし。力の差がありましたね。でも、今回1番強い人と初めて対戦して、バックは取れたのでよかった」

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早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 4対5の2分戦は、前受けから4車のラインの片寄雄己も突っ張る気満々。5番手の早坂秀悟(写真)の仕掛けに合わせて片寄も踏み込むが、主導権争いは打鐘の3コーナーで早坂に軍配が上がる。岩津裕介のブロックで内藤宣彦が連結を外して3番手以降の援護を失うが、早坂は堂々の押し切り。連勝で準決へとコマを進めた。
 「先行選手同士の戦いには勝っているけど、もうひとつ上のレベルを考えるとレースとしてはどうかと。5車のラインで先行するのは当たり前だし、あれだと山崎(芳仁)さんにしても内藤さんにしてもキツいだろうから。自分が逃げ切って優秀を勝ったのはうれしいけど、ラインで決まった昨日の方がいいレースなのかと。今日はラインで決められてないですから。今日は先輩たちに甘えさせてもらいました」
 内藤を弾いた岩津裕介は、最終ホームで片寄を3番手に迎え入れる好アシスト。直線では逃げ切りを図る早坂にシャープに迫ったが、8分の1輪及ばずの2着。
 「(早坂)秀悟は出切ってから流したんで、片寄さんも引こうと思ってるんでしょうけど、引くに引けない感じでしたね。(後ろに)2人いるんで、内からは来られないだろうと思って、(ブロックをするのに)上がらせてもらいました。2分戦だと先行選手も流すし、ああなりますよね。後ろもバックを入れたりして、脚が溜まってないですから」
 3番手に入った片寄雄己は、最終2コーナー手前からのまくりで反撃するも3着。
 「(早坂を)突っ張ったんで、あれで突っ張り切らないと前を取った意味がない。岩津君がキメてくれたし、すぐに(まくって)行ったんですけど。無理やりだったし、キツかったです。準決は小岩(哲也)もいるし、野原(雅也)もいるから、(早坂)秀悟だけを見ててもね。(中村)浩士と頑張りますよ」
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