『福井競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月27日
 福井競輪場を舞台に開催されている開設65周年記念「不死鳥杯(G3)」は27日に3日目が行われ、メーンの準決3個レースは決勝進出をかけて激しい戦いが繰り広げられた。地元のエース脇本雄太は後方に置かれて冷やりとさせられるシーンもあったが、二次予選に続く連勝で決勝へとコマを進めた。シリーズもいよいよ大詰め。28日の最終日には、猛暑の中で激戦を勝ち抜いた9選手による決勝で火花が散らされる。
 本場では28日の最終日も、先着300人にかき氷をプレゼント。競技用自転車ローラー試乗体験会・三輪車対決。専門解説による真面目な予想会など、様々なファンサービスとイベントを予定してお客様をお待ちしています。ぜひ、福井競輪場へ足をお運びください。
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早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
大槻寛徳選手
大槻寛徳選手
 早坂秀悟(写真)が鮮やかなまくりで別線を圧倒し、北日本ラインを上位独占に導いた。先行態勢に入った小岩哲也を目掛けて、片寄雄己が最終ホーム手前で5番手から仕掛けるが、その上を早坂が一気にまくり上げる。3番手から慌てて踏み込んだ野原雅也は早坂、大槻寛徳の3番手に飛び付く形となったが、明田春喜がこれを凌いで3番手を守り切り、北日本勢のワンツースリーとなった。
 「3人で勝ち上がるということを一番に考えて走りました。(ラインで決まって)2日目の優秀よりもうれしいですね。来月はあっ旋が止まるので、明日(決勝)は存在を忘れられないように、印象に残るレースをしたいと思います(笑)」
 大槻寛徳(写真)は、4月の共同通信社杯以来の優出に安どの表情。
 「早坂サマサマですね。踏み出しはしっかり気をつけてましたし、彼も気を遣って駆けてくれたので(笑)。最後は全然差せませんでしたね」
 明田春喜は野原にからまれる苦しい展開になったが、意地を見せて凌ぎ切り決勝のキップをつかんだ。
 「キツかったです(苦笑)。早坂も一段とパワーアップしていました。あのダッシュに付いていけたし、大槻さんと自分も強いんでしょう(笑)。脚の状態もいいです」
 地元の野原雅也は前々に攻める執念を見せたが、決勝には進めなかった。
 「早坂さんには、ホームで行ってれば結果は違ったかもって言われたんですけど。後ろの片寄さんを引き出してしまうのかなと、思ってしまって…。勝ちを意識しすぎて、仕掛けが遅くなったわけじゃないですけど。あそこで先に仕掛けるっていう考えが自分になかった。いい経験になったし、次は同じ失敗をしないようにしたい」

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柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
森川大輔選手
森川大輔選手
 山崎芳仁と稲垣裕之で激しくやり合うなか、最終ホームで落車のアクシデントが発生。これを後方で避けた森川大輔がスパートすると格上の稲垣裕之をまくり、最後は柴崎俊光(写真)が差し切った。
 「みんな強いし作戦は一発勝負しかないと思ってたけど、そしたら見事にやり合ってくれて展開が向きましたね。落車があってタイミングは違ったけど、森川君はよく行ってくれました。僕は出が悪かった。もうちょっとキレが欲しいですね」
 森川大輔(写真)は初の記念優出を喜ぶ。
 「落車があったけど、すぐに外を仕掛けられたんで。でも、まくれたのはたまたまですよ。(記念では)準決も初めてだし、決勝まで行けるなんてうれしいです」
 稲垣裕之はまくられたものの、かろうじて3着で決勝進出。
 「体調が良くないのでハンドルの握りに力が入らない。突っ張るつもりで踏んでいたけど力が入らないぶん、体の反応が悪いですね。お客さんに迷惑をかけてしまったけど、今の状態でベストは出せているので。パフォーマンスとしては悪いけど、明日も持てる力を出し切れるように頑張ります」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 才迫開が先行態勢を取ると中団に池田勇人ラインが収まり、脇本雄太(写真)は前との車間が大きく空いた7番手に置かれた。最終ホーム手前から池田が早めに中四国ラインをつぶしにいって、2コーナーでは前団がダンゴ状態。脇本がようやく前団を射程圏に入れてバックから発進。外に浮いた池田のあおりもあったが、ゴール寸前で岩津裕介を交わして白星で決勝進出を決めた。
 「(才迫の先行は)だいたい想像できたけど、想像以上でした。自分が見て確認する前に(車間が)空いてしまったので、むちゃくちゃ空いた…。なかなかああいった展開はないんで。気持ちは元気でも、脚がついてきている感じがない。(池田が)仕掛けてくれて助けられた感じがあった。恵まれてなんとか1着ですね。(決勝も)楽なレースにはならないだろうけど、それも自分に対する試練だと思って。どういう形であれ優勝して地元記念を連覇したい。もう一回気合を入れてレースに臨まないとダメ。万全じゃないけど、地元の意地を見せないと」
 脇本マークの伊藤保文は、3着に汗をぬぐってホッと一息つく。
 「自分は前(脇本)しか見てなかった。そしたら(脇本が)どんどん外に行った。でも、あれは外に行ったから助かったと思いますよ」
 逃げる才迫の番手の岩津裕介(写真)は、最終1センターで池田を猛ブロック。しかしながら、池田を一発では仕留め切れず、再度池田が迫ると今度は番手まくりで2着。才迫の頑張りを称えて、岩津がクールダウンを始める。
 「(才迫は)いつも頑張ってくれるし、その気持ちは伝わってきた。池田君はあのタイミングで来れば、ワッキー(脇本)を引き出す形になるけど。かぶったら意味ないし、池田君も来ますよね。もう(番手から出ていかないと)ラインを全部つぶすことになっちゃうんで、ああなりました」
 岩津に合わされて最終3コーナーで力尽きた池田勇人だが、完全燃焼でさらりと振り返る。
 「1回見ちゃって(仕掛ける)タイミングがズレた。そこだけですね。あとは力勝負ができたし、自分も悪い時は抜け出したかなっていうのがある」
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