『被災地支援競輪福井競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月5日
 熊本地震被災地支援・福井競輪開設66周年記念「不死鳥杯」G3は最終日を迎え、本日、4日間に渡る日程を終了した。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦は松岡篤哉が先行。番手の浅井康太が稲垣裕之を止め、直線で追い込んで優勝した。
 また、今回から実施された熊本地震災害復興支援レース(第9レース)は山本伸一が主導権。この動きに坂本貴史がすぐに反応し、追っていくと山本をひとまくり。最後は番手の和田圭が差し切って勝利しました。
決勝戦 レース経過
 号砲で牛山貴広が出て、前団に新田祐大―牛山が構える。以下の隊列は松岡篤哉―浅井康太―林巨人、石井秀治―渡邉晴智―内藤秀久、単騎の稲垣裕之が最後方。
 6番手の石井は青板の4コーナーから上昇を開始、新田は下げて石井が赤板の1コーナー過ぎに先頭に立つ。石井ラインを追った松岡は、4番手まで引いた新田を警戒しながら2コーナーから踏み込んで打鐘手前で主導権を奪取。松岡に浅井―林まで出切り、中部勢を追った稲垣と石井で4番手を取り合い。松岡がそのままペース上げて逃げて最終回へ。外から石井を制した稲垣が4番手に入り、南関ラインが続く。新田は8番手に置かれて一本棒。
 2コーナーから稲垣がまくりを打つと、逃げる松岡と間合いを取った浅井がけん制。バックを通過して浅井は3コーナーの入り口で稲垣をブロック。同時に8番手の新田も大外をまくり追い込む。しぶとくへばりつく稲垣をどかして、浅井は目いっぱい踏み込む。直線半ばで松岡を交わした浅井が、迫り来る新田を振り切って優勝。新田のまくりは2着まで。逃げた松岡が3着に粘り込んだ。


浅井康太選手
浅井康太選手
 中部3車が各自役割を果たし、ラインの力で手に入れた勝利。優勝した浅井康太(写真)は「前回(宮杯決勝)のレースがあったんで、引き締めたレースをと思ってたし、ラインのレースができたのでよかった」とホッと胸をなで下ろす。高松宮記念杯の決勝ではラインの2人を連れ込めず、内容に悔いを残す結果となったが、「ほんと、ラインのおかげです」と溜飲を下げる。
 「最終日に体が動き出した感じでした。前がかかってたし、稲垣さんを2回目で止められた。あれが大きかったですね。ちょっとバランスを崩したけど、止まるって判断はできたので。ワンツーが1番よかったけど、ワンスリーなら。林さんも3着内に入れたらよかったけど。G1終わりのレースでしっかり走れたのは評価できると思います」
 前回の高松宮記念杯で表彰台入り。そして後半初戦を優勝。王者の走りを取り戻し、後半戦も勢いそのまま突っ走る。
 「サマーナイト、オールスターがあるんでね。調整というか練習ですね。自力で戦える脚を作って。気持ちも維持して年末(グランプリ)を走れる位置にいれるように」

 新田祐大は8番手から猛然と迫るも2着まで。
 「打鐘の所で『やっちまった』と思った。ホームで稲垣さんと石井さんとがやり合って隊列が短くなったから『そこだ』と思ったけど…。後ろに迷惑をかけてしまいました」

 松岡篤哉は記念初優出で3着。また、完璧とも言っても良いレース内容に胸を張る。
 「冷静に落ち着いて走れました。かかりは最高ではなかったけど、しっかり踏めてたので。このメンバーで3着は自信になりました。やっと良い状態になってきたし、今後は自信を持って走れると思います。久々にG1の権利(競輪祭)が取れたのでよかった」

 稲垣裕之は同期で中団を取り合い脚力を消耗。最後は浅井に止められ万事休す。
 「中団中団から先まくりの作戦だったけど。石井君と併走して脚を使いましたね。でも前がかかってました。松岡君は連日良い先行をしてたし。僕もしっかり力を付けてきます。復帰戦にしては良い感触で走れたし、良いところもあったし、悪い所もあった。悪い所をしっかり修正してまた頑張ります」

 手負いの状態も気力で勝ち進んだ石井秀治だったが、決勝までは力が持たず。
 「打鐘の所とか何度か遅れてしまって。中団を取られてしまったら仕方ない。まあ今回はやれた方だし、しっかりと体を治してきます」

 林巨人は表彰台入りも見えたが、コース取りを誤り5着に終わる。
 「浅井が優勝なんで付いていけばチャンスだったんだけど。余裕もあったし。コース取りを間違えました。あのまま外を踏んでいけばもうちょっと良い着だったと思う。浅井は落ち着いてましたね。僕はまだまだ勉強です」


ゴール
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