『福井競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月23日

 福井競輪場にて行われている開設67周年記念「不死鳥杯」は2日目を迎えた。本日のメーン、優秀「朝倉ゆめまる賞」は稲川翔が追い込んで勝利。二次予選では村上義弘がファンの支持に応え、ルーキー・太田竜馬は岩津裕介とワンツーでクリアした一方で、山崎芳仁、園田匠、山田英明は2日目で姿を消した。明日からシリーズは後半戦。3日目は準決勝3番勝負をメーンに争われます。
 本場では開催中毎日、ダイソンハンディクリーナーなどが当たるスピードクジ抽選会を実施、前売投票所で車券を購入された方に、先着100名様に粗品をプレゼント(1日2回、7:00~、13:00~)、専門解説予想会(4R発売中)、1日合計5,000円以上ご購入されたお客さまを対象に「電話投票キャッシュバックキャンペーン」を実施(抽選で各日5名様に29,100円〈フ・ク・イ〉をキャッシュバック)、「がんばれ福井クオカードプレゼントキャンペーン(福井の選手が1着になった際は、抽選で5名様に福井競輪オリジナルクオカードをプレゼント「応募方法は福井競輪場HPまで」)。

<6R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 二次予選最初のレースは北津留翼(写真)が逃げ切り勝ち。レースは青板周回から早めに動き、一巡したのち打鐘過ぎから北津留がカマして主導権を握る。すると、番手の園田匠が踏み出しで遅れ、志村龍己にさばかれてしまう。援軍を失った北津留だったが、必死に逃げると最後は落車のアクシデントもあり、そのまま押し切った。
 「んー、構えた方がよかったのかなあ。今日は雨が降ってるから、(まくりで)外々踏むと厳しいと思ったから、行った方がいいと思ったんですけどね。距離が長くてキツかったですね。後ろの状況は分からなかったけど、ペースでいくしかないと思ってペース駆けに専念しました。分かっていればもっとやりようがあったのかな。1着が取れたのはよかったけど、園田さんが勝ち上がれなかったので…。2人で反省会をします」
 番手にはまった古屋琢晶だったが、ゴール寸前で園田とからんで落車。その後ろの志村龍己が追い込んで2着に入る。
 「展開はすごく良かったけど、古屋さんが落車してしまったので何とも言えないですね。園田さんが離れてきたのが分かったんで、脚があるから上手く持っていかないとと思って。3番手(真後ろ)に入ったのが分かったから、内を狙われると思ったんで締めて。その場その場で対応はできていたし、良い形には持っていけました」
 西村光太が3着。園田匠を追う展開から、バックまくりでしぶとく確定板入り。
 「今日は北津留が行く前に自分が行こうと決めてたんですけどね。自分が先に何かやって、かき乱してやろうと思ってたけど、北津留は冷静でしたね。先に行かれてしまいました。これでは自分の戦法が分からなくなってしまう。外々をついて行ってるだけなんで。でも、僕は一発で仕留めるような脚はないんで、こういうのが持ち味なので。前々に踏んで行って。要所要所で仕掛けているんで悪くない」


<7R>

河端朋之選手
河端朋之選手
 後ろ攻めの桐山敬太郎が上昇して誘導の後ろが入れ替わると、続いた永井清史が打鐘で叩いて主導権を握った。桐山は中団を確保し、河端朋之は7番手に置かれた。永井は徐々にペースを上げていくなか、河端が2角手前から反撃を開始。さらに、桐山も合わせて出て各車で力勝負となった。バックを通過し、2センターでは内に永井、中に桐山、外に河端で並んで通過していくと、最後は河端朋之(写真)が力でねじ伏せた。
 「(ホームで)行きかけて少し詰まって。桐山さんが行くのを待つより自分のタイミングで仕掛けようと思ったら、桐山さんが4番手から出てくれたので、結果良い目標になりました。今日に関しては行くべきところで行けていると思いました」
 河端をマークした橋本強が食い下がって2着。
 「河端君はダッシュがすごいので、一瞬でも遅れはとってはいけないと思い、全部反応していたらキツかったです。ワンツー決まってよかったです」
 中団から先まくりを放った桐山敬太郎も、3着で勝ち上がりを決めた。
 「ラインで決めたかったですね。永井君はかかれば強いので、待っていたら行けなくなると思ったし、ラインで決めるためには2コーナーから踏むしかないと思った。ナショナルチームにはスピードでは太刀打ちできませんね」


<8R>

柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
 後ろ攻めの杉森輝大が、中団で併走したあとに打鐘で前に出る。すると、フタをされていた川口聖二だったが、すぐさま反撃を開始。杉森を強引に叩き、最終ホームで主導権を奪い返した。川口はそのまま力強く風を切ると、これに別線はお手上げ。最後は車間を空けていた柴崎俊光(写真)が、ゴール前で交わした。
 「恵まれ一本です。(川口)聖二が強かったですね。バックで誰もこなくて、2センターでは決まったなと思いました。ワン・ツー・スリーは気持ちがいいですね。でも、聖二はジワジワ駆けていくので、キツかったですよ。1着を取れたし、道中も余裕があるので状態に問題はない」
 3着にも堂村知哉が入り、ラインで上位を独占。立役者の川口聖二は饒舌にレースを振り返る。
 「杉森さんが中途半端なペースだったので、(出切るのが)きつかったです。そのあとは3人で出切れたか、わからなかったです。山崎(芳仁)さんがいつくるかわからないので、ずっと踏みっ放し。後ろを見る余裕もなかったです。記念の決勝に乗ったことがないので、行きたいですね」
 地元の堂村知哉は喜びを爆発させた。
 「めっちゃ嬉しいです。走るからには一生懸命頑張ろうと思って。川口君と柴崎君のおかげですね。(レース中は)無我夢中でした。記念の準決勝は2回目。勝ち上がれてよかった」


<9R>

鷲田幸司選手
鷲田幸司選手
 赤板から中団の山形一気が先に上昇して誘導員の後ろが入れ替わると、続いた高橋和也が押さえて主導権を握る。山形が中団4番手に収まり、人気を集めた山田英明が6番手、松坂洋平は8番手に置かれた。高橋は一本棒にして最終ホームを通過していくと、山田がバックからスパート。しかし、山形に弾かれて万事休す。実力者の山田が消えたところで前団で勝負あり。最後は林巨人が番手のチャンスをきっちりモノにした。しかし、高橋を残せず、出てくる言葉は反省ばかり。
 「アカンすね…。俺がヘタクソだった。普通ならライン3人で決まったレースだったのに。昨日の(離れた)ことがアタマにあったので…。残さないとと思ってたんですけどね。あれだけ頑張ってくれたのに、(高橋は)同県なのに…、勉強します」
 3番手の鷲田幸司(写真)が続いて2着。こちらは地元で準決勝を決めて終始笑顔。
 「前のレースで堂村(知哉)さんが(準決勝に)乗るからプレッシャーでしたよ(笑)。(高橋が)あんなに長い距離を行ってくれたので。いやあ、でも絶対に山田さんが来ると思ってたので、そのときに飯田君が入ってくるだろうと。そうしたら、奇麗に3人で(4角を)回ってきたから。余裕はあったけど、僕ごときが余裕っていっても周りからすればね。昨日も緊張したけど、今日も緊張した。アタマ真っ白ですよ。明日も頑張るけど、気楽にいきます(笑)」
 山形一気は、絶妙なブロックで山田を止めて3着に入る。
 「今日は脚を使ってでも山田さんよりも前にいるしか勝つ要素がないと思ってたので。すんなり中団を取れたのがよかったですね。あとは山田さん次第。スピードが違ったらハコに行きますって。ああなったから、引きつけて引きつけてと思って。止められる気はしなかったけど、ちょうど3コーナーだったから、たまたま止められました。それにしても、山田さんの後ろからのプレッシャーがすごかった。あれでアタマまで行ってたら100点だったし、1(着)2(着)の勝負をしてたら柳谷(崇)さんも勝ち上がれたんですけど。でも、展開を作れたのはよかったです」


<10R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 高木翔が中団の太田竜馬にフタをしたのち、さらに上昇して打鐘前に先頭に立つ。すると、すぐに太田が反撃に出て、あっさり高木を叩いて主導権を握った。太田は力強く駆けていくと別線は成す術なく、大勢は決する。最後は番手の岩津裕介(写真)がゴール前で差し切って白星を挙げた。
 「太田は余裕を持って落ち着いて走っていたので、自分もついていて楽でした。あんまり別線も詰めてこなかったし。7割ぐらいの力で太田は踏んでいて、自分にも余裕がありました」
 太田竜馬は敵をあっさりと完封。実力の違いを見せつけた。
 「作戦は押さえて出ていく感じでした。自分のリズムで出れたし、出てからもペースで踏めていました。ただ、ゴール前はキツかったですね。落ち着いて良い感じに走れているし、ワン・ツー・スリーが決まって良かったです」
 黒田淳まで続いて3着。ラインで上位を独占した。
 「人の後ろだと自分でやっているときと違って、最後の4コーナーを回るときまでの力の残り方が違いますね。人の後ろにつく機会があまりないので、難しかったです」


<11R>

村上義弘選手
村上義弘選手
 前受けの野原雅也は、押さえにきた簗田一輝を突っ張り切れず7番手まで車を下げる。それでも、態勢を立て直して再度仕掛けると、最終ホームで簗田を強引に叩いた。番手の村上義弘(写真)は車間を切って野原をアシスト。最後は余裕を持って追い込んだ。
 「(野原)雅也も駆けて苦しいとは思ったけど、粘ってくれた。今日は雅也の力がよかったですね。残り2日間も、一戦一戦頑張ります」
 近畿3番手を固めた椎木尾拓哉が、村上に続いて2着に入る。
 「ついていくことだけに集中していました。野原君は落ち着いて仕掛けてくれると思っていましたよ。3人で決まってよかったです。今日もしっかりついていけている。感じは悪くないです」
 逃げた野原雅也は3着に残り、地元記念の準決勝に進出。上位独占を決めて、安堵の表情を浮かべる。
 「遅かったし、(突っ張る気持ちは)もちろんありました。でも、僕の判断が中途半端でしたね。そのあとは、すかさずいこうと。松岡(孔明)さんが斬りにいくのはわかっていたので、そこでいかないとないなと思っていきました。距離も長くて苦しかったです。村上さんあっての着ですね。楽な展開になってくれと思ったけど、うまくはいかないですね」


<12R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 2日目のメーン、優秀「朝倉ゆめまる賞」は稲川翔(写真)が大立ち回りで勝利した。レースは中団の武田豊樹が上昇して誘導の後ろが入れ替わると、脇本雄太が押さえて打鐘から主導権を握った。武田はその3番手をがっちりキープし、その外の深谷知広はズルズルと車を下げて最後尾となった。脇本がマイペースで逃げるなか、4角から郡司浩平が反撃を開始。郡司が迫ってくると稲川はガッチリと止め、さらに、内を狙った武田の行く手を見事阻んだ。そこから、前との車間を詰めいくと、最後は計ったようにゴール寸前で脇本を差し切った。
 「今日は脇本君がヤル気を感じたし、それで自分も頑張ろうと思いました。お互いが自分のやるべきことをやって行く、それだけでした。このクラスだったら、あれくらいブロックしても(相手は)コケないだろうからね。最後、差してないかと思ったけど、交わしてましたね」
 脇本雄太は交わされたものの、力を出し切る内容に納得の様子。
 「すんなりだったから。いつもあれなら苦労しないんですけどね。先行するなら早坂さんだろうし、注意して叩きに行こうと思ってたら、武田さんが斬ってくれたので。道中で余裕があったのがよかった。明日は河端(朋之)さんとですか。同じナショナル(チーム)でお互い手の内を知ってるからやり辛い。桐山さんもいるし。でも、せっかく(村上との)機会を与えてくれたので頑張ります」
 郡司浩平は、致し方なしといった様子。
 「あそこで行くしかないと思って無理矢理行ったけど無理でしたね。できれば、もうワンテンポ早くいけばよかったけど。稲川さんは余裕があったし、行ける感じではなかった」
 武田豊樹も隙を突いたと思われたが、稲川は見逃さず。
 「あそこを抜けていれば後閑(信一)さんとワンツーが決まったんですけどね。さすがは稲川君。内まで追い掛けてきた。外だけではないんだね」
 深谷知広は、今日は見せ場を作れずシンガリに終わる。
 「僕の技術のなさですね。今日は一番後ろから流れを見ようと思ってたけど。あのまま脇本さんが行ってから、どこかに入れると思ったけど甘くはなかった。そこは勉強します」