『奈良競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:2月26日
 奈良競輪開設69周年記念「春日賞争覇戦」が2月27日から開幕する。全日本選抜で落車した松浦悠士の欠場はあったが、S班の平原康多、村上博幸をはじめ豪華メンバーが奈良バンクに集結。地元勢は竜生、将太、政史の三谷3兄弟、太祐、俊亮の中井兄弟と兄弟レーサーが固い結束力で他地区のラインバルたちを迎え撃つ。短走路を舞台に初日から白熱のレースが繰り広げられることは必至だ。

<1R>

藤根俊貴選手
藤根俊貴選手
 1R、1番車になった藤根俊貴(写真)は「早いのはGIだけにしてください」と苦笑い。
 「前回(全日本選抜)からちょっとずつ良くなって、ここまでの2週間しっかり練習した。感じも良くなってるんで、どれだけ走れるかですね。全日本選抜の初日から良かったときの感覚を取り戻しつつある。前回のGIで早起きが多かった(4日のうち2日が1R)ので、そのときの感じで走ります」
 大森慶一は「状態は変わらず。藤根君とは豊橋(全日本選抜)である。そのとき初めて連係した」。全日本選抜2日目にも連係した藤根の番手でシリーズの好スタートを切るか。


<2R>

櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 ここは110点近い競走得点を誇る櫻井正孝(写真)が人気を集める。
 「車番がキツい。これじゃやれることが限られてくるし、いつもどおりに期待されても…。(昨年12月)別府記念の落車で自転車がダメになって、復帰戦から新車を使ってるけど、なかなかセッティングが出なくて、全日本選抜の3日目にようやく400(バンク)なら、これかなっていうのが出た。悪くないと思うけど、33だとどうかな。ここまで2週間はウエイトをやってギックリ腰になったけど、それも落ち着いたんで。練習はしてるから、状態は悪くないと思う」
 眞杉匠にもチャンスのあるメンバー構成だ。
 「徐々に良くなってるけど、まだまだなんで。S級では苦戦してますね。A級じゃ来ないところで来るんで、そこに戸惑いがあった。33だし、まずは出し切るレースをして。状態は大丈夫です」


<3R>

元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 元砂勇雪、三谷政史が地元勢のトップバッター。元砂勇雪(写真)は2月小松島で優出するなど近況乗れている。
 「小松島は展開もすんなりやったんで。ここに来る前に痛風が出てしまったので、走ってみないとわからないですけど、昨日(25日)はしっかり踏めたし、パワーをかける分には問題ないと思う。痛みはあっても気持ちでカバーしたい。地元記念は2年ぶりぐらい。地元のトップバッターなんで、いい流れを作れるように」
 三谷政史は長男として3兄弟のトップバッターを務める。
 「3人あっせんはGIではあるけど、記念では初。僕の状態は完璧ですね。前回(2月名古屋)は成績も悪くないし、調子も良かったので、ここでも全部かみ合ってくれれば。兄弟では最終日、最終レースしか一緒には走れない。それぐらいの仕上がりではあるので、決勝を目指して頑張ります」


<4R>

 中井太祐も前回の京王閣から中15日というゆとりのスケジュールで、地元記念に向けてしっかり仕上げてきた。
 「成績ほど悪い感じじゃないし、最近はかみ合ってないだけだと思う。支部合宿に参加したり、ここに向けてやることはやってきたので。今回は結果を出したいですね」
 このレースの自力型では蒔田英彦が点数最上位だ。
 「前回の松山から1週間近く空いて、しっかり練習してきた。前回よりはいい状態です。ただ今年に入ってから予選の成績が良くない。それは自分でも飽きてきましたから。今回はしっかり確定板にのれるような走りがしたい」


<5R>

 橋本智昭もいるが、最近は高久保雄介も仕掛けが積極的だ。
 「調子はいつもどおりですね。最近は先行を頑張ってやろうと思って、やってる。年齢的にも先行できるラストチャンスだと思うし、やれるうちにやっておこうと思って。ただ点数が下がってきてるので、今は我慢の時期です。やって来たことが短走路のここで向いてくれたらいいですね」
 月森亮輔は1月防府、2月向日町と予選で連対するなど復調の兆しを見せている。
 「成績が安定してないのは自分でもわかってる。でも練習の感じは良くなってきてるし、今回はいいと信じたい。奈良は前々にいないとダメなんで、後方にならないように組み立てたい」


<6R>

 南潤は前回、小松島でシリーズ2勝。初日特選では最終ホームからのカマシで押し切った。
 「航続距離を考えたレースをしないといけないですからね。前回は良かったです。最近はタレてたところもあったけど、いいイメージが持てた。今回もいいと思います」
 昨年は怪我で出られなかった伊代野貴照にとっては4年ぶりの地元記念だ。
 「去年は骨盤骨折して出られなかったし、地元記念は走りたいなって気持ちがすごくあった。あんまり意気込みすぎてもアレなんで、冷静に走りたい。初日は(南)潤君なんで、後輪だけ見てれば彼が全部やってくれるでしょう。連係は初めてです」


<7R>

山田久徳選手
山田久徳選手
 山田久徳(写真)は追加参戦。強力な近畿勢にさらに層の厚みが増した。
 「前回(2月平)の2日目もバック9番手からまくれたし、悪くはないと思う。追加は入るかなと思って準備してたし、けっこう早めに入れてもらったので。次の玉野記念の分も含めて練習できたかなって感じ。シュン(中井俊亮)には勝てるように走ってもらう。そういう感じのほうが走りやすいと思うし、信頼して付いていきたい」
 中井俊亮もしっかりと一次予選をクリアしたい。
 「地元に向けてしっかりと調整して来ました。支部の合宿には行かなかったけど、じっくりと地元で練習した。直前には将太さんと竜生さんと一緒に練習して感触も悪くなかったです。戦える状態だと思うし、しっかり決勝を目指して初日から頑張ります」


<8R>

 野口裕史は前回の2月平でまさかの994着。ここまでにどこまで立て直せているか。
 「久しぶりに99した。FIだと初めてかもしれないですね。行く前の状態も良くなかったけど、行ってみたらやっぱりって感じでした。ここまでは体の使い方とかを考えてやって、師匠(武井大介)にも戻ってきたんじゃないかと言われたけど、これでダメならまた考えないといけないですね。33は出れたら楽だけど、出られないとキツい。主導権を取れるように頑張りたい」
 野口が主導権を握れば、番手の大塚玲にチャンスだ。
 「今は流れがあんまり良くないけど、調子自体はいい。思ったように流れがいってないけど、結局は打開できない自分の実力不足なんですよね。調子自体は悪くないので、そこだけは自信を持って頑張りたいと思う」


<9R>

 全日本選抜は明らかに動きが重かった和田真久留はここまでの2週間でしっかりと立て直してきたようだ。
 「全日本選抜はひどかったですね。レースに成らなかったので、今回はレースをしたいです。風邪が長引いたりして、全日本選抜の前は2日ぐらいしか練習できなかったけど、今回は練習できた。何とか立て直せる状況までは戻せたと思う」
 初日は和田の番手回りと聞いた伊勢崎彰大は口も滑らか。
 「大好物がきましたよ。いきなり上カルビみたいなね。真久留とは相性がいい。脚質的にも息が合うというかね。真久留のポイントで仕掛けてさえくれれば、それが早めなら抜けるかな。毎年冬場は駄目だけど、今年は暖冬なんで助かってる。1月は状態を崩したけど、それも持ち直しました」


<10R>

三谷将太選手
三谷将太選手
 竹内雄作はバック30本に迫る勢い。前回の2月松阪でも連勝で決勝に勝ち上がるなど徐々に本来の力強さを取り戻している。
 「ちょっとずつ上向いてる。ここまで中6日、追い込んだ疲れがどれだけ取れてるかだけど、うまく明日(初日)整ってくれれば。(バックが増えているが)先行させてもらってるだけだと思う。それがバックまでじゃなくて、ゴールまで残れれば。(後ろが三谷将太で)緊張しますね。レース(内容)自体は良くなってるので、あとは結果が出てくれれば」
 三谷将太(写真)は兄弟3人で決勝戦という最大の目標に向かって、初日から全力でいく。
 「名古屋で落車した影響で、今もまだ良くない。もう少し時間が欲しかったけど、そのなかでやれることはやってきた。兄弟3人で決勝に上がるのが今回の目標ですね」


<11R>

宮本隼輔選手
宮本隼輔選手
 宮本隼輔(写真)は前回の2月松山で昨年7月大垣記念以来となる優勝を飾った。
 「何も変えてないけど、前回は久々にいい感じでしたね。松山とは相性もいいのかもしれませんけど。終わってからはいつもどおり練習して状態も維持してる。四国の方に付いてもらえるのでしっかり頑張ります」
 好調維持する湊聖二が宮本をガードする。
 「前回(2月松阪223着)は2日目の感じを見てたらいけてたね。豊橋(全日本選抜)よりも上がり調子だった。行く前の練習からええもんがあったんで。今回から北村(信明)のフレームを使う。練習で使った感じは良かったです」


<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 地元のエースは三谷竜生(写真)だ。今年からS班ではなくなってしまったが、全日本選抜では優出するなど、その存在感は変わらない。
 「1月の成績がダメだったんでどうかなと思ったけど、決勝に乗れたことは良かった。でも決勝は位置を取っただけになっちゃったんで。豊橋が終わってからは石垣島に支部合宿に行っていい練習ができた。もちろん優勝するつもりで来てますし、3人あっせんなんで兄弟連係できるように頑張りたい。全日本選抜のときはまだまだ上がり切ってない部分があったけど、そのなかでしっかり走れた。今回はそのときよりも状態はいいと思う」
 全日本選抜準優勝で、当所記念でも優勝実績がある平原康多が三谷の前に立ちはだかる。
 「(全日本選抜の)決勝はひとつ前のラインにはいたかったですね。他にも色々計算が違ったりして(巻き返したが)間に合わなかった。力が拮抗してるので、ああいうところが命取りになる。勝敗を分けますよね。でも車の進みは悪くなかったと思う。ここまでもウエイトとかしたり体調を崩さず最低限はやれたかな」