『施設整備等協賛競輪in奈良(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月1日

 施設整備等協賛競輪in奈良「秋篠賞」(GIII)は5月1日に3日目が行われた。2日目以上の猛烈な風、そして9レースは突然の豪雨に見舞われるなど荒れ模様の1日となったが、準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。中西大に三谷将太、石原颯、久木原洋らベストナインが出そろった。5月2日最終日の決勝戦でシリーズの頂点を決める。
 なお最終日も選手の欠場に伴い3日目同様、11レース制へのレースカットを実施しています。今シリーズは無観客での開催となっています。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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石原颯選手
石原颯選手

久木原洋選手
久木原洋選手
 前受けから突っ張った石原颯(写真)を久木原洋が強引に押さえると、その上を佐藤幸治が叩いて出る。6番手となった石原は赤板の2コーナーからすかさず反撃。佐藤の抵抗をホームでねじ伏せて最終主導権を握る。そのまま石原が強じんな粘り脚を発揮。シリーズ3連勝でGIII初優出を決めた。
 「前からのレースにも対応したいと思ってました。1着は取れましたけど、もう少し上手なレースをしないとダメですね。結果オーライでした。展開で駆けたけど、変に気負わずに余裕はありました。雨が突然、降ってきたけど集中して走れました。感触はずごくいいです。自信になりました」
 大川龍二が懸命に続いて2着に流れ込み、中四国ワンツー決着。
 「すべて(石原に)任せていました。すごいスピードでした。諦めない気持ちで最後は口が空きながらも、しっかり続けて良かったです。大先輩の佐古(雅俊)さんと、いいスピードを持っている広島の後輩たちに練習でもまれているおかげですね。状態は問題ないです」
 後方からまくり上げた久木原洋(写真)が3着でGIII初優出を果たした。
 「(初手で)思っていた位置が取れず、後ろになってしまった。1回切ってと思ったけど、脚を使ってしまった。立て直して、踏むしかないと思って行きました。進んでいる感じはありました。最後は思い切りハンドルを投げました。FIでも決勝にそんなに乗れてないし、GIIIは準決勝に乗るのも初めてでした。うれしいですね。雨は苦手だったけど、今回で克服できました」

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福島武士選手
福島武士選手

鷲田佳史選手
鷲田佳史選手
 赤板の2コーナーで前に出た中井太祐を打鐘の3コーナーで渡邉豪大が叩いて主導権を取る。中井は3番手の内で粘る形に。まくりで前団に迫る門田凌を山賀雅仁がけん制するが、佐藤康紀が接触して落車。1位入線の山賀は失格となり、門田のまくりに乗って伸びた福島武士(写真)が1着に繰り上がった。
 「ホームで出しにくかったと思うけど、すぐに行ってくれた門田君のおかげ。2コーナーで飲み込む勢いやなと思ったけど、落車で止まってしまった。途中までは内か外かどっちかなと思ったけど、落車があったので、内やなと。動きも周りも見えている」
 鷲田佳史(写真)が中井マークから繰り上がりで2着に入った。
 「先行か4番手なのか立ち上げの最中だったので下手に動くよりも中井君の動きを見ていた。落車があってコースが開けたので行けるかなと。最後の最後まで中井君を待っていて、コースを選び切ったぐらいでゴールしていた。初日、2日目とサドルが下がってきていたのに気が付いて戻したら良かった。連日、冷静に走れている」
 吉田茂生は繰り上がりの3着で19年4月の川崎以来、2度目のGIII優出。
 「道中は余裕があったけど、しゃくられてしまって。それがなければ長尾君も自分のタイミングで行けたのかなと思って反省ですね。落車を避けるのに必死でした。最後も外踏めたけど、繰り上がりがなければ4着。番手のレースが少ないから色んな人のレースを見て勉強しないと」

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中西大選手
中西大選手

三谷将太選手
三谷将太選手
 スタートけん制があり、三谷将太が誘導を追っていくが、2コーナー付近で岩谷拓磨、佐伯辰哉の2人が落車のアクシデントに見舞われた。これで7車のレースに。小埜正義が青板のバック過ぎに押さえて駆ける。前受けから5番手まで下げた中西大(写真)は打鐘の2センターからロングまくりで襲いかかると、最終バック前に小埜を抜き去り、シリーズ3連勝を飾った。
 「落車のアクシデントがあったのは残念ですね。後ろのほうで避けて状況は見えていました。自力屋がもう小埜(正義)さんしかいなかったので、落ち着いて走りました。ここからなら持つなっていうところで行きました。連日、何か体は重くなっている感じはするけど、出し切れています。しっかりケアして頑張ります」
 地元の三谷将太(写真)がしっかり続いて2着。初日からオール2着で決勝まで勝ち上がった。
 「(中西)大が落ち着いてましたね。今回は終始、緊張して疲れているけど、決勝に乗れたのは良かった。練習でちょっと追い込み過ぎたかもしれない。回復してくれることを祈ります。優勝を目指して頑張る」
 ライン3番手の松崎貴久がしぶとく3着に流れ込み、中近ラインで確定板を独占した。
 「(落車が)目の前であったけど、避けて立て直してから続きました。3番手でしっかり続くことが仕事だったので。アクシデントはあったんですが、落ち着いて集中して走れました。決勝に乗れているし、状態は問題ないです」