『第9回大阪・関西万博協賛競輪in奈良(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月7日

 奈良競輪場で行われている「第9回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」は、6月7日に2日目が実施された。二次予選では地元の中井太祐、俊亮兄弟が10レース、11レースで続けて1着を取って場内を沸かせた。6月8日の3日目はシリーズ佳境の準決3番勝負。ファイナリスト9名がいよいよ決まる。
 GIIIシリーズは開催中の毎日、来場者プレゼントとして、先着で150人様に「春日鹿まんじゅうかのこ」をプレゼント。大阪・関西万博PRブース、未確定車券抽選会、奈良県のグルメブースなどが予定されています。さらに8日には地元の日野未来選手の100勝達成報告会も。奈良競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

佐藤一伸選手
佐藤一伸選手
 後ろ攻めの小原丈一郎が押さえて先頭に立つと、柴崎淳が北日本勢を追って中団を確保。前受けの東矢圭吾は7番手まで車を下げる。東矢は打鐘前2コーナーの下りから一気に巻き返すと、小原もペースを上げて抵抗。東矢と小原で踏み合いになるが、東矢は最終2コーナーで先頭に出る。瓜生崇智は東矢に続くが、佐藤一伸(写真)が木村隆弘をさばいて位置を確保。佐藤は小原の余力を確認しながら、前へと踏みこみゴール前で熊本の2人を交わして1着。通算300勝を決めた。
 「(300勝は)ようやくですね。リーチをかけてから長かったです。いつか、できればと思ってはいました。(今後の目標は)1つずつレースを頑張っていければ。今日は小原君のおかげ。ホームで東矢君を止めるなり、瓜生君だったりにいければよかったけど、最悪3番手(木村隆弘)をさばいてと。脚は良かったので、確かに良く伸びた。でもアタマまで届くとは。(思い出の1勝は)299勝目の地元ダービーでGI初勝利ですね。地元のGIで1着なんて最初で最後かもしれないですから」
 瓜生崇智は絶好の展開にはなったが、勝つことができずに、自身でも満足のいく状態ではなさそう。
 「(東矢)圭吾に任せていたし、彼が勝つ競走をしてくれれば、僕らにもチャンスと思っていた。圭吾は強いし心強かったです。後輪だけを見てついていきました。かばいながらでしたけど、(佐藤に)あそこまで行かれるとは。ちょっと余裕がなかったですね。(状態は)イマイチですね。ピリっとしない」


<7R>

大川龍二選手
大川龍二選手
 瀬戸栄作が誘導を切ったところを田中大我が赤板で押さえて先頭に立つ。8番手に置かれた山中秀将は打鐘前2コーナーから巻き返すと、抜群のスピードで中近勢をまくりきる。しかし村上直久が山中に離れてしまう。大川龍二(写真)が山中を追いかけるように仕掛けていき、さらに外をまくった。
 「月森君が前を取ってくれたので。(道中は)とにかく真ん中にいれば前が駆けるか、後ろになった人が仕掛ける展開になると思った。人の動きを読みながら反応する感じでしたね。松岡(健介)さんが山中君にスイッチしたので、一瞬ヤバいかなって思ったんですけど。乗り越えられたのでかなりいいかなって。月森君も普段は自力で動く選手ですし、前を回る以上は格好をつけないとなって(笑)」
 月森亮輔はスタートを飛びしてS取りに成功。大川のまくりに続いて外々を踏まされたが、食い下がった。
 「離れないように集中して。(大川が)主導権を取るようなら、できることをしようと思っていました。初手で前が取れたのでホッとしました。(踏み出しは)めちゃくちゃよかったです。ヤバかったですね。大川さんが強かった。僕は連日、前のおかげなので」


<8R>

渡辺十夢選手
渡辺十夢選手
 後ろ攻めの中西大が押さえて先行態勢に入ると、高久保雄介が追って4番手を確保。少し離れた6番手に道場晃規で金子幸央は8番手で打鐘を迎える。好位をキープした高久保は最終ホームから発進。バック前には中西をまくり切って、最後は渡辺十夢(写真)が交わした。
 「初手はミスって(中西と)踏み合いを誘発するような並びになったけど、(高久保)雄介は脳筋ではなかった(笑)。柔軟だったし、位置を取ったんで素晴らしいなって。(最後は差して)自分は何もしていなかったですから。最近は成績通りに安定感がありますね」
 高久保雄介は好位を取る柔軟なら立ち回りからまくりを放ち復調の手応えを得た。
 「(中西を)切るか悩んだけど、すごい踏んでいたので。(4番手に入って)内が空いていたのはラッキーでした。後ろもすぐ飛んでくるだろうからなるべく早く行こうと思ったけど、(中西)大がうまく駆けていて無理やり行った。最近はまくりに自信がなかったけど、出て良かったですね。(2月に)落車してから中間スピードから踏むのができずにいたけど、マシになってきた」


<9R>

佐々木眞也選手
佐々木眞也選手
 松岡辰泰が誘導を切り、高橋和也が赤板で押さえて先頭に立つ。前受けから7番手まで引いた佐々木眞也(写真)は打鐘前2コーナーからの巻き返し。高橋を最終ホーム過ぎに叩き切ると、そのまま力強く逃げ切った。
 「もう残り1周だったので行ける所まで行こうと思いました。逃げ切れたのは自信になりました。必死の中でも最後まで粘り切れたと思います。高橋さんを見ながらだったんですけど、出切ってからも意識しながらできたと思います。いつでもどこでも(先行を含めて)できることをやろうと思っているので」
 萩原孝之はまくってきた松岡のまくりを外に振って佐々木に続いた。
 「(佐々木が)強かったです。前が取れたらカマす感じだったので、自信があったんだと思います。(松岡が)自分のちょっと後ろぐらいまで来ていたので、ちょっと牽制したら抜けなくなりました。踏み直しもすごかったですね。展開が向いたんですけどね」


<10R>

中井太祐選手
中井太祐選手
 前受けの貴志修己が青板のバックで大矢崇弘を突っ張ると、大矢は近畿勢の後ろに入り、天田裕輝は連係を外してしまう。山本直が5番手の位置から打鐘をめがけてスパート。出脚が鋭く、貴志を叩いて最終的に主導権を奪う。すると、中井太祐(写真)は山本の後ろにスイッチして三宅達也と併走に。両ラインが踏み合ったところを大矢がまくってくるが、山本も抵抗を見せる。中井は三宅との併走が長引いていたが、最終2センターから空いた内を踏んで激戦を制した。
 「貴志君は徹底先行なんで、合わせていくと思っていました。位置が位置だったので、切り替えさせてもらった。本当は三宅さんをどかしにいくんですけど、前もタレてきていて難しかったが、結果的に良かったです。状態は問題ないけど、連日、判断が難しいところがあります。1着を取れてホッとしています」
 大矢崇弘は位置取りに動いてから前団をのみ込むような仕掛けを見せているだけに、状態は良さそう。
 「山本君が行ってくれて踏み合いになって展開が向いた。併走で前の様子がわかっていなくて、2コーナーで行くっていうのは決めていた。外に行く分、すごい出たって感じではないですね。まくりに行ってアタマかと思ったが、内から来られたのは想定外ですね。(状態は)昨日(初日)より良かった」


<11R>

中井俊亮選手
中井俊亮選手
 スタートは1番手の脇本勇希が出て近畿勢が正攻法からレースを進める。脇本は青板の過ぎから誘導と距離を空け始め、押さえにきた菅原大也を突っ張り先行態勢に。脇本は軽快に駆けていくが、終始中団にいた金ヶ江勇気が最終の1コーナーをめがけて仕掛けてくると、中井俊亮(写真)は番手から合わせるように出てバックを先頭で通過。そのまま押し切った。
 「(脇本は)気合が入っていましたね。ピッチも早かったので、ホームで一回緩めた所で来られてしまいましたね。振りながら行こうと思ったんですけど。あまり引き付け過ぎても菅原さんが飛んでくるので。心苦しいところもあったんですけど、とりあえず栗山さんと勝ち上がれたので良かったです」
 近畿3番手の栗山俊介は中井の動きをしっかりと追走して2着で準決に進出。
 「(脇本は)気持ちも入っていましたし、いいペースでした。自分は3番手なのに先行しているくらいきつかったです。(中井)シュンの動きを見ながらでしたけど、金ヶ江君の車輪にはなんとかかかっていたので復活できました。練習でも調子は上がってきていますし、レースも見えてきて多少の余裕はでてきた」


<12R>

兼本将太選手
兼本将太選手
 兼本将太(写真)が誘導を切ったところを邊見光輝が押さえて先頭に立つ。蒔田英彦が仕掛けてくるが、邊見がペースを上げて前には出させない。前受けから下げた石塚輪太郎は打鐘前の2コーナーからスパート。邊見を最終ホームで叩き切り主導権を奪い返す。兼本はこの動きに俊敏に反応。近畿3番手の高間悠平が離れると近畿勢を追走し、4コーナーから前へ踏み元砂勇雪とのゴール前勝負を制した。
 「(石塚が)待ったらカマして行こうとしたけど行ったので、スイッチしてまくりに行こうと思った。後ろの気配を感じて集中して冷静に行けた。今日(2日目)はローラーの感触が良くて勝負ができるかなって思って。(直線で)ブロックを受けて失速したけど、最後まで踏み切れたし、徐々に良くなっていると思う」
 元砂勇雪は先行した石塚を最大限に援護しながら抜け出したが、真後ろに別線の自力選手に入られたことで難しい対応に追われた。
 「展開が早くなって、(石塚)輪太郎はジャン前ですぐに行ってくれた。2センターはごちゃごちゃして後ろがどうなっているかわからなくて、4コーナーは来たのがわかって、早めに踏んだら輪太郎が行かれると思ってギリギリまで待ってからでした。ついてはいけているけど、3番手に自力に入られて難しかったですね」