『第9回大阪・関西万博協賛競輪in奈良(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月8日

 奈良競輪場で行われている「第9回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」は、6月8日にシリーズ佳境の3日目を迎えた。準決は落車、失格の残念なアクシデントも発生する激戦の連続となったが、三宅達也、中井太祐、佐藤一伸がそれぞれ1着をゲット。地元からは中井と元砂勇雪が決勝進出を果たした。9日はいよいよ最終日。ファイナリスト9名が出そろい、最終12レースで大会覇者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 GIIIシリーズは最終日の9日も、来場者プレゼントとして、先着で150人様に「春日鹿まんじゅうかのこ」をプレゼント。大阪・関西万博PRブース、未確定車券抽選会、奈良県のグルメブースなどが予定されています。さらに日曜日らしくイベントが盛りだくさん。爆上戦隊ブンブンジャーショー、チュゲの大道芸、奈良市観光大使の池上真由美歌謡ショーが行なわれる予定です。奈良競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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三宅達也選手
三宅達也選手

佐々木眞也選手
佐々木眞也選手
 後ろ攻めから上昇した高久保雄介が青板バック過ぎに誘導を切ると、大川龍二が近畿勢を追走。佐々木眞也がこの後ろに追い上げ、前受けの東矢圭吾は7番手で打鐘を迎える。先頭の高久保が徐々にペースを上げていき、3番手の大川は最終1コーナーをめがけて仕掛ける。渡辺十夢は大川を1センターで1度張るが、大川の勢いは止まらない。渡辺はBSで再度、大川を押し上げ、三宅達也(写真)がこの動きで外に踏む。後ろから仕掛けていた東矢圭吾は三宅に接触して落車。これに徳永哲人も乗り上げて落車してしまう。三宅は外に避けた勢いのまま前へ踏んで先頭でゴール。
 「(大川は)だいぶ(ブロックから)逃げていたけど、(渡辺)十夢君のブロックが止まるくらいに来た。大川君が止まって、内にいかれんし、外を踏んだ。(決勝に乗ったが)大川君もいないし、何とも言えない。(状態は)引き続き変わらない。(今日は)大川君のおかげ」
 佐々木眞也(写真)は東矢を抑え込む動きから好位に追い上げて位置を確保したが、東矢の仕掛けと合ってしまい仕掛けることはできなかった。アクシデントを避ける形で前に踏み続けた。
 「最後に落車があって避ける形で(渡辺)十夢さんを追いかけた。ジャンくらいで(前と)空いてしまってそういうところを詰めておかないといけない。脚は問題ないですね。(決勝は)精一杯、頑張るだけ。いつも通りに頑張って、それで結果がついてくれば」
 3位入線の渡辺十夢は押し上げで失格となり、菅原大也が繰り上がった。3月の武雄GIII以来、2度目のGIII決勝進出。
 「(佐々木)眞也が内にいくか悩んでいたので、僕は内に吸い込まれた。前が空いていなかったので、3コーナーでバックを踏んだ分、前に届かなかったけど、繰り上がりでの決勝ですね。(GIII決勝は2回目で)前回(3月武雄)初めて乗った時は落車しているので、完走したい。要所で口が空いているので、前に集中したい」

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中井太祐選手
中井太祐選手

松川高大選手
松川高大選手
 後ろ攻めの柴崎淳が上昇するが、前受けの松岡辰泰が突っ張り、そこを石塚輪太郎が押さえて先行態勢に。石塚がバンク上段に上がってからペースを落とすと、松岡は3番手の栗山俊介が遅れたところに入り好位を確保。8番手に置かれた道場晃規は最終ホームからスパート。出脚も鋭く前団に迫るが、2センターで中井太祐(写真)に張られて失速。中井は外に振った勢いのまま前に踏み込んだ。
 「ここ(決勝)までこれてホっとしています。流れに合わせて攻めていく感じだった。道中は(3番手を取った)松岡君が車間を空けていたので、(道場が)来るならいいスピードで来るだろうなって思っていたんですけど。対応が難しかったですね。状態的にはいいと思うんですけど、石塚君を残せなかったのが残念です。ここまできたら一走に集中していい形で締めくくれるように」
 松川高大(写真)は松岡の柔軟な動きにしっかりと追走。最後の4コーナーからは空いた最内のコースを踏んだ。
 「(松岡)タツが全部やってくれました。突っ張らないと苦しくなるなって思ったところで(柴崎を)突っ張ってくれたので良かったです。あそこ(打鐘)で(栗山の)1車すくえたのもでかかったですね。(最後は)もう外も来ていたので、決勝に乗るなら内しかないなって。全部見えていました。(今シリーズを通して)今日(3日目)が一番良かったのかなって思います。昨日セッティングをいじって割と良かったので。今年はFIも含めて初めての決勝なのでうれしい」
 松岡辰泰は前に前にと攻める組み立てでラインの松川と2人で決勝に進出。
 「何もしないでいたら後ろになってしまうので、出てみて考えて。取れた位置から自分なりに考えて走りました。一個出させてのパターンだと石塚さんに(その上を)行かれるので。(柴崎を)突っ張って(石塚を)出させた方がって感じでした。(打鐘のところは)結構(内が)空いていたので、踏んで出られるなら前に出て、出られないなら折り合いのつくところでと思いました。突っ張って考えて、車間も空いて。脚に余裕はなかったですね。本当なら(最終)2コーナーから行ければ良かったんですけど。(道場に)行かれたと思って。中井さんがブロックして内か外かって考えたんですけど、松川さんがもう内に入って来ていたので、じゃあ外だと思って。前回の玉野よりはいいですね。でも踏み出しだったりで車間が空いてしまっているので修正できれば」

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佐藤一伸選手
佐藤一伸選手

大矢崇弘選手
大矢崇弘選手
 兼本将太が誘導を切り、中井俊亮は赤板で押さえる。先頭に立った中井がペースを緩めると、単騎で最後方にいた佐藤一伸(写真)が2コーナーの下りから一気に仕掛ける。佐藤は状況を確認しながら軽快に駆けていく。佐藤の動きに反応した大矢崇弘がまくり上げ、最終バックは両者で併走になるが、内の佐藤が大矢に合わせるように踏んで逃げ切った。
 「あんなに長い距離は想定していなかった。踏み合っていたので、前に出て考えようと切ったけど、誰もこなくて、腹をくくった。行けるところまでと。GIIIの決勝は初めてですね。(GIII初優勝は?)欲を出すとロクなことがないので。脚は初日から悪くない」
 大矢崇弘(写真)は佐藤の仕掛けを追いながら仕掛けていく。道中で中井俊亮とからんで勢いは失速したが、それでも2着に入り、久しぶりにGIIIで決勝に進出した。
 「佐藤さんが行ってくれて、自分も行けたかなって。(中井とからんで)あれがなかったらゴール前勝負できるかなって思うけど、それも競輪なので。ここ最近、感じはいいと思う。(GIII決勝は18年函館以来で)あれも裏開催みたいな感じでした」
 元砂勇雪は前々に攻めた中井をしっかりと追走。自身は直線で外を回して3着に入ったが、中井と一緒に勝ち上がれなかったことを悔やむ。
 「踏んだり、やめたりのしんどいレースだったけど、余裕はありました。その分も4番(大矢)をどかせればよかった。そうすれば(中井が)追いかけて行って一緒に上がれたかもしれないので。(中井を)残したかったし、4番をどうにかしないといけないってゴールした瞬間に思いました。(GIII決勝は22年の)取手以来ですね」