『奈良競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月4日



 奈良競輪開設57周年記念『春日賞争覇戦』は4日の開催3日目を終えた。決勝進出を賭けた準決勝では激しいバトルが繰り広げられた。優参を果たした選手を中心に検車場からナマの声をお届けします。
 開催を通して行われるファンサービスは工藤元司郎氏、荒木実氏、吉井秀仁氏によるガチンコ予想大会(司会・工藤わこ)、車券5000円以上ご購入の方にブランド品などが当たる抽選会、女性入場者先着100名様に有名ブランドハンカチプレゼント、先着1000名様に早得キャンペーン!などが行われます。
 最終日にはスポーツコメンテーター中野浩一氏が来場する他、選手会奈良支部によるチャリティーオークション(6レース発売中)も行われます。春日賞は誰の手に? 是非本場でお楽しみ下さい。



<8R>
前田拓也選手
前田拓也選手
   8レースはたったひとつの椅子を巡る準決勝C。何度か出入りがあった後、カマシて駆けたのは市田佳寿浩。ゴール前で交わされたとはいえ、納得のレースができたようだ。
  「近畿の記念だし、僕か前田(拓也)さんが決勝に乗らなくちゃいけない。でも、勝ち上がれるのは1人だし。勝負所で中団だったが、相手待ちじゃなくて、自分で動くレースをしたかった。ファンからも『行けよ』みたいな声援があったしね」
  市田を差し切った前田拓也(写真)は久し振りの記念決勝進出を果たした。初日、2日目と元気がなかったが、ようやく笑顔がこぼれる。
  「市田が頑張ってくれたね。小川巧さんから『フレームがヘタってるんじゃないの?』って言われて、固めのフレームに換えたら、車の出も良くなりました」
  内に切り替え、中割りで突っ込んだ鈴木誠は意地を見せたが、2着と僅差の3着まで。さすがにアタマまでは届かなかった。
  「富(弥昭)君が打鐘で仕掛けてくれれば面白かったが…。内に切り替えて、あそこしかないコースを突っ込んだつもりだが、33じゃ、さすがに届かないね」
  ギヤを4.00に上げた深井高志は一発を狙う大駆けを匂わせたが、やはり赤板から動いて主導権を取った。
  「初手で八番手なので厳しいと思ったが、市田君が出てくれてその上を叩く形になったでしょう。楽に出れて色気付いてしまい、流し過ぎましたね。もっと踏んでいないとあのギヤでは厳しい」


<9R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手
牧剛央選手
牧剛央選手
   9レースは別地区の選手同士が形成する即席ラインが多くなったが、ケレン味なく先行したのは飯野祐太(写真)だった。最終ホームで一本棒の展開に持ち込み、新田康仁をまくらせなかった。
  「2日間最終バックを取れてなかったので、やっと取れましたね。中団から組み立てて、新田(康仁)さんが押さえたところを行く理想の展開に持ち込めた。記念の決勝に乗りたいと思っていたところだし、初めての記念決勝で嬉しいです」
  即席ラインながら積極的に逃げた飯野を差し切ったのは牧剛央(写真)。飯野に感謝しながら展開の利を強調する。
  「正直疲れはあったし、準決は展開一本です。踏み出しが凄かったので、付いてても一杯でしたよ。エライかかってました(笑)」
  スンナリと中団を取った新田康仁だが、まくり上げるも、車が出ずに不発に終わった。組み立ては間違ってなかっただけに、仕方なしの表情。
  「僕自体は問題ないと思うよ。ただ、ああいうカマシのレースだと飯野君は強いからね。割と楽に中団を取って仕掛けたつもりだけど、飯野君のかかりが凄かった」


<10R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
濱口高彰選手
濱口高彰選手
   10レースからは3着権利の準決A。メンバーも強力になり、一瞬の油断が命取りになる。最終的にまくりになった武田豊樹が不発となるも、飯嶋則之、諸橋愛が抜け出してワンツー。直線で突き抜けた諸橋愛(写真)は自信を覗かせる。
  「バック八番手だったけど、落ち着いて走れました。濱口(高彰)さんと武井(大介)君が2センターでもつれたのも幸いしたかな。勝ち切れるだけの練習は積んできたつもりです」
  2着ながら俊敏なコース取りを見せた飯嶋則之は前の頑張りを強調する。
  「強い武田さんなので、何とかしてくれると思ってました。厳しい流れになったけど、武田さんにスピードに乗せてもらって、そのままいいコースを突っ込めましたね」
  濱口高彰(写真)は逃げた志智俊夫の番手を武井大介に奪われるも、2センターからまくり気味に踏み込んで武井をキメて3着でゴール。
  「内から武井君に掬われたけど、もう一度追い上げることもできた。でも、そうすると武田君のまくり頃になるからね。それよりは最後に早目に踏んで武井君を放り込んだほうがいいでしょ」
  果敢に番手攻めを見せた武井大介は、優参は成らずもやるべきことはやっただけに納得顔。
  「ハコ含め、前々と攻めるつもりでした。武田さんの後ろに飛び付いた時に、志智さんの仕掛けが見えてマズイと思ったら、内が空いたので追い上げられました。瞬間の判断はよかったけど、追い上げで結構脚にきました」
  長い時間をかけてクールダウンを終えた武田豊樹は悔しそうだが、他の組み立てで走れば勝てたという自信もない様子。
  「志智君を突っ張っても厳しかったんじゃないかな。内から切り替えられていったので、肩透かしみたいになって、タイミングが取れなかった。まくってはいったが、濱口さんのブロックでピタッと止まっちゃったね」


<11R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
香川雄介選手
香川雄介選手
   最終11レースは稲垣裕之と藤田大輔で壮絶なモガキ合いとなった。意地を見せて主導権を取り切ったのは稲垣裕之だった。
  「赤板からの仕掛けなら藤田君も中団かと思ったが…。無茶な仕掛けではなかった。僕が駆けて渡部(哲男)君を七番手に置きたかったが、結果は踏み合いになったね。打鐘で藤田君が仕掛けてきた時はいいペースになってたし、もう出させるわけにはいかない」
  藤田不発と見るや、追い上げを敢行した手島慶介だったが、タイミングが合わず番手奪取に失敗。言葉少なに検車場を後にした。
  「追い上げたタイミングが悪かったのかな。稲垣君があまり踏んでなかったので、行き過ぎちゃってバック踏まされたのが痛かった」
  モガキ合いを見極めてまくったのは渡部哲男(写真)。ライン2車を連れ込んでのまくりに、会心の笑顔かと思いきや…。
  「踏んだ感触は良くないなぁ…。結果が出たことは嬉しいけど、まだ完調というレベルじゃないね。あれだけモガキあってまくれなかったら、まくれるレースがないでしょ(笑)」
  渡部をゴール前で捕らえたのは香川雄介(写真)。調子よりも流れの良さを強調する。
  「怖いくらいに恵まれてますね。追加配分だけど問題はない。今日抜けたのはたまたま。良い時の哲男だったら抜けんでしょう」
  友定祐己は久し振りの記念決勝進出に自然と顔が綻ぶ。
  「ワシじゃ行けんけど、哲ちゃんなら行けるじゃろうと思った(笑)。哲ちゃんが止まったら、自分で行かなくちゃと思ったけど、いらん心配やったね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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