『奈良競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:2月20日


 明日21日から24日まで、奈良競輪場で開設58周年記念「春日賞争覇戦」が行われる。ダービー直前の開催とあって、何名かの欠場こそあったが、海老根恵太、三宅伸らのS級S班を筆頭に、稲垣裕之、市田佳寿浩、北津留翼、金子貴志らの実力者たちが元気に競輪場入り。今日から4日間、検車場の模様をレポートします。
  なお、本場では沢山のイベントを用意して皆様の来場をお待ちしています。明日は先着2000名様に、奈良競輪オリジナルスポーツタオルが当たるラッキーカードの配布や、荒木実さんによる場内予想会。そして滝澤正光氏が来場して場内を盛り上げます。どうぞ奈良競輪場へお越し下さい。


<1R>
伊藤成紀選手
伊藤成紀 選手
   オープニングレースからは伊藤成紀(写真)をピックアップ。前回の2月松戸を途中欠場しており、動向が気になるところ。
 「本当なら最後まで走りたかったんですけど、状態もいまひとつだったんで大事を取って休みました。その後、中澤(孝之、央治)さん、古原(勝己)さん、稲川翔ら何名かで沖縄に合宿に行ってきました。連日晴れたし、予定通りのメニューを消化できました。手ごたえはかなりありましたね。今回はギアの事を含め、色々と考えながら4日間走りたい」


<2R>
 2レースは浦山一栄と笹倉慎也による二分戦となりそうだ。笹倉慎也は今期初S級の新鋭。名前を売る絶好のチャンスだ。
  「記念は初めてです。まだ4場所目だし感覚もつかめていないけど、今できることは何でもやるつもり。浦山さんの戦法はもちろん、強いのも分かっていますけど、自分も引けませんね。叩き合いも含めて何でもやって勝ちたい」
  その浦山一栄からは、景気の良い言葉が聞こえてこない。
 「(調子が)上がってこないですね。何やっても良いことがない。笹倉君とは初めてだけど、今の俺の点数ではこっちがチャレンジャーですよ(苦笑)。それにしても本当に波に乗れない。どこが悪いってわけじゃないんだけどなあ…」


<3R>
 3レースの上田国広は自在性あるレースで奮闘しており、このところ連対回数が増えてきた。ここでも存在感を発揮したいところ。
 「今は展開によるものが多いし、たまたま勢いがあるように見えるだけ。安定感も無いし、課題はいっぱいある。記念でも成績を残せればもっと自信になるんですけどね」
 岡本大嗣は成績だけを見ると、精彩を欠く近況。ところが本人は全く意に介していない。
 「成績は確かに悪いんですけど、脚自体は軽いんです。今回は疲れも無く入れたし、ある程度やれそうですね。強いていえば、咄嗟の判断や反応が少し悪いのかも。33バンクだし、明日からはギアを3・71から57にして走ってみようと思っています」


<4R>
 4レースの阿部秀樹は番組表を見るなり苦笑いを浮かべる。
 「田中(雅史)さんは何度も対戦しているんですけど、やったりやられたりで良いイメージはありませんね。同型だし本当に戦いにくいんですよ。今回はあまり得意じゃない33バンクだし、より一層意識してしまいます」


<5R>
永田修一選手
永田修一選手
   5レースの永田修一(写真)はS級昇級後、当所が3場所目。「段々、戦い方が分かってきた」と一戦毎に手応えをつかんでいる様子だ。
 「負け戦がほとんどですけど、スピードやペースも分かってきたし、気後れはありません。慣れればそこそこ行けるかもとは思っています。(記念が初めてだから)4日間は長いと思うけど、何でもやってアピールしたい」


<6R>
 6レースからは選抜戦。ライン三者で結束する東北勢は佐藤朋也が先導役となる。
 「前回(小倉S)から2週間近く空いたし、久々にまとまった練習時間が取れました。33バンクはあまり走らないので、どうなるか少し不安がありますね。それにここは初めてだし。だから今回はギアを一枚下げて走ろうと思っています。感覚を探りながら4日間戦いたい」
 古屋琢晶は直近十場所でバック22本と、先行策に迷いは無いように見えるが…。
 「佐藤さんが相手だとよく叩き合いをしてしまうんですよ。失敗も多いし、今回はその辺を良く考えながら走ろうと思ってます。ただ逃げるってだけじゃダメでしょう」


<7R>
岸澤賢太選手
岸澤賢太選手
   7レースには地元の佐藤成人が登場する。   
  「徐々に調子を上げていったつもりだし、調整はうまく行ったと思います。開催直前は、もう焦っても仕方が無いし、ゆっくり休んで今回に備えていました。準備は整いましたね」
  東の新鋭・岸澤賢太(写真)が近畿勢に挑む。
 「ラインは2車だけど、主導権を狙いたいですね。33バンクは展開がより重要になってくるから、いつも以上に気合を入れないと。記念の初日はほとんど勝っているイメージがあるし、今回もぜひ1着が欲しい」


<8R>
中園和剛選手
中園和剛選手
   8レースには佐藤成人に続き、同じく地元の大井啓世が登場。落ち着いた対応で取材に応じる。  
  「普段通りしっかり練習してここまできました。今さら慌てても仕方無いでしょう。明日は川村(晃司)君に付いていくだけですからね」
  中園和剛(写真)は前回2月小倉Sで落車負傷したのが気がかりだが、かなり気合が入っているようだ。
 「家にいると、怪我をしているのに自転車に乗りたくなってしまうから、気分転換を兼ねて2,3日出かけてきました。そうしたら急に身体も回復してきた。奈良は苦手なイメージがあるけど、今回は初の選抜スタートだし気合を入れて走らないと。明日は近畿勢に人気が集まると思うけど、俺は何でもやるつもり」


<9R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
   9レースからは特選3個レース。ここは、新田祐大と柴崎淳の両機動型のぶつかり合いが見どころとなる。
 「柴崎には負けられませんね。自分は東西王座から中4日で全く練習できなかったけど、柴崎も条件は一緒でしょう。33バンクはほとんど走らないのでそこだけが不安だけど、タイムも良いし何とかなるかな。それにもともと練習バンク(泉崎)が33ですしね」
 柴崎淳(写真)は「東西王座を終えてすぐに沖縄に行き、昨日は東京で表彰式と、この数日はバタバタしていました。それだけに疲れは結構残っています。だけど、このバンクはA級時代から何度も優勝しているし、ものすごく相性が良いだけに力以上のものが出せるように頑張りたい」
 松本大地は自力勝負を選択し、若手両者に挑む。
 「ここ2場所、FI戦で決勝にこそ乗れたけど、内容がイマイチでした。その原因は練習不足。だけど今回は1週間近くしっかりと練習ができたし、それなりの状態にはなったかなと。ただ、こればっかりは走ってみないとわかりませんけどね」


<10R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   10レースの海老根恵太(写真)は前回、東王座戦でVを飾り、気を良くして現場入り。
 「競輪祭を終えてすぐに行った合宿の成果が、東王座ですぐに出ましたね。ただ、ダービーに向けてやってきた事が、少し早く(結果に)出てしまった感じもあったけど(苦笑)。もうダービーまでギリギリだし、これ以上の上積みは無いでしょう。だけど状態さえキープ出来れば、ダービーもいけると思う。そういう意味でも、ここ(奈良)は絶対に勝たなきゃダメ。疲れはあるけど、走るからには優勝を狙います」
 武井大介は急きょ追加を受けてやってきた。
 「今回は自分で動くつもりだったし、強めの練習をしてきたんです。それだけに海老根さんと組んでもらえてラッキーでしたね。東王座の分までって気持ちはあるけど、高松で抜けないのに、(33バンクだから)ここじゃもっと無理でしょう。自分はついていくだけですよ」
 北津留翼は前回の東西王座では精彩を欠いていたが、2月豊橋記念3日の落車がモロに影響しているようだ。
 「前回は痛めた肩の影響で、身体がまったく動かなかった。12月の全日本での落車で痛めた箇所もまだ癒えていなかったし、走っていてキツかったです。でも、もう大丈夫。距離的にも乗りすぎってくらい乗り込んできたし、やれると思います」


<11R>
三宅伸選手
三宅伸選手
   11レースにはシリーズリーダーとなる稲垣裕之が登場する。
 「西王座は残念でしたけど、しっかり駆けられたし内容は悪くなかったと思います。西王座のあとは日程も無かったし、疲れも結構残っているけど、奈良は地元と同じくらい大事だし、全力を出せるように頑張りたい」
  市田佳寿浩は好目標に恵まれた。
 「前回の花月園Sはダメでしたけど、身体は良い感じだったんで全く不安はありません。今回がダービーだったら良かったってくらい身体の感じも良い(笑)。4日間走るのが楽しみですね」
 三宅伸(写真)は競輪祭を欠場しており、体調が懸念されたが、前回の西王座で優参。元気なところをアピールした。
 「競輪祭では大事を取って休みました(腰痛)が、今はほぼ大丈夫。良くも悪くも無いって感じですね。明日は(三宅)達也に頑張ってもらいます」
  このところ配分続きだった矢口啓一郎は、思わぬかたちで休養期間が取れた。
 「本当はワールドカップの遠征に行く予定だったんですが、東王座の補欠になったんで、国内に留まったんです。結局呼ばれなかったんで、久々にまとまった時間、練習できました。ずっと練習していたから、早く実戦で走りたかった」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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