『奈良競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月23日


 奈良競輪場開設58周年記念「春日賞争覇戦」(GIII)は後半戦に突入。本日は準決勝をメインに激戦が繰り広げられた。海老根恵太、三宅伸、武井大介、三宅達也らが勝ち上がり、9名のファイナリストが出そろった。
  最終日も場内イベントは満載。明日も引き続き先着2000名様に奈良競輪オリジナルスポーツタオルが当たるラッキーカードを配布。他にも、荒木実氏による場内予想会などが行われます。本場へぜひともお越しください。


<8R>
佐藤成人選手
佐藤成人選手
   8レースは準決勝C。一名しか勝ち上がれない、狭き門を突破したのは地元の佐藤成人(写真)。市田佳寿浩マークから、四角でインコースを鋭く突いて1着をもぎとった。自身2度目の記念優参、しかも地元でとあっては嬉しさも倍増だ。
  「こんなに恵まれていいんですかね。今日は市田が前にいてくれたから、チャンスはあるなと。三角からは、外に踏んでも届かないと思ったから内に行こうと決めていました。イチかバチか、難しい判断でしたね。全てが噛みあった結果です。まるで優勝したくらい嬉しい(笑)」
  地元・佐藤に大きく貢献したのはもちろん市田佳寿浩。一車でカマした新田祐大の番手にハマる好展開となったが、優参を逃してしまい「番手に入って展開的には良かったんですけど…。まあ、地元が決勝に乗ってくれたわけだから」と言葉は少ない。
  新田祐大は4着に破れ、優参はならなかった。
  「打鐘前に行こうと思ったけど、少し待ってしまった。そこからすかさず行ったまでは良かったけど、阿部(秀樹)さんと連結が外れてしまった離れたのが…」


<9R>
佐藤康紀選手
佐藤康紀選手 加倉正義選手
加倉正義選手
   9レースは準決勝B。主導権を奪った永田修一の後位から松本大地が番手まくりを打つと、加倉正義が追走。すると加倉の内に潜り込み、前へと踏んだ佐藤康紀(写真)が直線を伸びて1着をさらった。
  「前田(新)さんが先に踏むかなと思ったけど、行かなかったから自分が先に行きました。内に行ったのは作戦の中のひとつ。咄嗟の判断で動けましたね。ただ先頭に立った時、もろに風を受けてしまいそれがかなりきつくて、加倉さんに交わされるかもと覚悟していました」
  加倉正義(写真)は2着に食い込み、決勝戦進出を確定させた。
  「内に来られてしまったけど、俺が甘かった。スピード的にもきついし対処できなかったです。折角、永田が頑張ってくれるって言ってくれたわけだし、(松本)大地と二人で決勝に乗らないといけませんね。俺も四角を回って佐藤を抜いていればもう少し手応えがあるんだけど、何か引っかかりがありませんね」
  松本大地は3着で惜しくも優参を逃したが、「加倉さんの内でああなっては仕方が無い。なかなかうまくいかないものですね」とサバサバしている。
  古屋琢晶は二段駆けが相手では、さすがに分が悪い。
  「こっちが一緒になって駆けても勝ち目は無いでしょう。だから一旦引いたけど、すでに前はカカっていたし太刀打ちできなかった。それに、最終バックの落車を避けてスピードが死んでしまったし」


<10R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手西村正彦選手
西村正彦選手
   10レースは“S級S班”の海老根恵太(写真)が横綱相撲を演じて圧勝。前受けから一旦車を下げると、前団のもつれをかい潜ってひとまくり。出色のスピードだった。
  「今日はラインも長かったし、早めに行けるタイミングで行こうと思っていたら前がやり合うようなかたちとなった。それだけに展開が向いたとしか。疲れはあるけど、そんな中でも連日結果が出ているわけだし、日に日に良くなっているのかも。あと一日だし、このまま乗り切りたいですね」  
  海老根マークの遠澤健二は、強烈な踏み出しに離れる事もなくしぶとく2着に食い下がった。
  「(海老根には)何べんも付いているけどいつも踏み出す時、ドキドキするんですよ(苦笑)。今日は自分に余裕があったから凌げたけど、そうでなければ危なかったね」
  西村正彦(写真)はバックで後方に置かれ万事休すかと思われたが、2センターでインコースをするすると辿り、3着に食い込んだ。
  「最終バックの時点でもうアウトだなと一旦諦めかけたんですけどね。腹をくくって、内々に行った。コースが無いのも覚悟していたし、とにかく踏むだけでした」
  柴崎淳は赤板過ぎに浦山一栄に叩かれたのが運のつきだった。
  「(叩かれて)ホームで車を下げたのが失敗でした。立て直す前に海老根さんに行かれてしまったし…。作戦が失敗でした」


<11R>
三宅達也選手三宅達也選手 武井大介選手武井大介選手    11レースは後方から早めにスパートした三宅達也を、三宅伸がゴール寸前にズブリとひと差し。両者でワンツー決着となった。
  「あいつ(三宅達)は身体付きがでかいから付きやすいし、駆け出しが楽なんですよ。そんな達也に自分は3日間付いていっただけだから。だけど今日は余裕があるように感じましたね」
  三宅達也(写真)は連日、存在感を発揮している。
  「稲垣(裕之)は、大沼(孝行)さんと踏み合いみたいになっていたし、出切ってからは一杯だったでしょう。自分はどうなろうと、詰まったところから駆けようと決めていました。連日、ポイントで踏めているし良い流れですね。明日は海老根と一緒でしょう。昨日やられた分までカタキを取りたいですね」
  大沼孝行マークの武井大介(写真)は3着を確保して決勝進出を決めた。 
  「大沼さんが積極的に攻めてくれたし、稲垣さんの番手に入ってくれたから、自分も前にいられました。だけど、最終バックで大沼さんが止まってしまったから自分で前に踏みました。前のレースで海老根さんがしっかり勝ち上がっていたし、気合が入りましたよ」
  稲垣裕之は大井啓世とともに人気を背負ったが、ともに着外に沈んだ。
  「大沼さんがカカっていたし、出切るまでに脚を使ってしまった。大井さんが離れてしまったのも残念でしたね。だけど、力を出し切った結果だし仕方が無いです。明日はダービーにつながるような走りをして帰りたいです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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