『奈良競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:2月11日
奈良競輪場開設59周年記念「春日賞争覇戦」が今日からスタート。朝から冷たい雨が降り続く生憎の空模様となったが、バンク上では熱戦が展開された。前半戦から荒れ模様のレースが続いたが、最終12レースでは村上義弘が力強い先行策で逃げ切り、地元の大井啓世とワンツー。ファンの期待にきっちりと応えた。明日は特選で3着までに入った9名により、優秀競走「はきもの杯・飛天ちゃん賞」が争われる。
明日2日目も先着入場2000名様にラッキーカードを配布し、抽選で200名様に奈良県産はきものをプレゼント。好評の場内予想会「ダイナミック奈良競輪」は開催中、毎日実施されています。奈良競輪は入場無料です。皆様のご来場お待ちしております。
<1R>
オープニングレースを制したのは
守田秀昭
。目標の一ノ瀬匠が先行する絶好の展開をきっちりモノにした。
「前が強かったです。粘られる可能性もあると思っていたけど、すんなりでしたね。状態も前回よりは全然いいと思います」
マイペースで先行した
一ノ瀬匠
は2着に粘ったが、ゴール後に落車した。
「自分は先行するしかないですから。今日はけっこう踏めていたと思います。落車は芝生の上を滑った感じなので、軽傷で済みました」
<2R>
江口晃正選手
中野功史と片寄雄己が赤板前から激しく踏み合う展開。早めにこれをまくり切った有馬雄二にスイッチした
江口晃正(写真)
が直線で鋭く差し切った。
「前がもがき合う展開になりましたからね。有馬君がまくって来て、切り替えるしかなかった。中野君が前で頑張ってくれたおかげで何とか勝てました。最近は流れがいいし、調子もいいです。勝ち上がって強い人たちと対戦してスピードを体感したい」
2着の
有馬雄二
は満足そうな表情を浮かべる。
「S級に上がって初めて勝ち上がれて嬉しいです。内に詰まらないで良かった。力は出し切れました。スピードは全然なかったけど体調は徐々に上がってくると思います」
<3R>
片岡迪之と乾準一で壮絶な主導権争いとなった。後方で脚を溜めていた
木下章
が単騎でまくって高配当を演出した。
「走る前までちょっと弱気だったんですが、これじゃあダメだと自分に言い聞かせました。前がもがき合ってくれたので、展開が向きました。これをきっかけにして頑張りたいです」
<4R>
田中雅史選手
前団のもつれを
田中雅史(写真)
がまくって決着。今年初勝利をマークした。
「ホームで出て行ければ、(田中)秀治さんとワンツーでしたね。前がもつれて見てしまいました。でも、まくりやすくなったし、踏み出した感触も良かったです。先月は成績が悪かったので、その分を取り戻していきたい」
先行した
永澤剛
は3着の結果にやや不満顔だ。
「坂本(晃輝)さんは追い上げかと思ったらイン斬りだったんですね。勝ち上がれたのは良かったけど、直線が短いのに3着はダメですよね」
<5R>
記念初参戦の
谷田泰平
が好回転のまくりを決めて快勝。マークの松井英幸と中部ワンツーを決めた。
「ずっとフタをされる感じだったけど、焦って変な動きをするよりはと思って、じっくり構えました。ああいう展開は得意だし、前が少しゴチャついてくれましたからね。調子はいいと思います」
2着に流れ込んだ
松井英幸
は谷田の強さを称える。
「落ち着いていましたね。最後までよう踏み切っていたと思います。今日は安心して付いていくだけだった。最後はやっぱり抜けなかった」
<6R>
三ツ石康洋選手
坂木田雄介が打鐘過ぎに仕掛けて主導権。上手く3番手をキープした
三ツ石康洋(写真)
が一気にまくり切った。
「コマ切れやし、いい位置から仕掛けられればと思っていたけど、上手いこといきましたね。1回叩いて前に出る時にそれほど脚を使わなかったし、3番手に入って余裕はありました。新フレームの感じも悪くないです」
山口泰生
は柴崎俊光の仕掛けに乗って3着に突っ込んだ。
「柴崎君が頑張ってくれました。スピードをもらえたのが大きかったです。コースが空いてなくても強引に入るつもりでしたが、上手く空いてくれました」
まくり不発の
柴崎俊光
は「三ツ石さんを叩いて1回前に出れば良かった。失敗しました」と組み立てミスを悔やむ。
<7R>
好調の小島雅章が和田圭を叩いて先行。番手絶好となった
須田雄一
がゴール前で粘る小島をきっちり捕らえた。
「小島に付いていければ、いい着に入れると思っていました。あんまり調子が良くなかったので、変に力が入らず走れたのが良かったみたい。今日は流れが良かっただけ。小島君はやっぱり強い」
2着の
小島雅章
も納得の表情を浮かべる。
「3番手に同期の堀(勝政)も付いていましたからね。ラインで決まって良かったです。今日は駆けやすかったし、一番いい展開になってくれました。脚の状態も引き続きいいです」
中団をキープした
和田圭
は仕掛けられなかった。
「押さえるだけで一杯になってしまいました。明日からもう少し身体が動いてくれるといいんですけどね」
<8R>
岡村潤選手
岡村潤(写真)
が後方から豪快にまくり追い込み、激戦を制した。
「7番手になってしまったんですが、ずっとニュートラルに入っていたし、落ち着いて走れました。踏み出した時のスピードが良かったので、1着は無理でもいいところまでは届くと思いました。でも、このバンクは最低でも4番手を取らないとダメですよね。状態はだいぶ上がってきているし、明日も頑張りたい」
中野彰人の先行に乗って追い込んだ
三谷将太
が2着に入った。
「中野が強かったです。僕は何もしていない。あれだけ行ってもらって1着を取れないのはダメですね」
中野彰人
は3着に粘って二次予選Aに進出した。
「最近の中では踏めていた方だと思います。でも、最後は来られてしまったし、まだ脚がないです。後半は重くてしんどかったけど、力は出し切れました。焦らず集中して走れたと思います」
<9R>
梶應弘樹選手
ベテランの
梶應弘樹(写真)
が魅せた。目標の三宅達也が不発となったが、切り替え策からまくってきた五十嵐力の後位に俊敏にスイッチすると直線で力強く追い込んだ。
「前が達也だから何とかしてくれるし、脚を溜めてレースを進められるからね。チカ(西川親幸)も後ろにいたからまくって行きたかったけど、2番(五十嵐力)もいい勢いで来ていたから。脚はスムーズだし、状態は問題ないね。前回、(山口)富生と話して、3・79のギアにしたんだけど、これが合っていると思う」
五十嵐力
は前団のもつれをタイミング良くまくって2着。
「展開としては最高でしたけど、ちょっとスピードが合ってしまいましたね。寒くて身体がちょっと動かなかったし、状態は良く分かりません」
加藤圭一
は梶應にさばかれたが、立て直して何とか3着をキープした。
「五十嵐君は行っちゃう勢いだったけど、内に6番(梶應)が見えて…。締めたかったんですが、更に内にも選手がいて危ないと思ってしまった。しょうがないですね」
<10R>
十文字貴信選手
十文字貴信(写真)
が神山拓弥の先行をフルに利して1着。久々の実戦でしっかり結果を残した。
「レース前は少し緊張したけど、始まったら落ち着いて走れました。神山君がいいタイミングで仕掛けてくれた。車間を空けたかったんですが、スピードが落ちてきて空けられなかった。市田さんがいい勢いでまくって来たのが見えたので2センターぐらいから踏ませてもらいました。しっかり練習はしてきたし、体調はいいと思います」
永井清史マークから自力に転じた
市田佳寿浩
が2着。
「打鐘で永井と接触してしまった。あれで永井もびっくりしたみたい。神山君に絶好の展開になってしまった。最後は地元地区の気合と南が後ろに付いていたので、行かせてもらいました。永井とは初連係だったけど、呼吸が合わずに申し訳なかった」
先行した
神山拓弥
はゴール前で力尽きて5着となった。
「早い段階からスピードが上がったので、自分の中ではほぼ2周もがいた感じでした。寒さもあって重かったです」
<11R>
大井啓世選手
村上義弘
が北津留翼を叩いて先行。最後まで全くスピードは衰えず、そのまま押し切った。
「身体の方は問題ないと思うけど、変な疲労感はある。その中で前々に踏んでいく気持ちはあるし、今日はタイミング良く踏めたと思います。声援も大きかったので、結果を出せて良かった」
地元の
大井啓世(写真)
がしっかり2着に続いて、2車単の一番人気に応えた。
「村上はすごい落ち着いていた。どんどん加速していったし、全然タレなかったです。駆け出しで少し離れたけど、その後はしっかり付いていけたし、僕も仕上がっていると思います」
3着に流れ込んだ
馬渕紀明
も村上の強さに脱帽する。
「(村上は)疲れなんて全然ないんじゃないの? むちゃくちゃ強かったです。とりあえずラインで決められて良かったです」
叩かれた
北津留翼
は9着と大敗した。
「雨走路は苦手じゃないんですが、今日は消極的なレースをしてしまいました。気付いた時には村上さんがヨコに来ていました。明日以降は積極的なレースをしたい」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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