『奈良競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月13日


  奈良競輪場開設59周年記念「春日賞争覇戦」は後半戦となる3日目を迎えた。晴天の下、準決勝A、B、Cの計4個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。村上義弘は勝ち上がりに失敗したが、地元近畿地区からは市田佳寿浩、稲垣裕之、そしてホームバンクの大井啓世と3人が決勝に進出。4人そろった関東勢との争いが最大の焦点になる。
 最終日も場内ではイベントが満載。ガールズケイリンは13日に予選1、2が行われ、勝ち上がった6名により明日の7レース発売中に決勝戦が争われる。女子のトップレーサーによる華やかなバトルは見応え十分。ぜひ、本場でお楽しみください。


<8R>
谷津田将吾選手
谷津田将吾選手
   1着権利の準決勝Cを制したのは谷津田将吾(写真)だった。和田圭の先行に乗って最終2コーナーから番手まくり。そのまま後続を寄せ付けずに押し切った。
 「和田君が頑張ってくれたおかげ。後ろも野木(義規)さんが固めてくれたので、お膳立てが整っていました。地元の佐藤(成人)さんのイン粘りとか五十嵐(力)さんのホームガマシが怖かったんですが、すんなりで一番いい展開になりました。今回はギアを1枚上げている。このクラスはスピードが上がりますからね。自転車は流れていると思います。30歳になったし、そろそろ記念を獲りたいですね」
 地元の佐藤成人は北日本勢を追走。最終2センターで内を突いて突っ込んだが、2着までが精一杯だった。
 「読んでいたとおりの展開だったんですけどね。最後は内が空いてスッと入っていけたし、力は出し切れました。今の調子ではあそこまでですね。ショックはあるけど、ホッとした気持ちもあります」
 5番手からまくった三ツ石康洋は不発に終わった。
 「番手まくりで合わされたし、しょうがない。佐藤(成人)さんの1車が意外と大きかったですね」


<9R>
阿部康雄選手
阿部康雄選手
   ベテランの阿部康雄(写真)が俊敏なさばきと鋭いキメ脚を披露した。先制した永澤剛マークからまくってきた岡村潤の後位に切り替えると、2センターから早めに追い込んだ。
 「永澤君が先行してくれたおかげです。岡村君が見えたんで持っていったけど、行かれてしまった。1車だったので、スイッチしました。ラインが違っていたから早めに追い込んだけど、結果的に関東で上位独占できたから最高の結果ですね。脚は悪くないんですが、やっぱり333は位置取りとコースがないと厳しいバンクです」
 稲村好将が阿部に続いて2着に流れ込み、記念初優出を果たした。
 「前の2人のおかげですね。記念初優出だから嬉しい。これで奈良が相性のいいバンクだというのが証明されました。阿部さんが(岡村を)ブロックして、その時に内を締めているのがきつかった。でも、その後は軽く感じたし、3番手の仕事はできたと思います」
 岡村潤は直線で末を欠いて4着に失速した。
 「ライン4車だし、どっしりとまくりには構えられないですからね。かと言って押さえ先行はできないので、早めに巻き返して行こうと決めていました。思っていたとおりの走りはできたし、阿部さんが強かったから仕方ないです」


<10R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
十文字貴信選手
十文字貴信選手
   先行した稲垣裕之の番手にはまった神山拓弥(写真)が最終4コーナーから踏み込んで激戦を制した。
 「今日はスピードが上がると思ってギアを上げました。稲垣さんと永井(清史)さんを相手に力勝負しても敵わないですから。相手は自分が粘るか中団に引くと思っているから突っ張って展開を乱せばチャンスがあると思っていました。あれで先行できれば良かったけど、見たらもう稲垣さんが横まで来ていました。ギアも重く感じたし、車の出も良くなかったんですが、展開を上手く作って勝てました」
 稲垣裕之が2着に逃げ粘った。今シリーズ未勝利ながら連日の先行策で調子を上げてきている。
 「昨日の永井君の強さを見たら、一旦フタをして打鐘でカマしていくのが一番いいかな、と思いました。2車だから出させてくれると思ったんですが、(神山に)踏まれて、ちょっと慌てました。でも、何とか対処できたし、日に日に状態は良くなってきていると思います」
 4着入線の十文字貴信(写真)は南修二の失格により、繰り上がりの3着で決勝に進出した。
 「神山君の突っ張りは作戦通りだけど、稲垣君が予想以上に早かったです。横に持っていって、戻ったら山口(幸二)さんに入られてしまった。追い込みとしてまだ甘いですね。そこが反省点です。でも、付いていて余裕はあったし、体調はいいです」
 人気の永井清史は内に詰まって凡走した。
 「不甲斐ない走りをしてしまいました。調子は悪くないし、明日はしっかり先行で頑張りたい」


<11R>
三宅伸選手
三宅伸選手
大井啓世選手
大井啓世選手
   人気を集めた近畿勢は後方に置かれて大ピンチとなった。村上義弘は不発に終わったが、市田佳寿浩が強烈なタテの脚を繰り出し、直線一気に突き抜けた。
 「道中の組み立ては失敗だった。大井(啓世)さんが付いていたのもあるし、最後は地元地区の意地。コースがパカッといい感じで空いてくれた。SSはそんなに意識していないけど、今年の記念で優勝したのはSS班しかいないのは知っている。しっかりやるだけです」
 三宅達也の先行を利した三宅伸(写真)が2着で久々の決勝進出を果たした。
 「(三宅)達也が頑張ってくれた。でも、ちょっと重そうで最後はタレたね。俺は余裕があったし、体調はいい。持つべきものはやっぱり後輩ですね。めったに記念配分がないので、今回は何とか決勝に乗りたいと思っていた」
 大井啓世(写真)は地元の執念で何とか3着に食い込んだ。
 「連日、前が頑張ってくれているおかげ。それに尽きます。最後は意地で諦めずに踏んで何とか決勝に乗れました。明日も近畿の3番手から最後は目一杯突っ込みます」
 先行した三宅達也は直線で力尽きて5着。
 「いいスピードが出ていたと思うけど、最後はタレました。状態はいい方だと思うので、明日も自力で頑張ります」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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