『東日本大震災被災地支援競輪 開設61周年記念奈良競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:9月11日


 本日(11日)は奈良県・奈良競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・奈良競輪開設61周年記念「春日賞争覇戦」(GIII)の2日目が開催されました。今日も気持ちの良い青空の下、全11レースが行われ明日の準決勝に進出する27名が決まりました。特にメインの優秀「飛天ちゃん賞」では、深谷知広選手がその規格外のパワーをいかんなく発揮する豪快なレースで1着を決めました。付ききった山口幸二選手と中部ワンツー決着、選手間からも改めて「深谷、強し」の声が多数でした。明日(12日)の準決勝戦でもどんなレースを披露してくれるか、楽しみです。
 イベント、ファンサービス情報。明日(12日)は「ダイナミック奈良競輪」と題して多目的ホールで場内予想会が行われます。第2・7レース発売中に、解説・藤谷昇さん、司会・橋本悠督さんでお送りいたします。また連日好評のラッキーカードを明日も配布いたします。先着入場者1000名様にカードを配布、抽選で150名様にメッセンジャーバッグや目覚まし時計、まんぷく券(場内グルメ街で利用できる500円分チケット)が当たります。また先着女性入場者300名様へ携帯ストラップのプレゼントもあります。いよいよ佳境に入った奈良記念、明日も本場でお待ちしております。

本日のイベントで使用された場内特設リング
本日のイベントで使用された場内特設リング



<1R>
楢原由将選手
楢原由将選手
   肥後公允が主導権を握るも、楢原由将(写真)が捲ってS級2度目の勝利。
「理想は前か中団からいければ、昨日みたいに先行出来るかなと思っていたんですけどね。昨日はちょっと中途半端になってしまって、出てから駆けようか長そうか判断があって…。あとから(古閑)良介さんにもアドバイスもらって、今日は注意していこうと思っていました。後ろ攻めになったので、一旦切ってからの組み立てにはなりましたけど、僕は流れの中での動きの方が好きなので、あとは房州(輝也)さんの動きだけを見ていました。捲りにはなりましたけど、スピード的にはいけると思いましたね。明日も頑張ります」
 楢原由将マークの時松正が2着。
「どうなのかなと思ったんですけど、(楢原由将が)落ち着いていましたね。自信を持っていたみたいです」
 肥後公允マークの三谷政史は3着で悔しい表情を見せる。
「(肥後)公允があんなに頑張ってくれたんですけどね。(房州輝也の捲りは)余裕だったんですけど、楢原(由将)に牽制することが出来なかったです。3コーナーに入るから止まるかなと思ったんですけど…。外に張りながらいけなかったです。人気にもなっていたし、勝たなくてはいけなかったのに…。調子は普通ですが、明日も頑張ります」


<2R>
石山直哉選手
石山直哉選手
   先行逃げ切った金山栄治は「とにかくしんどかった…死にそうです(笑)」
 金山栄治の番手を奪った石山直哉(写真)だが伸びを欠き2着。
「金山さんが先行だと思ったので、あれ(イン粘り)は作戦の中にはありました。僕らが中団の方が動いてくると思いましたし。でも最初のスタート牽制が予想外でしたね。最後は一杯で抜けませんでした」
 8番手から捲り追い込んだ井上雄三は3着まで。
「ギアもかかっているから、頑張ろうと思ったんですけどね。登っていく時のスパートがきつかったです。スタート牽制もあって、青板で息が上がって、うまく反応できなかったです。突っ張ったとしても、もたないだろうしね。もう少し並走が続いてくれれば、風よけを使う感じでいけたんですけど、早めに終わってしまって。今日は後ろの小室(貴広)さんのおかげ、申し訳ないです」


<3R>
荒木伸哉選手
荒木伸哉選手
   好展開をモノにした荒木伸哉(写真)が捲りで1着。
「作戦通りにはいかなかったですね。本当なら全部、突っ張ろうと思っていたんです。でも中井(太祐)君もけっこう踏んできましたしね。1回踏んでいるし、中井君も踏んでいるから、フタされても自分で何とかなると思っていました。そうしたら笹倉(慎也)君もすぐ仕掛けてくれたのが、展開が良くなりましたね。それも攻める気持ちがあったからこそだと思います。気持ちが入っていたし、また明日頑張りますよ。目覚めました」
 2着は徳吉広紀で波乱決着。
「今日は余裕がありましたね。昨日は何だから重かったんですけど、全然良いです。カマシが来たけど、そんなにかかっているかんじもしなかったし、前の木本(賢二)さんが頑張ってくれたおかげですね」


<4R>
馬渕紀明選手
馬渕紀明選手
   目標にした岡崎景介の捲りは不発も先手ラインの番手を外並走から取り切った馬渕紀明(写真)が1着。
「(岡崎景介は)出られそうだったけどね。今日は1、2着じゃないと確実に上(選抜)に上がれないし、しっかり1着を取りに行きました。昨日は競輪だから仕方ない展開だったけど、デキは大丈夫ですよ」
 主導権を握った井上嵩は最後に馬渕に交わされて2着。
「もう少し粘れれば良かったんですけどね。後ろが並走になっているのも分かっていたんですけど、力不足です。でもうまく残れているから悪くないし、昨日に比べても良い方だと思います。また明日頑張ります」
 主導権争いになるも仕掛けを逸した三和英樹は6着。
「絶好の展開にはなったんですけど、ちょっと離れすぎましたね…。練習はしっかり出来ているんですけど、オッサンになると一度狂った歯車はなかなか戻らないですね」


<5R>
北川紋部選手
北川紋部選手
   5レースから3着までが準決勝に進出できる二次予選がスタート。まずは佐川翔吾の先行で番手絶好となった北川紋部(写真)が差し切る。
「恵まれました。佐川(翔吾)のおかげです。早めだったし、駆ける前までの動きが良かったです。作戦通りだったし、あとは古屋(琢晶)が粘ってくるかどうか。ワンツースリーなので良かったです、もう少し車間を切りたかったけど、後ろには丸元(大樹)もいますしね。昨日のきつかった展開を凌いだのが大きかったです。明日も決勝目指して頑張ります」
 先行した佐川翔吾は松戸に続く記念の準決勝進出。
「全然かかっていませんでしたね。でも昨日よりは良さそうです。2分戦みたいな感じだったし、(古屋琢晶が)初日に中井(太祐)を相手にしていたレースを見ていたので、早めに出ていきました。あとは(古屋を)来させよう、来させようとしながら。本当は苦手なんですけど、ちゃんと踏めました。(上位独占は)良かったです。明日も頑張ります」
 近畿3番手の丸元大樹が3着、近畿上位独占が決まる。
「めっちゃ助かった。作戦通りにいきましたね。アレしかないし、いかないと9番(古屋琢晶)に突っ張られてしまいますから。恵まれました」
 古閑良介は前々に攻めるも4着。
「あんなにキレイな展開の時は、ハコしか考えていなかったんですけどね。すんなり4番手になったし、ああなったら捲り不発でも1コーナーから仕掛けて、北川(紋部)のところを狙った方が良かったかな。いつも出していないから、来てから、来てからと思ってしまいました。でも久しぶりに外に踏めましたね」
 後方におかれた古屋琢晶は7着。
「(佐川翔吾が)早めに来たので、どこかに行くタイミングがあると思ったんですけどね。うまくタイミングも取れず、強引にいく形になりました。一瞬、佐川(翔吾)さんの内が開いたから、もう一回開くと思ったら、閉められました。組み立てを失敗しました」


<6R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
   竹澤浩司が先行し、中団から神山拓弥が捲る。神山マークの岡田征陽(写真)が差し切る。
「(神山拓弥は)行けると思いましたね。あとは内だけを気にしながら付いていきました。思った以上に出ましたね。昨日はみっともないレースをしてしまったので、今日は1着が取れて良かったです。決勝に乗れるように、車券に貢献できるように頑張ります」
 捲った神山拓弥は2着。
「(落車の影響は)普通です。今日は相当きつかったですよ。牽制がもっと来ていたら止まっていたかも。展開にも恵まれて、やっと行けた感じです」
 巧みに切り替えた郡山久二は3着入線で準決勝進出。
「ああなったら行けるところまでいこうと思いました。レースは見えているというか、たまたまです。ええとこに乗ったという感じですね」
 先行した竹澤浩司は6着。
「一杯一杯でしたよ。見てから踏んだし、片岡(迪之)が来られるくらいで踏んだんですけどね。神山(拓弥)がすんなり中団では厳しかったです。余裕もなかったですね」


<7R>
杉山悠也選手
杉山悠也選手
   昨日に引き続き大ギア捲りが炸裂した杉山悠也(写真)。連勝で準決勝に進む。
「最後は垂れましたね。昨日は垂れなかったんですけど、今日はもう一杯でした。脚がもう無かったです。中団を狙っていたので、8番手になった時は慌てました。(石丸寬之の動きは)自分が外でもアレをやっていたと思うので、同じことでしたね。自分はあんまり警戒されていないから決まったんだと思いますよ。記念の(勝ち上がりの)連勝なんて初めてだと思います。良かったです」
 直線で外伸びた室井健一が2着。
「危なかったな。400だったら、もっと余裕あったんだろうけど、333だからね。みんな中を見て牽制していたから。あとは展開任せやね」
 杉山マークの澤隆昌が3着。
「前(杉山悠也)が頑張ってくれたおかげです。良い捲りでした。ホームでは行けるかなと思っていたんですけど、グングン行きましたね。あとは石丸(寛之)がいたから、そこだけはやられると思って、警戒していました。出切ってからは、来られないように内を締めていました。良かったです。ここ(準決勝)まで来ましたね」


<8R>
合志正臣選手
合志正臣選手
   小川勇介のカマシを差し切って合志正臣(写真)が1着、好調持続だ。
「自力型では(小川)勇介の力が抜けているから、仕掛けのポイントだけ逃さないように安心して付いていきました。高知記念でフレームを変えたんです。いつもなら乗り込んでから実戦に使うんですけど、その時は乗ってすぐに使えたんです。本当なら共同通信社杯に間に合うくらいかなと思っていたけど、思ったより早く出ましたね。勇介も4コーナーから粘っこいので、抜けるとは思ったけど、それをハンドル投げて交わすのかどうなのかと。そうしたら普通に抜けたので良いと思いますよ」
 小川勇介は力を出し切って2着、長いクールダウンを終えてからレース回顧をする。
「きつかった…。風もあったし、バックが流れなかったです。今日はどこから仕掛けるかと思っていました。もっと流れてほしかったですね。昨日は感じが分からなかったですけど、333だし、今日は出し切りました。もうちょっとですね」
 九州3番手の三槻智清が3着、ラインでの上位独占となる。
「良かったです。(小川勇介が)よく仕掛けてくれました。赤板からジャンにかけてはマズイかなと思ったんですけどね。あれだけ仕掛けてもらえれば。最近は後ろを回ることも増えているので、追走技術やタイミングをもっと勉強しないといけないですね」
 5着の佐藤亙
「きつかった…。ホームで休みたかったけど、脚も使っていました。行くところもなくなってしまったし…。小川(勇介)君を7番手におきたかったんですけどね。あれだったら中団勝負の方が良かったのかな」


<9R>
中村雅仁選手
中村雅仁選手
   木暮安由がジャンで発進すると中村雅仁(写真)は番手にはまり、ゴール前で捕らえる。
「予想だにしない展開になりました。後閑(信一)さんが離れている感じでしたね。俺も踏んでいたんですよ。合わせようとしていたのに、木暮(安由)に簡単に出切られてしまいました。強かったです。番手に入れたんですけど、後閑さんが追い上げてくるかもとは思っていました。ハコなら木暮でも差せることは分かりました(笑)。昨日、繰り上がれたのが大きいです。記念の準決勝は今の制度になって初めてです」
 強烈なダッシュで主導権を握った木暮安由が2着。
「バックでけっこう脚を使ってしまいましたね。良い感じでは行けたけど、最後に差されてはスッキリしませんね。後閑(信一)さんも3着で良かったですが、反省しています。でも感じは良いので、明日も頑張ります」
 木暮安由との連係は離れるものの、最後は外伸びて後閑信一が意地の3着入線。
「(木暮安由が)内に行くと思ったら、外に行って、ちょうどバックを入れたところだったので…。浮いてすぐだったので、木暮が強かったし、すごいダッシュでした。体重を落としておいて良かった…。明日、また頑張ります」


<10R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   橋爪亮が先行する中、金子貴志(写真)が猛烈な捲りを放ち、上がり9秒4で1着。
「ジャンで一回いこうと思ったんですけど、踏み出しが一緒になった感じがあって、これはヤバイかなと思って。それで緩んだところから落ち着いていきました。後ろは佐藤(成人)さんですし、なるべく外に踏もうと思っていました。藤田(大輔)君の前受けは予想していませんでしたね。セッティングも良くなったし、体調も大丈夫です」
 金子貴志に食らい付いた佐藤成人が2着。
「郡山(久二)さんが『お先!』と準決勝を決めていたし、『もうお前だけだよ』みたいな感じで(苦笑)。金子(貴志)は一回合わされたので戻りましたが、すぐに行きましたね。とにかく準決勝に乗れて良かったです」
 橋爪亮の先行から木村貴宏が3着。
「(橋爪亮が)先行してくれたおかげですね。佐藤(成人)さんのところにいければ、もっと良かったんですけど。ギアを少し下げようかな…」
 金子貴志の3番手を回った有馬雄二は7着、地元記念は二次予選で勝ち上がりを逸する。
「内に差してしまいました。でもそこから合流しようと思ったんですけど…脚があれば問題なかったんですけどね…」


<11R>
深谷知広選手  山口幸二選手
深谷知広選手  山口幸二選手
松川高大選手
松川高大選手
   優秀は「飛天ちゃん賞」。松川高大が先行し、中団から川村晃司がレースを進め、深谷知広は7番手におかれるも、最終ホームから一気に捲ると、大外をブン回して力で押し切り1着。上がりは前レースを走った師匠と同じ9秒4。検車場からも驚嘆の声が上がる。
 1着の深谷知広(写真)は「前受けからいきました。落ち着いて仕掛けられたと思います。でも入られてしまったのは反省点ですね。得意な走りではなかったけど、結果オーライでした。全体的に見過ぎてしまっていました。踏んだのはホーム前くらいから。準決勝はしっかり先行で頑張りたいと思います」
 深谷マークの山口幸二(写真)は2着。
 「深谷はすごい上を走っていくからビックリしましたよ。こんなの行けるのかと思ったけど、あれで行くんやね。今日は顔見せの時から大丈夫だと思っていました。ギアも変えたし、昨日とは雲泥の差でしたよ」
 主導権を握った松川高大(写真)は3着に粘る。
「川村(晃司)さんは来ないと思ってました。フタをしていたし、内を締めて。でもあれで来るなら、(深谷知広は)強い。先行は出来たし、あれで決まったと思ったんですけどね。脚は大丈夫です」
 松川マークの井上辰也は「(松川も)頑張っていたし強かった。でも深谷はすごい上におって、牽制できなかった」と5着。
 中団奪取の川村晃司は4着まで。
「僕が仕掛けて(松川高大と)叩き合ってもアカンし。それに(松川高大が)かかっていて、仕掛けても出なかったです。明日、頑張ります」
 川村マークの市田佳寿浩(6着)は「叩く、下げるで勝負してもワンパターンだから、(川村)晃司君がこだわったレースで。松川(高大)君も強かったし、最後は深谷(知広)君を引き出す形になってしまったかな。内外に反応したかったけど、晃司君はあそこからでも伸びてくるからと思って付いていました。明日もまた晃司君の後ろで、良いレースが出来るように頑張ります」
 近畿3番手の中村淳(8着)は「前もかかっていたよ。それでもあの上を行くとは(深谷は)強い…」
 中部3番手で連係外れた山田裕仁(9着)は「前が強かった。333はすぐ上りが来てしまうし、3番手は特にきつかったです」

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