『東日本大震災被災地支援競輪 開設61周年記念奈良競輪(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:9月12日


  本日(12日)は奈良県・奈良競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・奈良競輪開設61周年記念「春日賞争覇戦」(GIII)の3日目が開催されました。準決勝は最終レースで深谷知広選手が敗退する大波乱がありましたが、明日の決勝に進出する9選手が決定しました。59周年の覇者・市田佳寿浩選手や、深谷選手は不発ながら驚愕のコース取りで2着に食い込んだ山口幸二選手のS班2選手はしっかりと決勝に駒を進めました。本格先行選手が不在のメンバーとなりましたが、誰が主導権を握るのかを含め、どういったレース展開になるか、楽しみな一戦です。
 最終日(13日)も奈良競輪場はイベント盛りだくさんです。まずは、競輪通としても知られる西武ライオンズ前監督・伊東勤さんのトークショーが第8レース発売中に多目的ホールで開かれます。また3日目に引き続き「ダイナミック奈良競輪」と題して多目的ホールで場内予想会が行われます。こちらは第2・7レース発売中に、解説・藤谷昇さん、司会・橋本悠督さんが出演予定です。決勝戦出場選手特別紹介はバンク内で、10時15分頃から行う予定ですのでお間違いのないように。ファンサービスとして最終日もラッキーカードを配布いたします。先着入場者1000名様にカードを配布、抽選で150名様にメッセンジャーバッグや目覚まし時計、まんぷく券(場内グルメ街で利用できる500円分チケット)が当たります。先着の女性入場者300名様には携帯ストラップをプレゼントいたします。最終日もぜひ本場でお楽しみ下さい。

本日の予想会「ダイナミック奈良競輪」の様子
本日の予想会「ダイナミック奈良競輪」の様子



<1R>
森内章之選手
森内章之選手
   島田竜二をマークした森内章之(写真)が直線伸びて今年初勝利となる1勝を決める。
「もしかしてではなく、完璧に久しぶりの1着ですよ。いつ以来の1着か分からないです。3コーナーくらいからいったんですけど、決まり手は捲りついたかな?(同県の後輩選手に「差しでした」と言われ)差しか(笑)! 今日は前の(島田)竜二が頑張ってくれたというか、頑張り過ぎでしたね(笑)。気合いがすごい入っていたし、もっと力を抜けよと思っていましたから。早めに仕掛けてくれたし、千切れそうになったけど、あそこからならどうにでもなるからね。後ろから来ているのは知らなかったですけど。オッズ見たら、俺と竜二だけ4000円くらいであとは全部万シューでしたね。(1着で)良かったです」


<2R>
肥後公允選手
肥後公允選手
   地元の肥後公允(写真)が逃げ切り、今開催の奈良勢の1勝目。
「すごく嬉しいです。何とか1着が取れました! 本当は前を取って突っ張るか、カマすかを考えていたんですけど、後ろ攻めになりましたからね。3~4カ月ぶりの1着なので、本当に嬉しいです。自分のレースが出来たと思うし、連日、地元のお客さんから熱い声援をもらっていましたから。やっぱり地元は8割増し以上の力が出ますね(笑)」
 肥後公允の番手を取り切った田淵浩一が2着。
「結果的にはすんなり番手を取る形になったけど、今日は外競りをしようと思っていたんですよ。ギアをかけているし、昨日は馬渕(紀明)と競った時に内が重かったしね。青板から上がって下がってがあったから、そこがきつかったですよ。布居(寛幸)君は3番手に引いたんでしょ? 追い上げてくるチャンスはあったのにジャンでも来なかったし、内から来られないようにだけ注意していました。何とか抜こうと思ったんですけど、(肥後は)地元だからか強かったし、点数以上の力が出てましたね」


<3R>
片山弘城選手
片山弘城選手
   地元の中井太祐が主導権を握り、3番手を固めた片山弘城(写真)が直線伸びる。
「今日はもう展開一本ですね。中井(太祐)君が行ってくれて、前の四宮(哲郎)さんが仕事をしてくれて、あとはいつ内からすくってくるのかだけ注意していました。僕はあの位置でしたからね。なぜか補充の時は、こういう風に展開が向くんですよ(笑)。明日も頑張ります」
 中井マークの四宮哲郎が2着入線。
「ちょっとはエエとこ見せないといけないですからね。最近はやられっぱなしでしたし、(岡崎景介が)スピード良く来たから、牽制もしやすかったです。変なところばっかり見せているから、頑張っているところも見せないとアカンし。前は地元の中井(太祐)君でしたし、できれば3人で決めたかったです。最後は抜かれてしまいましたね、(片山)弘城さんは脚がありますから。疲れは心配だけど、明日も頑張ります」


<4R>
橋爪亮選手
橋爪亮選手
   金山栄治と井上雄三が火花を散らす中、井上マークだった橋爪亮(写真)が捲りで混戦を断つ。
「(井上)雄三君の頑張りにつきますね。今日は前受けだったら、突っ張りもあるかもと。でも金山(栄治)さんが4番手に入ったのが誤算でしたね。自分も自力屋だし、追い込みには慣れていなくて。金山さんは出切ってから少し緩めたので、すかさずいかせてもらいました。きつかったけど、今日はみんなきつかったと思います。でもこれからはこういうレースが増えていくこともあると思いますしね」
 金山マークの三谷政史は終始並走の苦しい展開だったが凌ぎきって2着。
「青板で下がると思ったんだけど、ずーっと内に来られましたね。うまいこと金山(栄治)さんが行ってくれたんですけど、きつかったです。金山さんの後ろだし、僕がもっと捌ければ良かったんですけど。僕もきつかったけど、金山さんはもっときついでしょうしね」
 金山栄治は3着入線。
「青板でけっこう脚を使ってしまいましたね。2分戦みたいな感じだし、(井上雄三が)突っ張るとは思ったけど、心折れてくれ…と思ったのに、やめてこなかったし。4番手に入った時は、すぐいかないと内から来られたらきついと思って、緩んだ時にいきました。しんどかったです」
 金山と主導権争いを演じた井上雄三は9着に終わる。
「金山(栄治)さんにはいつもやられっぱなしですからね。自力-自力で並んでいるし、もしカマシ、捲りに構えて、もし出なかったらと思って、勝負しにいきました。でも一回踏むと、もう出なかったです。あれで金山さんは3着か…敵いませんでした」


<5R>
馬渕紀明選手
馬渕紀明選手
   井上嵩が主導権を握る中、3番手から馬渕紀明(写真)が捲って連勝ゴール。
「自分のタイミングで、と思っていました。ちょっとタイミングは悪かったけど、冷静にいけたと思います。後ろに玉木(勝実)さんも付いてくれていたから、出来たらワンツーを決めたかったですけどね。踏み込んだ感じも良かったです。踏ん張っていければ、ここは外が伸びますしね」
 後方から捲りになった楢原由将は2着、調子の良さをうかがわせる。
「流れの中で決めようと思っていました。荒木(伸哉)さんが切って8番手にだけはならないようにと。無我夢中でしたが、後ろから付いていく感じになってタイミングはズレましたね。車間切って、同時に捲りにいったみたいになりましたから。馬渕(紀明)さんが行くより前に、捲りにいかないとダメでしたね。最低限、勝ち上がりたかったし、調子も悪くないので明日も頑張ります」
 連日の主導権取りが光る井上嵩は3着。
「きつかったです。踏み出しは下りながらだったから良かったですが、出切ってから後ろを確認したらいなかったので。離れたら8番の楢原(由将)君が番手に入ってくると思って、ペースが分からなくなりました。今は初心に帰って先行でやっていて、レースの流れに段々乗れるようにはなってきましたが、脚がまだまだですね」


<6R>
森田達也選手
森田達也選手
   先手を奪った森田達也(写真)がそのまま逃げ切り勝ち。
「すぐに前を取りにいったので、合わされるかなと思っていました。昨日も今日もいかせてもらいました。踏めていましたし、(感触も)悪くないと思いますね。牽制してくれた(佐々木)雄一さんのおかげです」
 森田マークの佐々木雄一が2着。
「(森田達也の)踏み出しがすごくて離れそうになりました。それに踏み直していましたし、強くて抜けなかったです。自分の弱さです」
 4番手から古閑良介が内から上昇を図るも3着まで。
「あれではダメですね。北ラインが先行なら3番手を、中部なら番手に行こうと思っていたんですけど。ああなったら、竹澤(浩司)に牽制してからいけばよかったですね。前は車間も切っていましたし…。2着でないと特別優秀にはいけないんですよね」


<7R>
佐藤亙選手
佐藤亙選手
   古屋琢晶が先行すると、佐藤亙(写真)は降りて藤田大輔から中団を奪取。そこから捲りで今シリーズ2勝目。
 「本当は先行しようと思っていたんですけど、古屋(琢晶)君もやる気でしたね。ちょっと厳しいと思って、自在にやっていた時期もあったので、前々にいきました。いざとなったら対応できるし、あとはギアの使い方をうまくしていければいいかなと。いつでもいける感じで、藤田(大輔)がいれば外で休んでからでも良かったんですけど、あいていたので降りました。動いた結果だし、1着なので良かったです」
 佐藤を追った藤田大輔だが2着まで。
「ダメでしたね。あそこで車間を開けてしまったのが失敗です」


<8R>
望月永悟選手
望月永悟選手
   片岡迪之が先行、田中孝彦の捲り不発もマークの望月永悟(写真)が鋭く伸びて突き抜ける。
「今日は吉永(好宏)さんに気をつけながら降りていきました。(1着は)良かったです。昨日は自分が悪かったし、ああなったら追い上げないといけなかった。やるしかないと思いました」
 片岡迪之マークの吉永好宏が2着。
「引きつけて、引きつけてで(片岡が)いってくれました。今日のようなレースを昨日もしていれば、周囲の目も変わってくるんでしょうけどね。牽制しすぎて失敗するというの多々あるけど、頑張ってくれたし、あとは牽制だと思っていたら、最後は望月(永悟)に…」
 その後ろの有馬雄二(4着)は「(コースを)迷ってしまいました…」
 主導権を握った片岡迪之(8着)は「もっとかかっておけば良かったんですけど。途中までは良かったんですけど、タイムを確認したら少し噴かしすぎたのかも知れませんね。申し訳なかったです」


<9R>
合志正臣選手
合志正臣選手 山田裕仁選手
山田裕仁選手
   ここから、いよいよメインの準決勝戦。目標の松川高大が不発の展開になるも合志正臣(写真)がシャープに伸びて1着。好調を大いにアピール。
「3コーナーが失敗でしたね。準決勝なので堅く、スイッチしてへばりついてツケマイ気味で直線を向く感じで良かったんですけど。松川はもうしっかりしたレースをするから任せていましたけど、3車のラインがいないから切った上でも叩けたと思いますし、慌てなくて良かったと思います。金子さんもすぐきましたしね。出来れば松川(高大)と決勝に乗りたかったです。脚の感じは昨日よりもさらに軽かったので良い感じでいけると思います」
 金子マークから山田裕仁(写真)が捲りで2着入線。
「垂れてきたというより、垂れてくる感じがして、初日の感じからしても行かれるかなと思って。それで反応してしまいましたね。3番手に近畿が入ったのも分かりました。もう少し待っても面白かったのかな。余裕は無かったですよ。自分としては昨日の修正がしっかり出来ているし、良い感じで踏めていると思いますよ」
 9番手になるも福田知也が3着で決勝進出を決める。
「前受けからの組み立て。松川(高大)君が先行するなら番手に行こうと思ってました。でも行かせる感じだったし、引いたら9番手になってしまって。早めに行くと思っていたから、あそこまで止まるとは思っていませんでしたが、最後は合志(正臣)さんも前々に踏んでいる感じだったし、詰まると思って3コーナーから踏みました。うまくスピードをもらえたと思いますし、気持ちには余裕がありました。記念決勝は防府以来2回目です」
 今日は巧みなレースをして3番手奪取、捲りで優出を狙った佐川翔吾だったが5着に終わる。
「いけると思ったんですけど、甘かったですね。3番(松川高大)がうまいこと見えたから牽制したんですけど、最後は横に出て早めに行ったらもう一杯でしたね」。その佐川マークの郡山久二(7着)は「佐川(翔吾)にとっては良い経験になったと思いますね。自分はきつかったです」。
 松川高大は9着に終わる。
「組み立てを失敗しました。踏み出しのスピードは良かったんですけど、佐川(翔吾)君がああいうレースをしてくるとは…。山田(裕仁)さんの動きばかり見てしまいました」


<10R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手 佐藤成人選手
佐藤成人選手
   川村晃司が主導権を握り、番手から市田佳寿浩(写真)が1着。
「前を走ってくれている選手が連日良いレースをしてくれているおかげですね。(川村晃司が)残っていると思ったんですけどね…。かかっていたし、前後を見る余裕はありました。でも初日と同じ感じになってしまい…。後ろは(佐藤)成人さんでしたし…。小川(勇介)君が自分の横まで来てくれていれば、室井(健一)さんの動きも見えたんでしょうけど。自分で自分の首を絞めていますね。人気に応えたかったし、(川村)晃司君と決められなかったのが…。明日、また頑張ります」
 今日も直線で好伸びみせた室井健一が2着。
「(小川勇介が)前々にいってくれたおかげやね。後ろにならなかったのが大きい。(感触は)悪くないし、流れも良いと思う」
 近畿3番手から佐藤成人(写真)が3着で嬉しい地元記念優出を決める。
「(川村)晃司君のおかげですね。練習の成果が出たと思います。最近は成績が悪くて、焦って練習していたんですよ。でも思い切って、ここに向けて3日前から休養にしたんです。良かった時はそういうこともしていたんですけど、悪いとどうしても気持ちが焦ってしまって。その休養で一気に良い感じになりました。地元記念は2回目の決勝です」
 捲りで迫った小川勇介だが5着に終わる。
「今日はタイミングが全てでしたね。神山(拓弥)が飛んで、良い展開になったと思ったんですけど、すぐに後閑(信一)さんが来たので、かぶってはダメだと思って、無理矢理に出て行ってしまいました。特にここのバンクはタイミングが大事ですからね。そこだけでした」


<11R>
中村淳選手
中村淳選手 山口幸二選手
山口幸二選手
   最終レースは深谷知広が苦しい展開となり後退する波乱。木暮安由をマークした中村淳(写真)が1着。
「相性が良いですね。外に踏んだら入られることもあっただろうし、3着権利だから3着以内にいけるかもしれないけど、4着になる可能性もあるから、しっかり頭を取るレースをしました。本当に木暮(安由)が巧かったですね。深谷(知広)がいるレースでは絶対に展開が早くなるし、昨日同様に残り1周のタイムが速くなるんです。だから苦しかったけど、バックからはコースを探す余裕もあったし、良かったです」
 深谷が後退してバック9番手の絶望的な展開になった山口幸二(写真)だったが、内、中とコースを網の目を縫うように進み2着入線。検車場で観戦していた選手からも「凄すぎる…」の声が。
「今日、重そうだったな、深谷(知広)は。深谷-山口のオッズが2倍くらいになっていたから、2人で決めたいと思っていたんですけどね。引いて巻き返す組み立てだったが…。警戒されるのは、吉岡(稔真)も神山(雄一郎)もそうだったからね。最後は隙を突いていった感じです。自信になりましたね。初日はどうなることかと思ったけど、マッサージもしたりして良くなりましたね」
 木暮安由は深谷を不発に終わらせる持ち前の巧みなレースで3着入線。
「先行してきたことで、楽になったのかな。今日は深谷(知広)を7番手にするようにレースをしました。あとは中団でイエローラインのあたりで牽制しながら。深谷だけを意識して、そのままいければ面白いと思っていました。イメージ通りにはなりましたね。明日もレースを見過ぎないように、自力で躊躇なく力を出し切るレースをしたいです」
 主導権を握った中村雅仁(5着同着)もレース内容は光った。
「見せ場は作れたかなと思います。自分は一番弱いから、深谷(知広)を後方におくようにレースをしないといけないと思っていました。そこは木暮(安由)さんと考えていることが一緒だったみたいですね。でも僕が捲りに構えても仕方ないから、先行していったんですけど、きつかったです(苦笑)。千切ってくれたら面白かったんですけどね。でも力は出し切りました。明日も頑張ります」

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