『奈良競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月18日
 奈良競輪競輪開設62周年記念「春日賞争覇戦」は3日目が終了。準決勝3個レースが争われました。S級S班からは佐藤友和、武田豊樹、村上義弘とシリーズ参戦の3名が全員勝ち上がり、近畿地区からは脇本雄太、川村晃司、地元奈良の三谷将太も決勝進出を決めました。最終日は豪華メンバーによる決勝戦が争われます。
 最終日も先着入場者1000名にラッキーカードを配布、100名にネックウォーマーが当たります。場内ではスポーツコメンテーター中野浩一氏によるトークショー(8R発売中)も予定されております。最終日も、奈良競輪場に足をお運びになって、レースとともにお楽しみください。
<9R>
川村晃司選手
川村晃司選手
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 ここからが準決3番勝負。水谷好宏が打鐘2センターで先頭に立ち主導権を奪取。水谷マークの川村晃司(写真)は後方を確認しながら、佐藤友和のまくりに合わせて踏み出して勝利。決勝一番乗りを決めた。
 「競走は水谷君に任せてましたが、思い切り良く行ってくれた。番手を回る経験が少ないので、多少は不安がありましたが、気持ち良いくらいの仕掛けでしたね。(水谷が)4着に粘ってたみたいだし、自分の技術がもっとあれば、彼を残せたかもしれない。最近はレースが充実しているし、奈良は相性が良い。決勝も出し惜しみしないように心がけます」
 佐藤友和(写真)は最終1センターからの仕掛ける。川村に合わされたが、2着入線で決勝進出を決めた。
 「矢口(啓一郎)さんが先行すると思ってたので、そこは誤算だったが、早め早めの仕掛けが結果につながりました。2コーナーで振られて外に膨らんだけど、調子も悪くないので、なんとか乗り越えられました。優勝目指して頑張りたい」
 佐藤をマークした伏見俊昭が3着に続いた。
 「友和君が踏むところをしっかり踏んでくれた。全面的に信頼してました。記念の決勝は去年の10月(岸和田記念)以来だから久しぶりなイメージ。優勝はあまり意識するタイプじゃないし、一戦一戦にしっかりと力を出し切るつもりで走ってます」

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
合志正臣選手
合志正臣選手
 永井清史の後位に松岡孔明、合志正臣の九州勢が飛びつき、永井の後位はもつれる。実質5番手に位置した武田豊樹(写真)が最終ホームから一気に踏み出す。番手を取りきった松岡は1センター過ぎから前へと仕掛け、それに呼応するように合志が武田の仕掛けを2コーナーでブロック。だが、武田はそれらを軽々と乗り越え力強く勝利してみせた。
 「2段駆けの雰囲気もあるし、厳しいメンバーなので、組み立ての部分は意識してました。2コーナーでブロックを貰ってるし、雨のコンディションもあって余裕はなかったですよ。一戦一戦プレッシャーの中で戦えているし、こういうレースを乗り越えることで自分が強くなれる。(全日本選抜から)連戦で戦っているし、疲れはあるけど、楽をして勝つことは出来ないし、残り1日も頑張ります」
 合志正臣(写真)が2着。武田をブロックし、松岡を追って直線ではしっかりと追い込んだ。
 「松岡の気持ち的には、自力で挑戦したかっただろうけど、熊本の2人で勝ちあがるには、こういうレースしか無かったと思います。孔明がいいレースをしてくれた。自分の状態が良くない中で決勝に勝ちあがれたのは大きいですね。山賀君さえ来なければ、孔明も勝ちあがれていたけど、あればかりはどうしようもできないです」
 最後方からの仕掛けで外を伸びた山賀雅仁が3着に食い込んだ。
 「例え9番手になったとしても、武田さんのラインに付いていけばチャンスはあると思っていました。武田さんが作るスピードを追って3着に食い込めましたね。新しいフレームにも身体が慣れてきた感じがします。これが3回目の記念の決勝ですが、今のところ2回とも優勝させてもらってます。このメンバーで勝つのは簡単じゃないけど、記念の決勝は相性がいいレースだと思ってます」
 内で粘られた金子貴志は、力を出し切れずに終わり悔しい表情。
 「中団くらいの位置からじゃ、武田さんには絶好の位置ですよね。永井君も前で頑張ってるし、彼の特徴を活かしてと思っていたんですが。自分が勝って、永井君の気持ちに応えなきゃいけないんだけど、難しかったです」

<11R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
三谷将太選手
三谷将太選手
 脇本雄太が正攻法。青板バックで小松崎大地に内を突かれたが、番手の村上義弘、3番手の三谷将太が冷静に対処。ラインを組みなおして、脇本は赤板から先行態勢に入る。最終バック5番手の位置から友定祐己がまくりを仕掛けるが、3番手の三谷がそれをブロック。直線では村上がきっちり追い込み、近畿3車で確定板を独占した。
 「ワッキー(脇本)らしい、雑なレースでしたが、あれはワッキーにしかできないですから。近畿の3人で決められて良かった。決勝の近畿は別線になるけど、4人の誰かが優勝できるように頑張りたいですね」
 逃げた脇本雄太(写真)が2着に粘る。
 「前を取って全突っ張り。3人で決めるにはそれが最高の仕掛けだと思った。それだけを考えすぎて、青板周回で内を突かれたけど、その後は自分も含めて冷静に動けたと思います。誰かがまた来ると意識しながら逃げられました。疲れがないとは言えないけど、次の日に残さないようには出来ていると思う。決勝の近畿別線はやりにくいけど、和歌山記念(決勝)の時のように失敗しないように、先行だけじゃなく、自力の組み立てを考えて走りたいですね」
 地元の三谷将太(写真)が3着。決勝進出を決め笑顔がこぼれた。
 「前の2人(脇本、村上)の力が大きいですね。自分はその2人にちゃんと付いていけばチャンスがあると思って3番手の仕事に徹しました。気合は相当はいってますし、無我夢中でしたね」
 最終バックで勢い良く踏み出した友定祐己は三谷のブロックを受けて失速。
 「絶好のタイミングで踏み出せて、村上さんがブロックしても、それを通り越して1着に届く感じの手応えでしたが…。3番手の三谷君のことが頭になかった。もったいない事をしてしまった」
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