『奈良競輪開設63周年記念（GIII）レポート』 3日目編
配信日：2月2日
奈良競輪場開設63周年記念「春日賞争覇戦」は佳境のシリーズ3日目を迎えた。準決勝3個レースはいずれも激しいレース展開となったが、平原康多、長塚智広のSS班2名に、神山拓弥、渡邉一成、地元の三谷将太らベストナインが出そろった。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。
最終日も山口幸二氏のトークショーに、安福洋一氏とスポーツ新聞記者による予想会など場内イベントは盛りだくさん。ぜひ、奈良競輪場でお楽しみください。
＜９Ｒ＞
北野武史選手
三谷将太選手 |
準決勝一発目は大波乱の決着となった。高橋陽介の逃げを3番手から雨谷一樹が最終2コーナーからまくって出る。その後ろはもつれ、最後に伏兵の北野武史（写真）が外を鋭く突き抜けた。
「ラッキーでした。このバンクで9番手になって厳しいと思ったけど、稲垣（裕之）君が早めに巻き返してくれた。稲垣君が外に持っていかれて、そのあとに三谷（将太）君がうまくリカバリーしてくれた。自分はただ付いていって2センター過ぎから踏むだけでしたね。バックを踏まずに付いていけたので脚が溜まっていました。全てが僕に向いてくれた感じ。このメンバーで勝てて本当にうれしい」
雨谷のまくりに乗った神山拓弥が2着に入った。
「雨谷君の頑張りに尽きますね。稲垣さんを自分が持っていったときに、三谷さんが内に入ったのは見えていました。併走になったけど余裕はあったし、何とか雨谷君と一緒に勝ち上がりたかったんですけどね。決勝戦は優秀戦と同じ並びで自分が前でしっかり頑張ります」
三谷将太（写真）は俊敏な切り替え策から地元の意地で決勝に進出した。
「決勝に乗れてホッとしたけど、稲垣さんに申しわけない。ラインを大切にできなかった。決勝は自分のできることを精いっぱいやるだけ」
高橋陽介はライン2車で果敢に主導権を奪ったが、あっさりまくられてしまった。
「駆けるつもりで踏んで、それでも雨谷君が無理やり来るようなら出させるつもりでした。そうしたら意外にすんなり雨谷君が3番手に入ってしまった。雨谷君が強いのは知っているけど、まくられたのは悔しいですね」 |
＜１０Ｒ＞
渡邉一成選手
大塚玲選手 |
地元の中井太祐が赤板過ぎからハイペースで逃げる。この3番手に田中晴基が飛び付き、東口善朋とからんで両者ともに落車。前受けから後方まで下げた渡邉一成（写真）が最終2コーナーから圧巻のスピードでまくって快勝した。
「後方からのまくりになったけど自分のレースはできました。ただ組み立ては悪かったし、落車があったから勝てたようなもの。すんなりなら厳しかったですね。昨日は不甲斐ないレースだったんですが、セッティングをいじったりして、だいぶ修正できました。ギアを1枚上げて重い感じはあったんですが、伸びていたと思います。去年1年間が悪かったので、今年は良いシーズンになるように頑張ります」
長塚智広が懸命に渡邉を追って2着をキープした。
「ギアを4．42に上げたのは、上げないと付いていけないと思ったから。渡邉君のスピードがすごくて、付いていけるかギリギリのところでした。きつかったです」
目標の田中が落車してしまった大塚玲（写真）だが、中団で態勢を立て直して、しぶとく3着に入線。記念初優出を果たした。
「田中君に離れてしまったのが申しわけなかったです。そのあとはレースが見えていたし、落ち着いて走れました。人の後ろだと脚が溜められるし、余裕がありますね。とりあえず決勝に乗れて良かったです」
絶好の3番手に入った永井清史は仕掛けのタイミングを逸した。
「自分がカマすタイミングのときに、ちょうど前で落車があった。追い付いたところで稲川君が車間を空けているのが見えて仕掛けるのをためらってしまった」 |
＜１１Ｒ＞
阿竹智史選手
小倉竜二選手 |
阿竹智史（写真）が赤板前から果敢に飛び出すと、別線の出方をうかがいながら絶妙のペース駆け。人気の平原康多のまくりを振り切って、会心の逃げ切りを決めた。
「平原君を後ろに追いやって、いい展開に持ち込めました。あれしかなかったですね。最後までしっかり踏めました。平原君に2日間、負けていたので逃げ切れてうれしい。逃げの決まり手がやっと1つ付きました。今年はしっかり結果を残したいと思っています。決勝も力を出し切ります」
後方から強烈なスピードで迫った平原康多は2着まで。
「阿竹君も桐山君もレースが上手いし、気持ちで負けていた。カマしたかったけど、うまくペースを上げられて、タイミングが取れなかった。純粋に阿竹君が強かったですね。33は躊躇すると終わってしまうし、やっぱり難しい。いけるところまでと思って踏みました。最後は意地ですね」
番手絶好展開の小倉竜二（写真）は3着で辛くも決勝に進出した。
「阿竹が打鐘、ホームとしっかりカマされないように踏んでくれた。4番（古性優作）がまくってきたのは意外でした。あんまり持っていくと落車しそうだし、内からごっそりいかれますからね。阿竹と記念の決勝で連係するのは初めて。頑張ってもらいます」
単騎の古性優作は4番手まくり不発に終わったが、トップクラスを相手に見せ場は十分だった。
「単騎でもしっかり位置を取って仕掛けることはできましたね。2コーナーからいい感じで車が進んだけど、3コーナーで止まってしまった。あそこを乗り越えられるようにしたいですね」 |