『奈良競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月22日
 奈良競輪開設65周年記念「春日賞争覇戦」G3は後半戦に入り、3日目を終了。メインの準決勝3番勝負はどれも手に汗握る大熱戦に。10、11レースは落車事故も発生し、最終レースには何と平原康多が着外に終わる波乱。昨日に続き大荒れの1日となりました。明日はいよいよ最終日。サバイバルレースを勝ち抜いた9名により決勝戦が行われます。
 最終日もたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは先着500名様に来場者プレゼント。はじめてのケイリン1着当てクイズ、スピードチャレンジ(サイクルスピリッツ)、山口幸二氏トークショー(8R発売中)、二宮歩美さんと安福洋一氏の解説による予想会(10R発売中)、旬の駅ならやまの野菜直売ブース(なくなり次第終了)が明日もオープンします。また、元横綱・「あけぼのトークショー」(9R発売中)、さらに、あけぼの氏が表彰式にプレゼンターとして登場します。最終日もどうぞお楽しみに。
<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
石井秀治選手
石井秀治選手
 準決勝の1発目は新田祐大(写真)が勝利し、決勝1番乗りを決めた。レースは中井太祐が後ろ攻めから押さえて赤板前に先頭に立つと、中団外を石井秀治、内に松岡貴久で取り合う展開に。松岡は外をけん制すると、石井が後退。すると、新田が後方から一気に巻き返す。打鐘が入り、新田はグングンと番手を上げていくと、ホーム線を取って最終主導権を握る。新田は軽快に逃げていくと、最後は和田圭を振り切って逃げ切り勝ち。
 「今日はどういうレースになるか難しいなかで、タイミングをとって自分らしいレースができたと思う。(中井の)番手から三谷(竜生)君が力を出すタイミングになってたから、すんなり先頭に立てなかったけど、出切ってからは上手くいけました。和田君とは同級生で、ビッグレースで一緒に戦っている仲なので、今後もこういう(ワンツーを決める)機会を増やしていきたい」
 その和田圭は今日も完璧マークを決めて2着に入る。
 「今日の方がシビれましたね。作戦は任せてました。相手は2段駆けだし、後方になるだろうと思ってたけど、早めに行ってくれましたね。僕は余裕はなかったけど、付け切ってからはワンツー決められる感じだった。後ろから来たら振る準備もしてました」
 最終2センターで落車が発生し、外で間一髪避けた石井秀治(写真)が3着に入る。
 「新田君がカマして行った時点でチャンスはあるかなと思ったけど、ホームで松岡君に持ってこられたのは効いたね。ただ、自分だけが届いてしまったのは申し訳ない。昨日より(落車した)体が楽だったので助かりました」
 地元の中井太祐は実力差を見せ付けられる結果に。
 「作戦通りに後ろ攻めからいけたけど、出切ってから石井さんが見えたので流れる状態ではなかった。僕がダメでも最悪三谷さんが行ってくれればと思ってたけど。新田さんのスピードが違いました」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
三谷将太選手
三谷将太選手
 後ろ攻めから先頭に立った栗山俊介が、赤板過ぎからピッチを上げてレースを動かす。すると、城幸弘も負けじと踏み上げて両者で先行争いに。打鐘過ぎに城が出切ったが、叩かれた栗山が木暮安由と接触し転倒。これで木暮も車体が故障し、戦線離脱となった。落車を避けた浅井康太が最終ホームから一気にまくり上げるも、落車のあおりもあって柴崎俊光は連結を外してしまう。一方、単騎逃げとなった城を浅井康太(写真)が瞬く間に飲み込み、後続を引き離して快勝した。
 「ダービーが控えているし、まずは落車しなくてよかった。前がモガき合ったので、待って待っていくタイミングを整えていたらちょうど(落車があった)。危ないにおいがしたけど、避ける余裕もありました。決勝はダービーへ向けてしっかりしたレースをしたい。調子は悪くないし、レース展開も見えているので」
 目標を失った三谷将太(写真)はアクシデントで筒井敦史に内をすくわれたが、筒井を懸命に追走すると、2センターから差し脚を発揮して2着。4年連続で地元記念優参を果たした。
 「よかったです。栗山は失敗ですね。イチかバチかで木暮さんの所で勝負しないとだった。なのに引いてしまったので。自分は競輪祭の頃から仕上がっていた。でも不幸(落車)がずっと続いてしまって…。ただ4年連続で決勝に乗れて本当に良かったです」
 中部3番手を回っていた山内卓也は、落車のあおりを受けて内へ降りると、立て直して浅井を迎え入れる。その後は浅井に離れてしまったが、三谷に続いて3着に入る。
 「(柴崎)俊光には悪かったけど、(落車があったときに)あのまま付いていったら金網まで行ってた。なので内へ。浅井を迎え入れたけどバックを踏んでキツかったし離れてしまいましたね。最後はコースに迷ったけど『外へ行ってダメなら仕方ない』と。結果的に良かったです」
 関東の先頭を務めた城幸弘だったが、ラインからファイナリストを出せず肩を落とす。
 「せめて木暮さんが1着を取ってくれていれば…。もっとやりようがあったかもしれません。残念です」

<12R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
古性優作選手
古性優作選手
 最終レースは昨日の落車の影響もあり、平原康多が着外となる波乱の決着。レースは大方の予想通り、近畿勢が主導権を握る。この3番手に位置した平原がバックでまくって出たが、車間を斬っていた古性優作に上手くブロックされて万事休す。すると、その後方から吉本卓仁(写真)が鮮やかにまくって1着を手にした。
 「今日は変にかぶってしまうよりは引いてと思って。理想は平原さん(ライン)の後ろだったけど。でも、中団が併走になるのは想定してたし、そこから一発狙ってました。レースが見えてましたね。ただ、もう少し早めに行くこともできたけど、前を見てしまって。三宅さんに申し訳なかったですね。調子は全日本(選抜)の貯金があるので大丈夫。明日も一発狙っていきます」
 目標の平原は勢いを失ったが、芦澤大輔が上手くコースを突いて2着に入る。
 「平原君を最後まで信じてました。4コーナーからは僕の持ち場だし、躊躇せずに突っ込みました。体と自転車は反応してるし、自分のできることはできたと思います」
 古性優作(写真)は真後ろからまくってくると、合わせて踏んでこれをブロック。中井俊亮をギリギリまでかばって3着に入る。
 「中井君を残したかったですけどね。吉本さんは単独で来たのも分かったけど、あれ以上待つと2人ともしずんでしまうので、前に踏ませてもらいました」
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