『奈良競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月24日

 奈良競輪場を舞台に開催されている開設67周年記念「春日賞争覇戦(GIII)」は後半戦に突入。3日目は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝3個レースでは、稲垣裕之、武田豊樹、地元の三谷竜生が勝ち名乗り。他にも三谷将太、早坂秀悟、香川雄介らが優出を決めた。25日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。また、最終日の第9Rでは、S級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
 なお、本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。最終日は坂田利夫、シンクタンクらによるお笑いライブステージ(第5R、第11R発売中)、花吹雪紫音によるマジックショー(第4R、第9R発売中)、スピーチーズ&長田真友子によるライブ(第2R、第7R)などのイベントを予定しています。最終日も、「春日賞争覇戦」をぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

稲垣裕之選手
稲垣裕之選手

永井清史選手
永井清史選手
 吉澤純平が赤板で勢いよく飛び出す。押さえられた永井清史だったが、巻き返してきた稲垣裕之(写真)に合わせて踏み込み、打鐘で吉澤を叩いた。稲垣はすぐさま筒井敦史を締め込んで永井の番手を奪取。1センターからまくると、後続のもつれを尻目に快勝した。
 「厳しいメンバーだったので、前々に動こうと思っていました。その結果、いい位置が取れましたね。(1センターから仕掛けたのは)ライン3車ですし、このメンバーで後手は踏めないので。ここまでの3走とも、いろんな展開に対応できているし、状態は良いですね。一走一走、集中もできています」
 稲垣を懸命に追いかけた永井清史(写真)が2着に残った。
 「今は先行に対しての迷いがなくて、少し長い距離でも行ける自信が出てきている。(稲垣さんに)まくられた後も余裕はありました。あの展開で2着をキープできているので、トレーニングの成果が出てきたと思う。決勝に乗れたのは嬉しいけど、上位と力の差があるので、これから縮めていきたい」
 三谷将太は、インで粘った吉澤と3番手で併走となる。しかし、2センターで競り勝つと、まくってきた桐山敬太郎を阻んで3着に入った。
 「ライン3車で稲垣さんが仕掛けてくれて。今開催は神がかっている。吉澤さんに当たって欲しいタイミングできてくれて競り勝てたし、その辺の対応が今回は神がかっている」
 吉澤純平は、三谷に競り負けて7着敗戦。
 「永井さんを出して、3番手と思っていたけど。永井さんの後ろに稲垣さんがいるとは思わなかったです。それで下げられなくて、三谷君と勝負になりました。いい勉強になりましたね」

<11R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手

河野通孝選手
河野通孝選手
 元砂勇雪が先に出た櫻井正孝を打鐘で叩いて主導権。叩かれた櫻井が番手に飛び付いて中井を捌くと、地元勢に付けた香川雄介は内に斬り込んで元砂の番手を奪取。すると、前団のもつれを見ていた武田豊樹(写真)が打鐘の4コーナーから反撃。逃げる元砂をバックで捕えると、河野通孝の追撃を振り切った。
 「最近は先頭で走ることもなかなかないから、力勝負をしたいなって思って集中していました。4コーナーですかさず踏んでいけたし、ラインができる以上は(負けるなら)攻めて負けたいなと。河野君は普段努力している選手ですから、ワンツーが決まって良かったです」
 武田マークの河野通孝(写真)が、きっちり続いて茨城ワンツー。
 「自分の中では、最終バックで武田さんが出切ってから後ろをみる余裕がありました。最後は抜けなかったですね。でも差し込みにいけているので、上出来です」
 茨城勢に上をいかれた香川雄介は、3コーナーから前に踏み込んで3着に入った。
 「中井君が追い上げてきたら入れるつもりで位置を取ったけど、バリバリっていう音が聞こえたので、もう仕方ないかなと。武田さんがまくってきてからは自分で出る脚もないし、キツかった。初日、2日目とビッグパフォーマンスをしたらしんどかったです」

<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手

早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 中井俊亮が根田空史の動きに合わせて踏んで前に出る。前受けから後方に下げた早坂秀悟だったが、南関勢の内をすくって中団を確保。打鐘の4コーナーから踏み込んで、逃げる中井をねじ伏せる。目標がまくられた三谷竜生(写真)は、竹内智彦を捌いて早坂の仕掛けを追走。追いつきざまに交わして勝利した。
 「(中井)俊亮が頑張ってくれました。最終ホームで上をいかれたけど、対応できたと思います。あれだけ俊亮がいってくれたので、1着を取らないといけないなと思っていました。決勝はしっかり走って、ラインでワンツースリーが決まるように」
 早坂秀悟(写真)は三谷に屈するも、積極的な仕掛けで決勝行きの切符を手にした。
 「(中団で併走した根田は)前に踏んでいくと思っていたので、そこはあまりこだわらずに。でも、勝負所で中団にいられたらとは思っていました。初日も前で櫻井(正孝)が頑張ってくれたし、位置を確保できるようにはなりたいですね。状態は良いと思う」
 三谷に張られた竹内智彦だが、懸命に前を追って3着に入る。
 「早坂と連係が乱れたことはないので、安心して付いていました。(三谷が横を通り過ぎる)スレスレで張りに来ると思っていたので耐えられましたね。ちゃんと3着に残っているし、デキはいいです」
 地元の中井俊亮は、早坂に力負け。「最低限の走りはできました。三谷さんが決勝に上がってくれて、とりあえずはよかった」と悔しさを滲ませながらレースを振り返った。

<最終日・9R S級ブロックセブン>

新山響平選手
新山響平選手

栗山俊介選手
栗山俊介選手
 最終日の9レースには、S級ブロックセブン。今年は、リズムに乗れない新山響平(写真)。前回の全日本選抜でも連日積極的な競走こそ見せたが、7418着と成績は今一息。ここを制して今後に弾みを付けたい。
 「(四日市は)先行できたのはよかったですけど。あとからVTRを見て思ったのは、力強さがないなと。強烈な踏み直しとかができる様に練習をしないとダメですね。(全日本選抜の後に沖縄に行って)山崎(芳仁)さんにダメなところを聞いて。それを改善しながら練習をやっています。それがレースで出せれば」
 武田憲祐は、新山という好目標を得てチャンスが広がる。
 「今はやりたいことを練習で出来ています。その中で、展開が悪い時にどうにかできる脚を付けようと思って準備をしていますね。新山君とは(昨年2月の)別府で連係しています」
 得点最上位の橋本強は1月大宮記念を優出など、G戦線でもV争いに参加。全日本選抜こそ振るわなかったが、点数最上位の意地で単発レースを制するか。
 「今は、ウィナーズカップに向けて。それだけを考えてやっています。ここまでも、がんがん練習をしていました。新車を試したかったんですけど、今回は33なのでずっと使っている自転車を使います。ここを勝って、弾みを付けたいですね」
 怪我で長欠していた栗山俊介(写真)は、1月当所で約3カ月ぶりに実戦復帰。ここまで3場所走って優出こそないが、手応えをつかんできている。
 「(落車は)地味に大怪我でした。でも、今はだいぶ良くなっていると思います。ここまでも奈良記念に出るメンバーと練習をしてきました。怪我明けだからどうかなと思ったんですけど、良い感じでモガけましたね」