『奈良競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:2月15日
 奈良競輪場を舞台に、開設68周年記念「春日賞争覇戦(GIII)」が、2月16日に熱戦の火ぶたを切って落とす。地元のエース・三谷竜生はあいにくの欠場となったが、S班の村上博幸、新山響平、井上昌己、小倉竜二ら豪華メンバーが集結。4日間、短走路で白熱のスピードバトルを繰り広げる。また、最終日の第6レースではS級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
 本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。開催を通して、先着300名様に軽食の振る舞いや未確定車券抽選会、初日は豪華賞品が当たるキッズ抽選会、スマートボールクリア者先着10名様による現金つかみ取りチャレンジなどのイベントを予定しています。16日から始まる「春日賞争覇戦(GIII)」を、ぜひ本場でお楽しみください。

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川口聖二選手
川口聖二選手
 川口聖二(写真)は、11月玉野のVから調子良好。今回は急きょ追加を受けてやってきた。
 「追加の連絡は前検日の前日に受けました。まさかですよ。練習をキツめにやっていたところだったので、まだ張りがあります。前検日にマッサージして、それが取れたら。初日は2車だけど、自力でしっかりと」
 吉田昌司は前回の高松記念が一息だっただけに、今回こそはと気合を入れる。
 「(高松記念の初日と同様に)また1レースですか(笑)。高松が終わってからは、しっかり練習をしてきました。かなりキツくやって、辛い思いをしてきましたよ。今回は良い着を取りたいですね」

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 1月松阪記念で8121着と結果を出した坂本貴史だったが、続く全日本選抜では8396着と振るわなかった。
 「全日本は調子が良かったけど、ちょっとしたところですね。行くべきところで仕掛けるとか、そういうところができなかったです。ここまでは、(冬季移動先の)競輪学校に帰って、やることをやってきました。疲れも大丈夫だし、脚は悪くないので頑張りたい」
 近藤龍徳は1月松阪記念で準決勝に進出。前回の岸和田も優出と良い流れを保っている。
 「(今シリーズは)いけそうな気がします。何も変えていないし、練習の感じも(16年静岡)ダービーを優出した時と変わらないんですけどね。(岡本)総さんは強いので、あとはしっかり付いていくだけ」

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 田中晴基は12月防府の失格から成績が急降下。ここで流れを変えたいところ。
 「前から感触はよくなかったですね。(原因は)セッティングを試して、それが裏目に出ていました。でも、セッティングを良い時のに戻していったら、全日本選抜で良くなりそうなきっかけをつかめましたね」
 得点最上位の田中が一息だけに、前回の2月松山122着の栗山俊介にもチャンス十分だ。
 「前回は(S級初Vの)夢をみましたけど、初日もしっかり走れたし、決勝もワンツーが決まった。調子も良くなってきているので、地元記念で頑張りたい。ここまでは中3日。疲れがあるかわからないけど、前検日の前日も練習をしてきました。しっかり仕掛けたいです」

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中井太祐選手
中井太祐選手
 今年は波に乗れていない長島大介。それでも、調子には問題ないと話す。
 「脚は良いけど、レースが作れていないですね。練習の感触も良いんですけど、結果が付いてこない。33は久しぶりですね。去年の奈良記念も呼んでもらえたけど、インフルエンザで欠場してしまいました。後手を踏むとキツいので、行けるところで仕掛けたい」
 競走得点こそ劣る中井太祐(写真)だが、地の利を生かした走りで対抗する。
 「奈良なので、組み立てはしっかりとしたい。状態は良いと思うし、やることはやってきました。今はGIで勝てるように、長い距離を駆けるようにしています。今回は結果を出したい」

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 池田勇人は1月平でVを飾るなど、今年は良い流れ。3日目から補充で参戦した全日本選抜でも、最終日にまくって2着に入った。
 「補充で行った全日本は体調があまりよくなかったけど、最終日はタテを出せました。全日本を帰ってきてからも、練習をして。今回、体調は大丈夫です」
 牛山貴広は全日本選抜で約2カ月の長欠から復帰。まだ本調子とは言えないが、復活に向けて歩みを進めている。
 「全日本は1カ月練習ができて、脚は問題なかったけどレース勘が。要所、要所で体が動かなかったです。あとは展開もあってリカバリーできなかった。でも、脚の感じは悪くないし、前回より良いと思います」
 藤井昭吾は持ち味の積極策で勝ち上がりを狙う。
 「(ブロックセブンで出場した)高松記念が終わってから練習して感じが良かったです。初日も駆けやすそうなメンバーですね。ペースで駆けられたら勝ち上がれるかも」

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桑原大志選手
桑原大志選手
 桑原大志(写真)が得点最上位の存在。月森亮輔を目標に一次予選突破を狙う。
 「(状態は)厳しいには厳しいけど、復帰戦(競輪祭)ほどじゃないです。去年のS班のときから自分の中でのスイッチも変わっていない。あとは展開と自分の中での課題をクリアできたら。うちのS班(清水裕友)が苦しんでいるので、僕がもうちょっと踏ん張ります」
 その月森亮輔は1月宇都宮で落車の憂き目。しかし、怪我は軽傷で前回の大宮も2勝をマークした。
 「練習を街道メインにして、自転車に乗る時間を増やしたら成績が上がりました。落車の怪我は擦過傷とむち打ち。それも、もう良くなりました。ここが大事ですね。奈良は直線が短いし、後手を踏まないようにしたい。苦手意識もないです」

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伊藤勝太選手
伊藤勝太選手
 伊藤勝太(写真)は昨年の11月頃から成績が上昇。今年も1月静岡、2月伊東でそれぞれ決勝3着に入った。
 「腰痛がなくなってきてから、練習が人並みに出来るようになって良くなりました。でも、最近の成績はハコがあったりとか恵まれただけですよ。初日も相手の格は関係なく、前々に踏めるように。奈良だから脚を使ってでも中団にいたい」
 今シリーズが記念初参戦となる今野大輔。変わらぬ積極的な走りで存在をアピールするか。
 「S級に上がってから、いまいち調子が出ないですね。自分の展開を作れていない。スピードをもらって仕掛ける競走が得意なんですけど、まずはその展開にもっていけるように。積極的に動かないと、良い位置も取れない。初めての記念だけど、いつも通りの走りをしたいです」

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堀内俊介選手
堀内俊介選手
 堀内俊介(写真)は前回の高知を無傷で優出など、復調してきた。
 「500バンクは得意じゃないイメージがあったけど、思ったより走れましたね。セッティングを換えていたのが合わなくて、昨年末くらいから元に戻しました。今はレースを作れているし、少しずつ上向いてきています。奈良を走るのは2回目。33なので後方に置かれないように」
 昨年の秋からキメ脚冴える内藤秀久が、堀内を後位からサポートする。
 「全日本選抜は調子は悪くなかったけど、紙一重の中で走っているし、しょうがない。それは課題として受け入れて。今回は気持ちを新たに走りたいです。流れが落ちてしまったので、払拭するためにもね」

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 中井俊亮は直前の2月松山を制覇。追加参戦ながら、ムード良好で地元記念を迎えた。
 「松山が終わって追加の連絡をもらいました。今年は2月のあっ旋が出る前から、ここを目標にやっていて。呼ばれなくて寂しい気持ちでしたけど、走りたいと思っていたし嬉しいです。状態も結果的に良いですね。地元記念は準決で負けているので、決勝に乗って貢献できるように」
 三谷政史は奈良に移籍して迎える初の地元記念。負傷欠場した弟・竜生の分まで奮闘を誓った。
 「奈良記念自体を正規配分で走るのが初めてです。状態は仕上がっていると思います。竜生の分までと言うと、多すぎる。竜生が出ていたら獲るか獲らないかだろうし、竜生の半分くらいは頑張りたい(笑)。いつか、3兄弟で奈良記念を走りたいですね」

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 不調が続く原田研太朗だったが、今年初戦の1月小松島を制覇。全日本選抜も優出こそ逃したが、初日に逃げて別線を完封するなど22着で準決勝に進出した。
 「本調子とは言えないけど、ちょっと乗ってきました。全日本選抜でも体が動いたし、前々にいこうと思って。展開もありますけど、今の状態なら積極的に走った方が良い。今回はセッティングを気にせず、体の調子を上げる事だけに専念します。今は太田(竜馬)君が良いレースをしているし、小倉(竜二)さんも全日本選抜で決勝に乗って徳島が盛り上がっている。でも、自分はそのメンバーに入れていない。ちょっとずつ上向いてきたので、(今後)GIの決勝に乗りたいですね」
 矢野昌彦は1月大宮で3228着と、今年最初に走った記念を優出した。
 「状態は良くなっています。兆しは11月の高松(336着)からありました。シューズのサンの位置に違和感があったんですけど、それが解決して戻りだしました。何で力が入らないんだろうと思っていたんですけど、ようやくこれだなと思えましたね。奈良の33は特殊で巻き返しもきかないし、その辺も考慮して組み立てたい」

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南潤選手
南潤選手
 南潤(写真)は全日本選抜の初日を先行で突破。さらに、3日目には近藤隆司らから逃げ切りと存在をアピールした。
 「全日本を走って手応えがありました。セッティングもある程度いじって、自転車に乗って感触が良かったです。さらに脚を付けます。脚があれば、どんな展開でも勝てる。後手を踏んでも、なんとかなるくらいの脚力が欲しいです。初日もラインで決まるように」
 競走得点を110点オーバーと、高いレベルで安定している村田雅一。前回の全日本選抜でも連係した南に信頼を寄せてこう続ける。
 「前回、南君と連係して引きずり回されました。付いてみて、調子が上がっていると思ったし、今までとは違う感じがありましたね。信頼して任せます。ここまでは中3日だったので、休んで練習して休んでですね」

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新山響平選手
新山響平選手
 1月松阪記念の決勝では、自ら動いて完全Vを達成した村上博幸。今シリーズの初日も目標不在だが、再び動いて白星スタートを目論む。
 「松阪は決勝を良かったと言ってもらえるんですけど、そこにウエイトを置いていない。自分は追い込みで勝負しているので、その動きが良くて決勝に行けて、結果的に優勝ができました。いろんな動きに対してやってきたし、タテ脚の練習もしている。この年でできることは限られるけど、練習でやってきたことをレースで出したいです」
 新山響平(写真)は全日本選抜を9733着と一息。初日の組み立てを反省しながら、今シリーズでの立て直しを誓った。
 「全日本選抜は、初日で流れが変わってしまいました。(仕掛けが遅くなってしまって)もう、ああいうレースはしないようにします。今回は4日間、先行して頑張りたい。ここまでも競輪学校で練習して、うまく回せたりできました。今回はチャンスだと思うので、久しぶりに記念を獲りにいきたいです」
 佐藤慎太郎は全日本選抜であわやの準V。賞金を上乗せし、年末のグランプリ出場に向けて好発進を決めた。
 「(全日本選抜の決勝は中川)誠一郎がタレなくて、吉澤(純平)君が抜きに行くタイミングが狂った。落ち着いて抜きに行ってくれていたら、自分のコースができたと思う。みんな俺の優勝は期待してなかったでしょ。でも、これでグランプリにいけそうです(笑)。(中3日で)疲れはないけど、練習はできなかったです」