『奈良競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月18日

 奈良競輪場を舞台に開催されている開設68周年記念「春日賞争覇戦(GIII)」は佳境の3日目が行われた。準決勝3個レースでは原田研太朗、新山響平、S班の村上博幸が勝ち名乗り。他にも山崎芳仁、佐藤慎太郎、小倉竜二、長島大介らが優出を決めた。19日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。また、最終日の第6レースでは、S級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
 本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。古性優作選手のトークショーや、山口幸二氏&市田佳寿浩氏&競輪小僧氏によるレース展望などのイベントを予定しています。最終日も「春日賞争覇戦(GIII)」を、ぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 和田健太郎が出た上を、吉田茂生が赤板で押さえる。中部勢を追ってから5番手に降りた伊藤勝太だったが、打鐘から踏み込んで吉田を強引に叩いた。しかし、原田研太朗(写真)が福島勢を目掛けて打鐘の2センターからスパート。伊藤をバックで捕らえて無傷優出を果たした。
 「久島(尚樹)君まで付いてくれてありがたかったですね。自分の走りをしようと思っていました。早めに仕掛けないと3人で決まらないと思ったので、あのタイミングで。流れじゃなかったので、踏み出しがしんどかったです。(記念で)3連勝の勝ち上がりは初めて」
 小倉竜二(写真)が続いて、二次予選と同様に徳島ワンツー決着となった。
 「(原田が)ジャンで行くと思ったけど、1回落ち着いてから行ったね。でも、二次予選の方が強かった感じかな。1回スピードを殺していたから。自分は行くか行かないかのタイミングに付いていけているし、自分の状態も良いと思います」
 伊藤がまくられると、佐藤慎太郎は徳島の3番手に切り替えて3着に流れ込み。
 「(伊藤)勝太は強かったね。私生活で何か良いことでもあったんじゃないかっていうくらいの感じの良さ。カマす勇気は、なかなかないからね。状態は日に日に(上向き)ですよ」

<11R>

新山響平選手
新山響平選手

長島大介選手
長島大介選手
 今野大輔に押さえられて3番手の堀内俊介が、赤板の1センターから踏み込んで打鐘で主導権。前受けから8番手となった新山響平(写真)は最終ホームで長島大介に先まくりを打たれる苦しい展開に。それでも、2コーナーから大外を進むと、直線半ばで前団をまくり切った。
 「打鐘過ぎに詰まって仕掛けようと思ったら、長島さんが行ったので。それを見て詰まったところで仕掛けようと思った。何度かバックを踏んだり、前とタイミングが合ってしまったけど、仕掛けたところは前が止まっていたので長島さんを目掛けて行きました。2日目より状態は良いですね。軽くはなかったけど、良い感じの踏み応えでした」
 5番手の長島大介(写真)は、最終ホームでスパート。最後は新山に屈して2着も、強気な走りで優出を決めた。
 「しっかり仕掛けられました。新山君だけを見ていて、彼がきたら無理矢理仕掛けるしかなかった。練習の感じは良かったけど、脚があの程度なので、ラインを連れ込めなかった」
 新山と車間が空いた山崎芳仁だったが、ドッキングに成功して3着。
 「進んでいない感じがして、打鐘で内に差し込んでヤバかったですね。先踏みし過ぎましたね。2コーナーで追いついてバックを踏んで、4コーナーでもバックを踏んだ」

<12R>

村上博幸選手
村上博幸選手

村田雅一選手
村田雅一選手
 後ろ攻めの小笹隼人は別線に警戒されながらも、一気に踏み込んで赤板過ぎに主導権を握る。先に中団から動いた井上昌己を突っ張った前受けの坂本貴史は、近畿勢を受けて中団を確保。打鐘、最終ホームと一本棒で通過する。村上博幸(写真)はフカして駆ける小笹の番手から、2コーナーで番手まくりを敢行。力強く押し切ってファンの1番人気に応えた。
 「本当にラインの小笹と後ろの村田(雅一)のおかげ。二次予選のこともあったから、見てから踏んだら遅いかなと。ドキドキしました。(三谷)竜生がいないから、1人でも(近畿が)決勝に乗らないとかっこつかないと思って。小笹は練習仲間で成長を感じたし、村田も心強かったです」
 近畿3番手を固めた村田雅一(写真)が、村上の仕掛けにピタリと続いて2着。ワンツーが決まり、「ホッとしました」と胸をなで下ろした。
 「小笹の気持ちが嬉しかったです。内を差しているときもあって、そこで小笹君が仕掛けていたら千切れていました。(小笹の仕掛けで)坂本君が脚を使った状態になったので、そのあと(坂本)の仕掛けが遅くなってよかった。人気にもなっていたし、緊張しました」
 坂本マークの竹内智彦は、直線で村上と村田の間に進路をとって3着に入った。
 「坂本が脚を使って、あの位置を取ってくれた。(逃げた小笹は)まくりに行けそうな掛かりだったけど、(坂本は)大事に行き過ぎたのかな。あそこ(最終2センター)までいったら、外じゃなくて中を割るしかない。奈良は去年の記念でも決勝に乗っているし、相性が良いですね」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

山岸佳太選手
山岸佳太選手
 山岸佳太(写真)は2月地元の取手で川村晃司ら相手に逃げ切りV。続く松山の準決でも、ロングまくりで別線を一蹴と気配良好だ。
 「取手は展開とバンクコンディションです。松山は決勝がちょっと。(終始、蓋をされて)ああいう風になったら取りきらないといけないですね。力勝負で勝てるのが1番良いですけど、勉強です。ただ、(成績が)安定しているし、少しずつ(状態は)良くなってきています。33バンクも好きです。仕掛けのポイントもわかっているし、自力選手に有利。自分のレースをして優勝できるように」
 三谷将太は全日本選抜では今一息。大事な地元戦で気合いを入れ直す。
 「(全日本選抜の前に支部で合宿に行った)石垣島で落車してしまって。それから首が回らなくて、よくなかったです。ここまでも調整しかしていない。ちょっと例年の気合いの入り方と違うので、ここを走って気持ちを入れ直したい。今開催は地元勢もピリッとしていないし、頑張りますよ」
 海老根恵太は全日本選抜の初日に山中秀将のまくりを差すなど準決勝に進出。三谷が山岸の番手を主張したことで、自ら動く事を選択した。
 「今回は自分でやります。(目標が)南関なら譲れないですけど、ブロックセブンだし、こだわる必要はないかなと。状態は徐々に良い感じになってきています。奈良のイメージも悪くないですね。ただ、こういう(7車立ての)戦いだから、どうなるかわからないですね」