『向日町競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月4日

 向日町競輪場で開催されている開設70周年記念「平安賞」は、9月4日に2日目が行われた。予選2を終えて、13ポイントを獲得した平原康多がトップで準決勝へ進出。寺崎浩平、大石剣士、竹内智彦は予選を無傷で突破した。シリーズ3日目は、準決勝3個レースで決勝進出をかけた熱いバトルが繰り広げられる。
 本場では、抽選で100名様に「平安賞オリジナルクオカード」が当たるラッキーカードを先着500名様に配布。さらに、5日のシリーズ3日目は、「向日町競輪70周年ロゴ入り冷感一体型マスク」を先着500名様にプレゼントします。また、5レース発売中には高校生による京都サイクルクラブカップ「デモンストレーションケイリン」が実施されますので、そちらもお楽しみください。
 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ご入場の際はマスク着用や検温、手指の消毒のご協力をお願いいたします。

<1R>

酒井拳蔵選手
酒井拳蔵選手
 赤板の2コーナーで森山智徳が酒井拳蔵(写真)を押さえて主導権。皿屋豊は最終ホームから反撃に出るが、森山も懸命に踏み上げて皿屋を合わせる。酒井は2コーナーで皿屋の後ろに追い上げると、直線で森山と皿屋の間のコースを鋭く突き抜けた。
 「外枠だったけど7車だし、(残り)2周で一回切ったら、もう一回チャンスがあるやろうと思っていました。いつもの皿屋さんなら行くって思ったところより先に行こうと思って動きかけたんですけど、ちょうど同じタイミングで森山さんが駆けたんで、3番手に戻りました。初日と2日目の内容が違いすぎるので調子が良いのかは分からないですね」
 皿屋を合わせ切った森山智徳が2着に逃げ粘った。
 「先行するつもりはなかったんですけどね(笑)。皿屋さんを待ってたんですけど、来んねと思って(打鐘の)2センターくらいで腹をくくりました。こんなに先行して明日(3日目)から大丈夫かな…。まあでも、ケアする時間はいっぱいあるんで」

<2R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 赤板の1コーナーでハナに立った門田凌を、打鐘の2センターで松岡篤哉が叩いて先制。前との車間を空けた三谷竜生(写真)は最終1センター5番手からスパートすると、豪快に前団を飲み込んだ。
 「このメンバーなら前受けした方が、やりやすいかなと思った。脚のピッチが合ったところでいこうと思っていた。もう少し脚は欲しいが、1着取れたので問題ない。練習はしっかりしてきたからその疲れがあると思うけど、開催中に抜けて良くなっていくと思う」
 松岡マークの近藤龍徳は、後続をけん制しながら3コーナーで前へ踏み込んで3着に入った。
 「良いところがないですね。門田君が来たのは分かったけど、三谷さんが来たのは見えてなかった。自転車の流れが悪いですね。修正できていない。それに体も重たいです」

<3R>

竹内智彦選手
竹内智彦選手
 5番手から上昇してきた松岡貴久を、才迫開が赤板で突っ張る。松岡は一車下げて、前反祐一郎と外併走で打鐘。才迫が徐々に踏み上げると、3番手内の竹内智彦(写真)は外の中村良二を飛ばして松岡後位にスイッチ。2センターから一気に踏みこんで、直線で逃げる才迫をとらえた。
 「(才迫の突っ張りは)想定内でした。それが一番堅いでしょ。バックくらいから踏みたかったけど、我慢していました。(松岡)貴久も後ろから見ていて脚に来てるなって感じだったし、才迫が前を取れば勝機はあるなと思っていました」
 外併走を凌いだ松岡貴久は3着でゴールした。
 「厳しい番組でしたね。誘導員を切らせたあとは、(才迫)開の攻め方次第でした。開もできるだけ駆けたくない感じだったし、(前反を)キメたくてもキメられず脚を使ってしまいました」

<4R>

 赤板過ぎに取鳥雄吾が鈴木裕を突っ張って主導権をキープする。5番手に戻った鈴木は反撃のタイミングをつかめず、取鳥の先行で最終ホームを通過。2コーナーから強引にまくった鈴木は3番手まで。取鳥が逃げ切りで、勝ち星を挙げた。
 「突っ張りは得意じゃないけど、鈴木さんを突っ張っちゃえば、もう誰も来ないですから。わがまま言って突っ張らせてもらった。それにバンクが重たいからカマシでもタイムが出ていない。バンクコンディションが悪いんでしょうね。踏めているけど、苦しいですね。調整しないと。でも、調子は良いですよ」
 取鳥に1輪差まで迫った室井健一が、2着で中四国ワンツー。
 「予想通りの感じやったね。追走は問題ないけど、抜きにいったらあかんね。抜けるんちゃうかと思ったけど、強いね、前が。連日、前が頑張ってくれている。あと少し何かが足らんけど」

<5R>

畑段嵐士選手
畑段嵐士選手
 打鐘の2センターで5番手の田頭寛之が内に切り込み、スピードを上げない滝本泰行をすくって主導権を奪取する。番手にはまった滝本は最終2コーナーからすぐさま巻き返して先頭に立つが、その外を大槻寛徳がまくって迫り、その後ろに切り替えていた地元の畑段嵐士(写真)が鋭く伸びて白星を挙げた。
 「落ち着いてはなかったけど、余裕はありました。内は追い込み屋がいっぱいいたし、詰まるのは嫌なので、外を踏んで力を出しきろうと思いました。手応えはないですけど、初日よりは今日(2日目)って感じで上向いているとは思います」
 滝本の番手から伸びた池田良が2着に入った。
 「タッキー(滝本)が落ち着いて仕掛けてくれて展開は良くなったんで、1着を取らないといけなかったです。でも、最近はずっと調子が悪かったけど、ちょっとずつ見えてきたのかなと思います」

<6R>

山田英明選手
山田英明選手
 桐山敬太郎が赤板2コーナー手前で飛び出すと、山田英明(写真)は4番手で態勢を整えて打鐘の2センターから反撃に出る。懸命に合わせる桐山を最終ホーム過ぎにとらえた山田が、ラインの2人を連れて逃げ切った。
 「紫原さんにはかわいがってもらっていたし、相談とかもしていて尊敬する先輩。だから決まって良かった。明日(準決)からは上位陣との戦いだから気持ちを切り替えないといけないですね。(2日目は)自分が飛び付くときのことを考えて、やられたら嫌な走りをしようと思っていた」
 山田のスピードに食らいついた紫原政文が2着に流れ込んだ。
 「えらい山田君が気を遣ってくれたね。飛び付かせないように行ってくれたのは、うれしかったですね。特別(GI)で戦う選手は違いますね。記念の準決勝は去年の久留米以来ですかね」

<7R>

大石剣士選手
大石剣士選手
 赤板の2コーナー手前で宗崎世連が高橋和也を押さえて先行態勢に入る。6番手の大石剣士(写真)は打鐘の3コーナーから反撃に出ると、最終ホームで一気に宗崎を叩いて先頭に。きっちり続いた佐藤慎太郎の絶好の展開かと思われたが、大石は直線でも懸命に踏み直して力強く押し切った。
 「まさか逃げ切れるとは思ってなかったですね。(佐藤と)2人で決まれば良いなと思っていました。SSを付けるのが初めてだったし、チャンピオンなので緊張しました。最近の状態からは変わってないけど、力は付いてきているのかなとは思います」
 佐藤慎太郎は大石を交わせず2着でゴールした。
 「(大石が)思った以上に強かったですね。まだ踏み上がっていく感じでした。きっちり交わさないといけなかったんで、お客さんには申し訳ない。絶好調ではないけど、悪くはないと思います」

<8R>

 前受けの森田優弥は赤板で曽我圭佑を出させるが、1センターで九州勢をすくって主導権を奪う。隊列を一本棒にして森田が逃げると、番手の平原康多は後続をけん制して最後はきっちり抜け出した。
 「先行の形になったら、自分がどれだけ頑張れるかと思っていた。やれることは最大限やろうと思っていたので。(森田と)初連係じゃないから、どんな風にスピードが上がるのかとかもつかめている。よく一緒に練習したりもするので。頑張りに応えられたと思う」
 森田優弥は先行策で持ち味を発揮して2着に粘った。
 「全て平原さんのお陰です。勝ち上がりとかは意識せずに行くとこで仕掛けようと思っていたけど、平原さんが後ろで緊張もあって、どうやって先行するんだっけって感じに少しなった。完全に曽我さんが内を見ていなかったので、(内に)行きました。修正するところは色々とありますね。体的には問題ないです」

<9R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 赤板で上野優太を出させて3番手に下げた寺崎浩平(写真)は、打鐘手前から一気にスパートして上野を叩く。近畿ライン3車で出切って最終回へ入ると、その後も寺崎がハイペースで逃げて番手の村上義弘を振り切った。
 「正直、後半はキツくて末が甘くなるかと思ったけど、踏み直せたので良かったと思います。カカリも悪くなかったし、ペースに入れてからもゴールまで踏めました。福井記念は準決勝で失敗しているけど、最近は流れも良いので、今回は自分のタイミングでしっかり仕掛けたいです」
 村上義弘は寺崎に迫るも2着でゴールした。
 「(最終)バックの感じと2センターで踏み直した感じで、抜くのは厳しいなと思いました。ファンが生で見てくれているので、なんとかファンの前に立ちたいと思っておもいっきり抜きに行きましたけど…。まだチャンスはありますし、あと2日、微調整をして準決勝、決勝とつなげたいです」