『向日町競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 前検日編
配信日:8月30日
ふるさと福井を終了してから中4日。興奮冷めやらぬなか今度は、同地区である向日町競輪場で開設58周年記念「平安賞」が開催される。村上義弘・博幸兄弟や稲垣裕之らの地元勢が、山崎芳仁、小嶋敬二、武田豊樹、荒井崇博といった強豪たちを迎え撃ち、明日から4日間熱戦を繰り広げる。
また初日には93回生の選ばれし精鋭たちが、その頂点を目指す「ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が行われる。地元期待の西谷岳文や、卒記チャンプの谷田泰平らが登場し、こちらもスピード、パワーあふれる競走が見られそうだ。
なお、本場では様々なイベントをご用意してファンの皆さんのご来場をお待ちしています。明日は抽選でクオカードの当たるラッキーカードの配布や、向日かぐや衆による向日かぐや太鼓の演奏、12レース終了後にルーキーチャンピオンレースの表彰式が行われます。ぜひとも本場へお越しください。
<1R>
1レースからは
浦山一栄
をピックアップ。
「初日に1レースなんて久々。予選回りだし気合が入るよ。前回の函館を終えてからも気持ちよく練習できたし、ここも大丈夫。何しろ3着までだしね、とにかくうまく走らないと」
<2R>
2レースの
高橋陽介
は7月にS級復帰してから、まだ勝ち星がないのが気になっている様子。ただし、前回の8月函館Sでは3日間主導権を取る強気な競走を見せている。
「A級の時、腱鞘炎に加え、交通事故に遭ってしまい指を痛めてしまったんです。その治りが悪くて最後のほう(5~6月)はずっと休んでいました。昇級後の1,2場所も反応が悪くて、焦りがあったけど、今は練習でのタイムも戻ってるし結果がついてくれば一気に波に乗れると思う。まずは一つ勝ちたいですね」
<3R>
3レースには地元の先陣を切って
南大輔
と
川村晃司
が登場する。
南大輔
が「前回の松阪を終えてから、日程も空いたし調整は十分。地元だし気持ちが入ってますよ」と話せば、
川村晃司
も「地元を走るのは久々なんです。しかも記念ならなおさらのこと。気負わず戦って、大輔さんとワンツーを決めたい」と意気込む。
<4R>
4レースの
佐野梅一
はこのメンバーの中では得点上位。後塵を拝するわけにはいかない。
「直前に記念出場組みでバンク練習をしてきました。それ以外にも近畿の若手の練習に混じってやってきたし、もうスピード練習は十分ってくらいこなしてきた。今回は最低でも一次予選を突破しないと。記念も久々だし気負わずに4日間頑張りたい」
<5R>
5レースの
河村章憲
は西村豊という好目標を得た。
「四日市記念を終えてからはしっかりと疲れを抜いて、根詰めるところは根詰めてと、やりたい練習ができたと思う。やることをやってきたしあとはその力をどれだけ本番で出せるかですね」
<6R>
谷津田将吾選手
6レースからは選抜戦。
谷津田将吾(写真)
は、前回小田原Sこそ優参を外したが、それまで西武園S、京王閣Sと連続優出。連日、しぶとい競走が際立っていた。
「前回の小田原は開催中ずっと身体がどんよりしていました。参考外ですね。ただ、夏場に入ってから身体の状態が良くて、それが(西武園、京王閣)成績に現れた感じです。今は回復しているし、身体の反応も抜群に良いですよ」
6レースのメンバー内で一番のバック数(14本)を誇るのは
田中雅史
。ここはどう立ち回るのか?
「最近は負け戦中心だけど1着を取れているし、調子は悪くないんです。今は初日に無駄脚を使ってしまい着外ってケースが多い。もったいないと思うけど、自分の競走がしたいから。それはFⅠでも記念でも一緒です」
<7R>
柴田洋輔選手
7レースの新鋭・
柴田洋輔(写真)
は、前回8月の松戸記念では連日主導権を握る競走で大暴れし、その名を全国にアピールした。
「松戸記念が終わってから、地元の同期ら3名で競輪学校に合宿に行ってました。3日間やったけど、僕は普段バイク練習とかもやらないし、とてもボリュームある練習ができた。実戦でどれだけ成果がでるか楽しみ。今回は準決を突破するのが目標です」
山崎充央
は好目標を得てにやっと笑う。
「連係は初めてだけど、前回(松戸記念)頑張ってたのは知っている。S級でもしっかりやっているし、どんな競走をしてくれるか楽しみですね」
<8R>
稲川翔選手
8レースの
竹内公亮
は、前回8月の伊東で今期初優参。勢いをキープできているか?
「展開に恵まれたっていうのもあるけど、優参は自信になります。コンディションは至って普通です」
地元地区での開催に
稲川翔(写真)
は気合が入っている。
「四日市記念でも連日主導権を狙う競走はできたし、体調は良いですね。結果には出ていないけど、最近は粘りも出てきたし、自分なりに踏めている。続けていれば結果も付いてくると思う」
<10R>
志智俊夫選手
ルーキーチャンピオンレースを挟み、10レースからは特選競走。
山崎芳仁
は8月の別府記念を途中欠場。それから幾分間隔が空き、状態も万全になったと手ごたえをつかんでいる。
「前回の別府記念では、4回転以外のギアを試そうと思って、いつもと違うフレームを持っていったんだけど、踏んでも踏んでも車が進まなかった。今回はいつものギアとフレームで。別府を途中欠場してからは、半月近く休んだし、体調はもう大丈夫」
志智俊夫(写真)
は前回8月の高松で落車しており、状態が不安視される。
「落車は大丈夫。じっくり癒してきました。ただフレームの調子が悪くて今回は新車で行こうと思ってます。実戦でどうなるかは走ってみないとわからないな」
神山雄一郎
は通算700勝にリーチをかけてからが長い…。これで3場所続けて記者団に同じ質問をされて思わず苦笑う。
「ちょっと体調を崩してしまったし、サマーナイトから空いた期間に強めの練習をした疲れがまだ残ってますね。もうちょっと抜けてくれれば…。向日町は久しぶりですね。イメージはあまりないけど、そろそろ(700勝を)決めないと。オールスターでも言われるのは嫌ですからね(苦笑)」
山崎にジカに付ける
内藤宣彦
は「番手は、彼がタイトルを取るまだずっと前の事だから久々。三年ぶりくらいですかね。いつ一緒になるのかとずっと楽しみにしていたんで嬉しいですよね」と競走が待ち遠しい様子。
<11R>
村上博幸選手
11レースには
村上博幸(写真)
が登場。ふるさと福井の準決勝では痛恨の失格を喫したが、気持ちの切り替えはできた模様。今回は小嶋敬二という願ってもない好目標を得た。
「福井の失格に関しては正直、落ち込んだけど、引きずっていてもしゃあない。今はここへ集中していますよ。モチベーションも上がっているし、状態も良い。ここでは何が何でも勝つことが要求されるけど、それも大丈夫。気負いにはなりません」
その
小嶋敬二
は、ふるさと福井では精彩を欠いていた。
「明日はギヤを下げます。村上(義弘)も下げればいいのに(笑)。前回の結果に関しては、反省点はあるけど気にはしてません。脚は軽かったしね」
武田豊樹
は急きょ追加あっせんを引き受けての参戦となる。
「四日市のあとに今井(裕介)らと北海道に乗り込みに行ってきました。その成果がどれだけあるかをオールスターの前に確認しておきたかったし、良い追加になれば」
<12R>
村上義弘選手
12レースには地元エースの
村上義弘(写真)
と稲垣裕之が満を持して登場する。
「前回から空いたけど、近畿地区の合宿があったおかげで、忙しい日々を過ごしてました。若手からベテランまで集まったし、僕も良い刺激になりましたよ。今回は山崎と小嶋さんがいるけど、正直言って僕らの脚力では、気力でカバーできるような差じゃない。本当の意味で、ラインの結束で立ち向かわなきゃいけないでしょう。4日間、ピリピリしながら走りますよ。まずは明日、西谷に頑張ってもらって、景気をつけてもらいます」
稲垣裕之
も「地元記念に向けて根詰めて練習した疲れが福井で出たかな。福井では(渡辺)十夢君や(村上)博幸の頑張りを感じ、改めてラインの力を感じました。今回はまさに挽回する番だと思ってる。正直疲れはあるけど、緊張感はキープできてるし、絶対にラインでの勝利に貢献したい」と意気込む。
荒井崇博
もオールスターに向けて視界は良好だ。
「ふるさと福井からは中3日だし、地元に帰らずにこっちで調整していました。福井ではギアを下げたりしたけど、オールスターに向けて感触をつかむためには今回も色々試してみる」
ルーキーチャンピオン(9R) レース展望
9レースは93期生によるルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)。
近畿勢は、地元・
西谷岳文
を中心に3者が結束する。
「地元だし、村上(義弘)さんら全ての人たちが見ているわけですから、緊張の度合いが違いますよ(苦笑)。気楽に戦えるわけではないけど、こっちは三人いるし、落ち着いて臨めば結果は出せると思う。自分がというよりは、近畿3人から優勝者が出れば」
先陣を切る
中野彰人
は「いつものA級開催と違い、注目度が違うし緊張しますね。だけどここは地元地区だしある意味走りやすい。周りは単騎だし、こっちは結束できるぶん、優位に戦えるでしょう」と話せば、三番手を固める
水谷好宏
も「脚力に大差はないし、チャンスは9人全員にある。ラインの三番手でも関係ないと思いますよ。自分も当然狙ってます」と虎視眈々とV獲りを目論んでいる。
卒記チャンプの
谷田泰平
は、単騎の競走から勝機を見出す。
「近畿以外が全部単騎ってのはちょっと想定外でした。だけど自分は元から単騎と決めていたし、競走に変わりはない。それに単騎は大好きだしね。同期がどんな競走をするか全て分かっているし、仕掛けどころがあれば迷いなく行くつもりです」
今井裕介
と上野真吾は関東同士で連係することも考えられたが、「話し合った結果、別でやろうと。単騎で狙うことになります」とのこと。今開催に向けては「合宿もしたし、ここに向けてしっかり仕 上げてきました。武田さんもいて緊張もするけど、安心感もあります」と気合が入っている。
上野真吾選手
豊岡哲生選手
石坂永伍選手
上野真吾(写真)
も「僕はどんな事があっても自分が前で戦うと決めていましたから。今井さんとも話したし、納得の別線です。前回の立川レインボーカップファイナルも似たようなメンバーだったし、全員自力型っていう競走をどう戦えば良いかは分かっているつもり」と闘志を燃やす。
豊岡哲生と園田鉄兵の九州コンビも、“別線で戦う”とのコメントを出した。
豊岡哲生(写真)
は「自分の力を出すには前でと思っていたし、明日も力を出し切るだけ。僕は本番に強いタイプだし、物怖じもしていませんよ。明日が楽しみです」と強気。
一方、
園田鉄兵
からは「自分だけA3班だし、出られただけでもラッキーと思わないと。ある意味負けて当たり前と開き直っているし、何でもやるつもりです」と不気味な発言も飛び出した。九州2人の動向からも目が離せない。
石坂永伍
は「特昇するまで、自分はここに出られるのかな?と気が気じゃなかった。それだけに出られて嬉しい。前回(8月防府)で優勝できたし、良い流れで本番を迎えられた。気持ちも乗っていますよ」と意気込んでいる。
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