『向日町競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:1月29日


 明日(30日)から京都向日町競輪場で開設59周年記念「平安賞」が開幕する。近畿が誇る義弘、博幸の村上兄弟を始め、平原康多、浅井康太と今年早くも記念Vを飾った実力者たちがシリーズの頂点をかけて激突する。前検日の今日は地元選手を中心に、注目選手の様子をレポートします。
 明日はSPEEDチャンネルキャンペーンユニット「スピーチーズ」によるトーク&ライブなどイベントが予定されています。明日から始まる「平安賞」をぜひ向日町競輪場でお楽しみください。


<1R>
 近藤範昌は2場所連続で準決勝に進出するなど、今年は好スタートを切っている。
  「2日目、3日目がダメだけど、今までよりはいいですね。9月小松島で失格して、来期のA級が決まってから開き直ったのがよかったみたい。カマシも決まったり、動きがいいですね。近畿方面は全体的に悪くないので、明日は絶対に3着までに入りたい」
  北海道支部の支部長を務めて多忙な俵信之だが、今回は久々に充実した練習ができたと胸を張る。
  「調子はボチボチで成績どおりだけど、今回はけっこう乗ってきたからね。公務も空いたので、12日くらいハワイで練習してきました。副支部長になる前は毎年冬季移動はハワイってことが多かったけど、最近は忙しくなってできなくなってたからね。久々に練習できたらレースに臨む気持ちが違う」


<2R>
 なかなか調子が上がってこない荒木伸哉だが、今回は密かな自信をのぞかせる。
  「ここからですよ。松本(整)さんのジムで仕上げるために、一昨日から京都に来てました。来る前にもけっこうモガいて来たので、それが出てくれれば…。いや出すつもりです」


<3R>
 地元勢のトップバッターとなるのは有馬雄二だ。昇級後は思うような結果が出ていないが、ここは地元勢の第1走者の役割をきっちりと果たす。
  「配分が詰まってたので、前回終わってから6日間、急ピッチでやってきました。調子が悪いままS級に上がったけど、最近は練習の感じがいいときに戻りつつある。それが続けば戻るかなと思ってます。まずは地元勢の流れを作りたいですね。力を出し切れるように頑張ります」


<4R>
 徳吉広紀はS級復帰後7走で3勝を挙げる好気合をみせている。
  「やっぱりS級では気持ちが入りますね。でも、上がってから2回補充で走ってるし、直前も練習をやり過ぎて疲れが心配です。今日1日休めば大丈夫だと思うけど」


<5R>
伊藤信選手
伊藤信選手
   12月岸和田でS級特進を果たした伊藤信(写真)は2場所目の松山F1でいきなり優勝。しかも菊地圭尚、中川誠一郎らを破っての価値ある優勝だけに、初出場の記念開催でもが然注目を集める。
  「前回は決勝に乗れたらってくらいで、優勝はちょっと考えてなかったですね。無欲の勝利です。追加は松山が終わった次の日に連絡がきました。走りたいなとは思ってたけど、いきなり来たなって感じです。緊張はまだないけど、あまり気にせず走りたい。僕はまだアピールの段階だし、欲張らずに頑張りますよ」


<6R>
石渡正也選手
石渡正也選手
   年末の武雄記念で2勝を挙げるなど調子を上げていた石渡正也(写真)だが、直前の平塚F1で落車した影響が心配される。
  「体は平気だけど、練習ができてない。落車も続いたし、ちょっとヤル気も出なくて…。練習でも思ったような感覚ではなかったですね」
  中村美千隆は大宮に続いての記念参戦だ。
  「大宮のあとはちょっと咳が出たので、2、3日休んでから普通に練習してきました。展開が向けば、そこそこの動きはできると思います。向日町はいいときも悪いときもあるけど、F1でも優勝があるし悪くないと思います」
  岸澤賢太は成績の波が激しく、近況はパッとしない。
  「いいとは言えないですね。練習でもレースでも乗ってる感じがしっくり来ない。自分のレースができないことが多いので、まずは明日もしっかり先行して。向日町はあまりよくないけど、そこは気にせず走りたい」


<7R>
窪田陽介選手
窪田陽介選手
   ここは窪田陽介(写真)が人気を集めそう。3日間逃げて優出した年末の立川F1から場所ごとに勝ち星を挙げている。
  「立川で波に乗れるかなと思ったけど、そんなに甘いもんじゃなかったですね。前回からはしっかり休んで、しっかり練習もしてきました。向日町はけっこう走ってるし、S級では全部予選をクリアしてると思います。人気に応えられるレースがしたいし、松阪記念では準決勝Cだったので今回は準決勝Bが目標です」
  自在戦が身上の河野通孝が不気味な存在になりそうだ。
  「(3場所前の)落車は問題ないし、むしろ落車したのを忘れてたくらい。練習は十分にできてますよ。調子は変わらないし、逆に大きな(好調の)波もないですね。向日町はS級に上がりたてで記念を走ったけど、1着を取れてるので悪くはないです」


<8R>
西谷岳文選手
西谷岳文選手
   西谷岳文(写真)にとっても待ちに待った地元記念だ。ここへ向けてやれるだけの準備はやってきた。
  「年末の松山F1あたりから調子が落ち気味だったから、練習方法を色々と変えて立て直そう思いました。前回の小倉F1では、内容以上に手応えをつかめたし、何とか間に合ったって感じです。地元記念だし中途半端な競走はできないですね」
  不振が続く大西祐だが直前の小倉F1では2連対している。
  「半年ぶりくらいに逃げの決まり手がついて気持ちよかったですね。でも、まだ練習ではしっくり来ない。来る前も『これや』って感じがないので、とにかく1走するまでが不安です」


<9R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   ここからは優勝候補が続々と登場する特選レース。村上博幸(写真)がSS勢の先陣を切る。
  「年頭から三重で合宿したり、ここに向けていい刺激が入りましたね。合宿が終わってから2、3日したらいい感じになってきた。あとは気持ちが入り過ぎんように、そこだけ押さえたい。レースになったら自然と気持ちは入るし、ずっと入ってたら疲れるでしょ」
  浅井康太は北京ワールドカップから25日に帰国。ワールドカップではケイリンに出場したが、1回戦で落車のアクシデント。体調が心配される。
  「帰ってからゆっくり休んで、軽く練習してきました。立川記念が終わってからずっとナショナルチームに参加してたので、どうですかね? ただ体調どうこうってことはないと思うので、明日からは競技のケイリンで最終日に逃げ切れた、そのイメージで回そうかなと思ってます」
  新田祐大も浅井と同じ日程で25日に帰国した。
  「いつもの海外遠征とは違って、時差がないから帰ってから楽でしたね。競輪用の自転車に乗ってないし、直前も筋トレしかやってないのでどうかな? 切れがよければいいかなと思います。向日町はS級に上がってすぐに1回だけ。そんなにイメージはないですね」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
   平原康多(写真)は直前の大宮記念で優勝と年頭から好スタートを切った。
  「ヨコの動きで結果を出せたのが大きい。あれで今後相手に嫌がられればしめたものですから。今回も大宮と同様に、4日間結果を重視して走ります。何でもしていきますよ」
  「いつもどおり」と話す松岡健介はリラックスした表情で検車場に姿を現した。
  「最近は近畿地区の記念といっても特別意識はしてないですね。今までは自分に合ったものを探しながら走ってたけど、今は合わなくても勝てたらいいかなと思って半年前とは全く違う自転車に乗ってる感じ。去年までのギアやセッティングでは限界があるし、色々試している状態です。それはプラスになってると思うし、最近は馴染んできてます」
  深谷知広は体調不良で北京ワールドカップのスプリント種目を欠場した。
  「食あたりなのか、前日に熱が出て、食べたものを全部戻してしまって…。それで3キロ痩せたけど、今は体調が戻ってるので大丈夫だと思います。初日に力を出し切って様子が見られれば。平原さんはずっとテレビで見てる選手。その選手と走れるわけだし、少しでも苦しめられたらいいですね」


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   地元のエース・村上義弘(写真)がシリーズ初日のトリを飾る。前検日から多くの報道陣に囲まれる注目ぶり。向日町記念3度目の載冠へ、明日から魂の走りをみせる。
  「ここに向けてという訳ではないけど、今年に入って博幸や若手たちと合宿に行ってかなり強めに乗り込んできた。前回の取手Sまでには疲れが取れている予定だったけど、年齢のせいか、少しずつタイミングがずれてきている気がしますね。今回は大丈夫だと思うけど、気力でカバーしていくしかないですね。やる気は十分なんですけどね。今年は博幸の足手まといにならないようにしないとね(笑)」
  神山雄一郎は大宮記念で決勝3着。それでも成績以上の手ごたえをつかんだようだ。
  「大宮の決勝は平原(康多)の後ろの後ろだったからね。それであの結果なら上出来、手ごたえもあったし納得です。着以上の収穫はあったね。大宮に関しては平原が勝ってよかった。大宮のあとはいつもの練習だけど、つかんだ感覚を磨き上げて来た感じです。走ってみないと分からないけどね」
  現状打破へ、年末から新たな試みを続ける加倉正義。そろそろ結果をだしてすっきりしたい。
  「年末からセッティング、フォームを改造して、練習でも感じはつかめている。ただレースでは長年の感覚が残ってるのか、結果が出ずモヤモヤしてますね。練習ではホント期待してもらっていいくらい出てるんで、そろそろ結果を出したいね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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