『向日町競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月1日


 京都向日町競輪場で開催中の開設59周年記念「平安賞」は3日目。今日は準決勝4個レースで決勝戦進出をかけた最後の勝ち上がり戦が展開された。準決勝Cを突破した神山雄一郎をはじめ、SS班6名が決勝に進出した。明日は決勝戦の舞台で村上兄弟がシリーズ2度目の連係。強力なライバルたちを迎え撃つ。
 明日(2日)も入場者から抽選で200名様に「平安賞」オリジナルクオカードを、先着1000名には携帯カイロをプレゼント。学生チアリーダーの演技も最終日に華を添えます。最終日を迎える「平安賞」をどうぞ向日町競輪場でお楽しみください。


<8R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   神山雄一郎(写真)が1着権利の準決勝Cを突破し、決勝進出一番乗り。前受けから突っ張った渡邉一成ライン3番手から鋭く突き抜けた。
 「何とか1着にいけたのでよかったです。突っ張るんだから一成も調子がいいんじゃないですか。あの形になったらある程度待ってから行こうと思ってた。引いてカマシだと4番(坂口)が離れるんじゃないかとか思ってたけど、突っ張ってくれて流れが向いた。ホントよかったです」
 逃げた渡邉一成は惜しくも2着で決勝進出を逃した。
 「(栗田の動きが)早めじゃなければ突っ張りたいなと思ってた。1着取りたかったですね。自分のレースはできたから、あともう少し我慢できれば。展開はよかったけど力不足、しょうがない」
 3着の坂口卓士は佐竹和也の落車で審議対象となったが、セーフの結果に胸をなで下ろす。
 「一成は2分戦だから主導権を取ったほうが楽だとは言ってました。僕もチャンスがあれば(決勝を)狙っていきたいなと思ってたけど、全然違いましたね。一成に残って欲しかったけど、神山さんはさすがだな。勉強になりました」
 連日、突っ張り先行に遭っている栗田雅也は「一成があのまま踏んで行くとは思わなくてアレレッて感じでした。何でこうなんですかねえ…」とガックリ。


<9R>
新田祐大選手
新田祐大選手
村上博幸選手
村上博幸選手
   出方が注目された村上博幸の出した決断は番手戦。後位が競りになった新田祐大(写真)がホームからの仕掛けできっちりと押し切った。
 「村上さんがドンから来るとは全然思わなかったですね。中団から僕の動きと一緒に上がってくるのかなと思ってた。競りになったので、僕は自分のタイミングで行くことだけ考えてた。バックで後ろを見たら成田さんなのは確認できたけど、その後ろが分からなかった。最後に振っちゃって内を空けてしまったのが…。あれがなければ成田さんとワンツーでしたね」
 3番手で立て直した村上博幸(写真)が内から成田を交わして2着に。これが審議の対象となったが、セーフの決定が出ると思わず天を仰いだ。
 「嬉しい…。これは大きいですね。初手があの並びになった時点で、ドンから(番手に)行こうと決めました。成田さんも車間を切ってたし、外を踏んだら3着になる。絶対内が空くと思って我慢しました。とりあえずホッとした。調子は万全ではないけど、気持ちですね」
 成田和也はゴール寸前で村上に交わされてしまった。
 「あれ? 競りなんだと思いました。取り切ったけど、後ろが村上だったので詰まったら行かれると思って車間を切った。新田はけっこういい感じで駆けてたし、割られても大丈夫だと思ったら、村上が新田の内に行ってしまった。キツかったし、力不足ですね」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
山口幸二選手
山口幸二選手
   西谷岳文の先行を深谷知広が強引にカマす。平原康多(写真)のバックまくりは思いのほか伸びなかったが、直線意地のひと伸びを見せると何とかファンの人気に応えた。
 「深谷が強いですね。今日は寒くてニュートラルに入らなかった。相手を意識する余裕もなかったし、仕掛けのタイミングも分からない状態。たぶんタイミングは悪かったと思います。最後もうひと加速してくれてよかった。まだ明日も残ってるし、しっかり頑張りたい」
 2着には深谷のカマシに続いた山口幸二(写真)が食い込んだ。
 「西谷のダッシュもすごかったし、それを叩いた深谷の力もやっぱりすごい。来る前はどこまで?と思ってたけど、深谷はG1の準決勝でも十分通用するね。(自分は)来る前に調子がよかったのに、ここ2日間おかしいなと思ってた。レースのビデオをチェックして、そこを修正したから、またちょっと変わってくるかな」
 西谷の先行から山口の後位に切り替えた酒井耕介が中割りで3着。見事に地元記念で優出を果たした。
 「恵まれました。西谷も強かったけど、あれを叩く深谷は嘘や~って思った。昨日までは悪すぎたけど、今日は切り替えてからも余裕があって脚色はよかった。最後は狭かったけど、無理やり入って行った。記念の決勝は本当に久々です」
 深谷知広は4着に敗れたが、見せ場満点のレース内容だった。
 「ホームで終わったと思ったけど、コーナーでリセットして出口あたりからもう一度踏んだ。西谷さんのダッシュはすごかったですね。出切るので一杯だったから、バックから何も見えなかった。もう少し力を付ければ、ああいうレースで戦える。今回勉強して、次は決勝に乗れるように頑張りたい」
 上手く平原後位に切り替えた豊田知之は苦笑い。
 「アレは狙いどおり。飛び付いて、ヨッシャーって思ってたら平原は止まったのか休んでたのか。平原が飛んで大穴あいたなと思ったら、やっぱり強かったね」


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   菅原晃と松岡健介で壮絶なモガき合い。これをバックから浅井康太がまくりにかかるが、松岡後位から番手まくりに出た村上義弘(写真)が博幸に続いて兄弟で地元記念優出を決めた。
 「健とは前に1回連結が離れたことがあって、今日は最後まで信じて走ろうと思ってた。健が休まず踏み続けてくれたし、その気持ちに応えなアカン。近畿のためにも僕か健が決勝に乗らんとアカンから責任は果たせてよかった。でも2人(平原、浅井)は強すぎますね。底力が違うけど、明日もしっかり走るだけ。兄弟での地元記念決勝は高ぶるものがあるし、楽しんでもらえるように頑張ります」
 村上マークの高木隆弘(写真)が2着で決勝に進出した。
 「ホントによく行ってくれました。付いて行くのは問題なく、でも最後はヘベレケになってましたね。モガき合いで一杯になったけど、気力で付いて行きました」
 浅井康太はしぶとく3着に入線。笑顔でレースを振り返る。
 「松岡さんはカマシを狙ってると思ったので、展開を見て。まくって行ったら合わされたので、付け直して直線勝負だと思ったら2センターでハウスして緊張した。あれは村上さんの3番手、(決まり手は)マークですね」
 惜しくも4着の岩本和也は「余裕がなくて、自分がどこを走ってるのか分からなかった。最後は浅井と勝負だと思ったけどね」としながらも、連日の走りに手ごたえをつかんでいるのは確かだ。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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