『東日本大震災被災地支援競輪 向日町競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月28日
 初日から厳しい寒さの中で開催されている「東日本大震災被災地支援 京都向日町開設61周年記念 平安賞」ですが、本日3日目を迎え、メインの準決勝3レースをはじめ激戦が繰り広げられました。そして、決勝戦には地元の村上兄弟と積極性抜群の藤木選手の3名が進出。地元選手による4連覇へ向けて強力な布陣を敷くことに成功。例年大きな盛り上がりを見せる当記念の決勝戦ですが、明日の一戦は是非その目に焼き付けて下さい!
 そして、明日も本日同様に、携帯カイロが先着1000名様に、オリジナルクオカードが抽選で200名様にプレゼントされますので、そちらの方もお楽しみに。
<1R>
吉田健市選手
吉田健市選手
 最終2コーナーから捲った谷田マークの吉田健市(写真)が微差で交わして1着。
「今日はもう谷田のおかげですね。しっかり自分で位置を取って絶妙のタイミングで捲っていってくれましたからね。さすがです。僕は付いていくだけでしたけど、最後の踏み比べに勝てて何とか今年初勝利。落車明けの中3日で体は正直キツいですけど、1着が1番の薬になるので、今日のレースは最高の励みになります」
 2着はその谷田泰平が残ってラインでのワンツー決着。
「細切れだし、流れの中で何でもやろうとは思っていたんですけどね。踏み出しは良かったんですけど、そこからのスピードのノリと最後の粘りがまだまだかなと。あの位置から仕掛けて交わされてしまってますから。まだまだ満足はできないですよね。それでも、結果的に別線勝負だった東(鉄也)さんも含めて中部で上位独占することが出来たので良かったです」

<2R>
川木敬大選手
川木敬大選手
 伊原弘幸の捲りに乗った川木敬大(写真)が巧みなコース取りから差し脚を伸ばす。
「伊原君の捲りが止まりそうな気配だったし、内を確認したら空いていたので、上手く対応できましたね。余裕はあったと思います。それも、伊原君があの位置(バック)まで連れていってくれたおかげでですけどね。ウエイト明けの補充参戦なので、自分の中ではどうかなと思っていたんですけど、何とかなりましたね(笑)」
 直線で鋭い差し脚を発揮したベテラン・長谷俊昭が混戦の中を突き抜け2着。
「展開としては最悪に近かったんですけど、前がゴチャついてくれた分、伸びましたね。2センターくらいでは、もう内へ行くしかないと思って、そこから躊躇なく踏んだのが良かったです。あそこでコースを探していたら大敗していたパターンですからね。そういう意味では気持ちの面では仕上がってると思うので、あとはそれに脚が付いてくるかどうかかな」

<3R>
河村章憲選手
河村章憲選手
 篠塚の2コーナー捲りを交わした地元・河村章憲(写真)が1着で、一般戦は補充選手が全勝という結果に。
「初日、2日目と篠塚のレースをテレビで観ていたんですけど、何か噛み合っていない感じがしたので、今日はムリに主導権を取りにいくよりも、たとえ7番手でも仕掛けどころさえ間違えなければ、力はある選手だし、大丈夫かなとは思っていたんですよ。その結果、いいタイミングで捲ってくれたし、それを交わしての1着なので素直に嬉しいですね。今日からの補充ですけど、どういう形であれ地元記念に参戦できて、モチベーションは上がるし、せっかくだから連勝して帰りたいと思います!」
 篠塚光一もしっかり2着に粘っての近畿ワンツーでファンの支持に応える。
「今日はせっかくギアを上げたし、昨日まで不甲斐ないレースが続いていたから、力を出し切りたいなと思っていたので、とりあえずは良かったですけど、1着取りたかったという気持ちもありますよね。それでも、次に繋がるレースは出来たと思うし、近畿でワンツーを決めることが出来たので、その点は良かったのかなと」

<4R>
松本一成選手
松本一成選手
 今日は最終2コーナー7番手からの捲り勝負となった松本一成(写真)がそのまま押し切って白星。
「上吹越(直樹)君が叩かなかったら、いつでも出る準備はしていたんですけど、いいところで仕掛けてくれたし、その後は落ち着いてという感じでしたね。作戦は流れの中で柔軟に攻めていこうかなと思っていたので。それが上手くいきましたね。今日は捲りでの1着でしたけど、初日は逃げて2着に残れているし、やっぱり前回の大宮記念に比べればいいと思いますよ」
 松本マークの中山善仁が2着に続き、新潟両者の同県ワンツー。
「一成とは相性がいいですからね。何回か優勝も取らせてもらっていますし。初手で前を取れれば一成を中心にレースが回っていくと思ったので、そうなってからは信頼して付いていました。やっぱり、捲りでも強かったですね。まあ、僕は2着だったんですけど(笑)、しっかりワンツーを決めることが出来たので良かったんじゃないですかね」

<5R>
西田雅志選手
西田雅志選手
 目標不在だった西田雅志(写真)が中団からの自力捲りで快勝。
「周回中から作戦通りでしたね。捲りに関しても直線で仕掛ければコーナーで牽制のあおりを食らわなくてすむと思っていたので、そこもドンピシャ。出切った時点では3着以内には入れると思っていましたけど、押し切れて良かったです。とにかく出し切りました。普段から自力の練習はしているので、いざという時に役立ちますよね。秘密兵器を久々に出しましたよ(笑)」
 西田に任せた宮本佳樹が2着で中四国ラインのワンツー決着となる。
「西田の踏み出しが良くて一瞬は離れるかと思いましたよ(苦笑)。それで慌てて付いていく様な感じになったんですけど、あそこまで西田が頑張ってくれた以上はその気持ちに応えたいと思ったから、ワンツーを決められてホッとしました。西田には感謝の言葉しかないかなっていう感じですよ(笑)」

<6R>
岡村潤選手
岡村潤選手
 実績上位の岡村潤(写真)が切れ味鋭い捲り追い込みで1着。
「苦しい展開をモノにしての1着なので、それは良かったかなと思うんですけど、もっとラインを連れ込める様な自在選手になっていかないといけないと思っているので、その辺の部分でまだまだ課題が残るレースだったかなという感じがどうしてもしてしまいますね」
 主導権奪った小林信晴マークの竹内公亮が2着入線を果たす。
「小林さんのおかげに尽きますね。ただ、今回から4倍ギアを使っているんですけど、どうしても一歩一歩が遅れてしまうんですよね。今日もホームで一瞬口が空いたりしてますから。流れに乗ってしまえば仕事も出来るし問題ないんですけど。その辺はこれからこのギアを踏みこなしていく中で慣れていけばいいのかなと。とりあえず、今日は終わってみれば同期ワンツーだったので、それは良かったですね」

<7R>
岡崎智哉選手
岡崎智哉選手
 4番手キープの岡崎智哉(写真)が最終2コーナーから捲り切る。
「打鐘のところで本当は山田さんを出させるつもりはなかったんですけど、踏みどころや流しどころがまだA級での感覚のままなので、ダメでしたね。すごく反省が残りますよね。その後は中団になった時点で脚は一杯だったんですけど、昨日は前を見すぎて失敗してしまったので、今日はとにかく前々に踏んでいこうと思って。前が垂れてくれたのと、自分の気持ちで乗り越えられたのかなと。でも、内容的には決して褒められたものではないので、最終日こそは内容のあるレースで結果を残せる様に気合いを入れていきたいと思います」
 主導権奪った山田義彦は9着に沈み、最終日の巻き返しを誓う。
「出切るまではけっこう楽だったし、そのあとも一瞬休めたんですけどね。今日はバンクがちょっと重かったですね。気温や風の影響なのか、3日目で自分の中に見えない疲れが溜まっているのか、その辺はまだよく分からないんですけど…。あと、2テンポくらいゆっくり踏めばよかったんですかね。とりあえず、明日が最終日なので、その先に繋がる様なレースをして帰れる様に頑張ります」

<8R>
布居寛幸選手
布居寛幸選手
 前団がもつれる中、最終2コーナーから踏み出した布居寛幸(写真)の捲りがひと飲み。
「今日は(三谷)政史が別線とコメントした段階で牛山(貴広)君か矢口(大樹)君のどっちかのラインに勝負にいくだろうと思ったし、そうなれば展開は絶対にもつれると思ったので、読みがあたりましたね。その後は中団の牛山君が捲りに行かなければ自分で先捲りを打ってもいいかなと思ってたんですけど、牛山君が捲っていったので、それを目掛けて踏んでいったんですよね。木本さんも2着に連れ込めて2人でワンツーを決めることが出来たので本当に良かったですね」
 2着の木本賢二は布居に感謝しきりといった様子を見せていた。
「いやぁ、恵まれましたね。布居君が積極的な仕掛けをしてくれたおかげで2着に入ることができたので、とにかく布居君のおかげとしかいい様がないですね。とりあえず、初日に1着取れているし、今日も2着で2連対することが出来たので、状態は悪くないと思いますけどね」

<9R>
小川圭二選手
小川圭二選手
中村淳選手
中村淳選手
 準決勝最初のレースは上原龍の大逃げが決まり、番手捲りを放った中村を追走していた小川圭二(写真)が抜け出す波乱の幕開けとなる。
「今日のメンバーならどの自力型もまずは上原を前に出させるだろうなと思ったし、中村さんの番手捲りも十分あるだろうと思っていたので、とりあえずはその後ろからでいいかなと。それで、もし上原が先行態勢に入らない様だったら切り替えも考えたんだけどね。とりあえず、上手く作戦がハマってくれましたよ。やっぱり、長いこと選手やってると、こうやってたまにはいいこともないとダメですよね(笑)」
 番手捲りで2着の中村淳(写真)は上原の健闘を讃える。
「龍もああいう形での先行だったから、僕も悪いなと思いながら番手捲りさせてもらいました。あれ以上、龍をかばってしまうと、浅井(康太)君や(渡邉)一成君にいつ行かれるか分からなくなっちゃいますから。それで共倒れなんてことになったら龍の頑張りをムダにしてしまうことになるので、それだけは絶対にしちゃいけないですしね。今日、ギアを4・50に戻したのは、昨日4・25に下げた時に少し軽く感じてしまって。それで、自分に気合いを入れる意味でも50に戻したんですけど、それも正解だったみたいですね」
 3着は山田庸平の捲りに乗って差し脚を伸ばした星島太で、このレースから優出した3選手は全員が40代とベテランが大活躍!
「淳がギアを上げたことで絶対に番手捲りをするから、僕らのラインはとりあえず切って待ってという感じの作戦で。それでも、山田君は誰かとかぶったらいけないと思って無理やり仕掛けた様な感じになって、それが結果的に淳に番手捲りをさせる様な形になって僕にとって展開が向いてくれましたね。記念の決勝なんていつ以来だろう…。まるで、盆と正月がいっぺんに来た様な感じですよ(笑)」
 浅井康太がまさかの不発に終わり、共倒れの5着となってしまった山口幸二
「浅井と一成はお互いがお互いを意識しすぎていたのかもしれないなぁ。それでも、淳がまさか番手捲りを打つとはね…。そこまではさすがに読めんかった。そこが敗因でしょうね」

<10R>
村上博幸選手
村上博幸選手
藤木裕選手
藤木裕選手
 藤木が積極的に駆ける中、絶好の展開をモノにした村上博幸(写真)が今シリーズ初勝利で決勝へ。
「とりあえずホッとしました。1番いいところで藤木が駆けてくれましたね。藤木が強くなっているというのも分かっているし、もう既に強い先行選手になったなというのも感じていますね。彼は僕との連係ではいつも、気負いすぎてしまうのか、なかなか上手く決まらないことが多かったんですけど、今日は本当によく頑張ってくれたと思います。声援もすごく大きかったですし、それに応えられて良かったです」
 その藤木裕(写真)もきっちり2着に粘り、村上博と念願のワンツーに充実感たっぷり。
「何て言うか、言葉にするのが難しいくらい嬉しいです…。地元記念での優出ということがどうこうというよりも、とにかく博幸さんとワンツーを決められたことが嬉しくて。昨日もそうでしたけど、今日も自分のタイミング、自分のペースで踏むことが出来ました。もちろん、明日は明日で自分のやるべき仕事があると思うので、精一杯頑張るだけです」
 最終2コーナー8番手から怒涛の捲り追い込みを見せた柴崎淳が3着で決勝へ滑り込む。
「今日はせっかくギアを上げたので、イン粘りとかは全然考えていなくて、とにかくタテ勝負がしたかったんですよね。今日はこのギア(3・85)だからこそ、2センターであおりをくらった時もそれを乗り越えられたんだと思うし、感じとしていいんじゃないかなと思いますけどね」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 稲垣裕之が最終2コーナーで捲り不発となったが、番手・村上義弘(写真)はそこから自力勝負に転じて「魂の1着」を掴み取る。
「実は昨日までそこまで体調は良くなかったんですけど、その中でも自分の中で気持ちにスイッチは入れていたんです。だけど、今日の前のレース(10レースで)藤木と博幸が本当にいいレースを見せてくれて、そのスイッチが『完全に』入ったんですよね。今日のレースではたとえ稲垣が不発になったからといって僕が諦める訳にはいかないですから。その結果、応援してくれたファンの皆さんの期待に応えられたのは本当に良かったと思います」
 最終2コーナーで3番手に位置していた海老根恵太(写真)が村上が自力捲りに転じたのとほぼ当時に逃げる荻原尚人ラインの内をすくう「イン捲り」で2着入線を果たす。
「正直、今日のメンバーではどういうレース展開になるのかイマイチ分からない様なところがあったので、とにかく脚を溜めて、自分が行けると思ったところから仕掛けようと思っていました。村上さんには交わされてしまって2着ではあったんですけど、とりあえず決勝進出は出来たので、まずまずですかね」
 そして、最終2コーナー8番手から仕掛けた北津留翼が結果的に村上を追走する形となり3着で最後の決勝切符をゲット。
「初手の並びは絶好でしたね。それで、稲垣さんが行って、その上を叩こうと思っていたんですけど、荻原さんが仕掛けた時に内を見たらちょうど空いていて。『あ、内が空いてるな』と思っていたら、なんかそのまま入っていく様な感じになっちゃって、気が付いたら8番手で(苦笑)。そうなったら捲りにならざるを得ないので、『仕方ないか』と思って踏んだら、ちょうどそのタイミングで村上さんも踏んだので結果的に追走する形になっちゃったんですよね。3着の決まり手があったら、『マーク』ですよね(笑)。ただ、やっぱりこのフレームは捲りに回るとイマイチ進みが悪い様な気がするんですよね…」
↑ページTOPへ