『東日本大震災被災地支援競輪 向日町競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月29日
 本日最終日を迎えた「東日本大震災被災地支援 京都向日町開設61周年記念 平安賞」。その優勝者となったのは村上博幸選手。優秀レースでは交わせなかった兄・義弘選手を1/4輪差交わしての戴冠。昨年は苦戦が続いた2010年のグランプリチャンピオンがようやく眠りから目を覚ましました。今年の巻き返しに期待が懸かります。
決勝戦 レース経過
 誘導以下、海老根恵太─中村淳、北津留翼─小川圭二、柴崎淳─星島太、藤木裕─村上義弘─村上博幸の並びで周回を重ねる。赤板で柴崎が上昇し誘導後位に入ったところを、藤木がすかさず叩いて主導権を奪取。これで、4番手に柴崎が入り、北津留が6番手、海老根が8番手となり一本棒で最終ホームを通過。藤木のスピードが徐々に落ちてきたところで、村上義が2コーナーから番手捲りを打つと、直線で村上博が交わして1着。2着に村上義、3着には4番手追走となった柴崎がそのまま流れ込んだ。

村上博幸選手
村上博幸選手
 見事に地元記念連覇を果たした村上博幸
「藤木はすごく強くなってましたね。まさか、こんな大舞台で一緒に走れるとは思っていなかったし、こんな状況、重圧の中で走れる選手になってくれるとは。本当に嬉しいですね。今日のレースでは藤木もそうですけど、兄もすごいしんどいところで仕掛けてくれてたし、僕ら兄弟のどっちかが優勝しないといけない展開だったので、絶対に(優勝は)渡さないっていう気持ちでした。最終4コーナー回ってからの声援が本当にすごくて、これだけ無我夢中になったのは、ここで開催されて優勝した共同通信社杯(07年)以来でしたね。去年というか、とくにその後半は自分の中で勝利の女神に見放されたんじゃないかっていうくらいの展開の悪さだったんですけど、今思い直してみると、取らないといけないレースでしっかり取れていなかったからそういう流れになっていたんだと思うんです。だから、今年は自分の中で『信念を持ってレースする』というのをテーマにしているので、競りたい時には競るし、捲りたい時には捲りにいくという感じで1年間頑張っていきたいですね」

 59周年以来となる地元記念優勝を逃した村上義弘だが感慨深けな表情を見せた。
「前を任せた後輩が自分たちと同じくらいの責任感を持って、向日町を盛り上げていかないといけないと思ってくれてたことが嬉しいですね。今日は自分も緊張していたし、そのせいもあって苦しかったですね。でも、最高のレースを見せられたと思うし、その結果地元選手優勝の流れを切らさなかったということが嬉しいですね」

 村上兄弟を追走して3着入線となった柴崎淳
「展開としては理想通りでしたね。ただ、僕も付いていて一杯でしたよ(苦笑)。それでも、今までの自分だったら、あの展開になっても離れていてしまっていたと思うので、調子は確実に上向いているんだと思います。だからこそ今日だって3着に入れたんだと思いますしね。そういう意味ではダービーや今年のGI戦線に向けて楽しみが持てる開催だったんじゃないかなという感じですね」

6番手からの捲り不発となってしまった北津留翼は4着。
「柴崎君が先に抑えにいったので、僕も突っ張ろうかどうしようか迷ったんですけど、結局断念してしまって。このフレームは捲りに回った時にあんまり伸びない感じがあるので、先行することも少しは考えていたんですけど、ちょっと積極性が足りなかったですね」

 8番手から捲り追い込んだ海老根恵太だが5着まで。
「今日は組み立てに失敗しましたね。翼がもう少し地元勢に対して抵抗するのかなと思っていたんですけど、結局すんなりの展開になってしまって、その結果が8番手ですからね。人任せにしたのがよくなかったです。ただ、新年最初の開催で記念決勝に乗れたことに関しては良かったと思うし、感触的にも悪くはなかったので、また今年1年頑張りたいですね」

 6着は北津留マークの小川圭二が入線。
「僕は北津留君に任せた結果だから、仕方ないでしょう。これを次に繋げていける様にまた練習してきます」

 柴崎に任せていた星島太は7着という結果に。
「僕らのラインとしてみれば作戦通りのレースでしたよ。藤木が絶対にフカすだろうから、柴崎は1回切って、藤木が来るのを待つっていう感じだったからね。それで3番手が取れたし、柴崎は3着だった訳だから、7着になってしまったのは僕の脚が足りなかっただけです」

 海老根と共倒れに終わってしまい8着に敗れた中村淳
「俺は海老根君に任せた結果だから、こればっかりはね。展開的に誰かが抵抗してゴチャつくのかと思ったんだけど、そうならなかったからね。ああもすんなり地元勢に先行されちゃうとさすがに厳しいというか。まあ、競輪だからこういうこともありますよ。とりあえず、自分としては記念決勝に乗れたということで、これをいいきっかけにできる様に頑張っていきたいと思います」

 村上兄弟の先導役として大役を果たした藤木裕は9着。
「今日はバンクが重くて掛かりが悪かったですね。僕にとってこの地元記念の決勝で走ることが夢だったので、それが叶って嬉しいです。そして、任せてくれた2人がワンツーを決めてくれたので、最高です。今日のレースは自分にとって本当に大きな財産になったし、いい経験をさせてもらったと思っているので、これを今後のレースに生かしていける様に頑張ります!」


ゴール
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