『向日町競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:9月26日
 京都向日町競輪場で開設62周年記念「平安賞(G3)」が明日の27日から、熱戦の火ぶたを切って落とす。同記念5連覇がかかる地元の京都勢は、義弘、博幸の村上兄弟をはじめとして、稲垣裕之、藤木裕ら、そうそうたるメンバーがそろった。SS班では村上義弘のほかにも長塚智広、山口幸二が参戦し、1月に続く今年2度目となる当所記念も白熱したバトルが4日間繰り広げられることは間違いない。前検日の26日は秋晴れの下、選手各々がシリーズに備えバンクで汗を流した。
 本場では毎朝、京都支部の選手がお客様をお出迎えします。また、開催中の毎日、先着1000名様にハンドタオルを配布するなど、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、向日町競輪場へ足をお運びください。
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成清貴之選手
成清貴之選手
 前期はA級に甘んじた成清貴之(写真)だが、カムバックした今期は堂々たる戦績。前々回の千葉では有言実行の3連勝の完全Vを成し遂げ、今シリーズも注目度は高い。記念オープニングのメンバーを笑顔で眺め、自信をのぞかせる。
 「前回の松阪でもこのギア(4.17)で競れることがわかった。A級に下がったのがよかったのかもしれない、いい経験になった。体調は万全だし、優勝するデキにある。吉川(誠)君とは、吉川君が行ってくれた時はいい。相性は良かったり、悪かったりですね」

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 追加配分の相川永伍だが、コンディション的には不安はなさそう。初日予選もいつものスタイルに迷いがなく、積極的な走りを約束する。
 「追加は前回の競走が終わってからですね。それからは休んで、練習をしてって感じで。練習でもそんなに感じが悪くなかったし、後は疲れを抜くだけ。いつも通り先行でやりたい。脚の方は全然問題ない。前回でも初日、最終日と連に絡んでいるんで」

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 佐々木雄一は前回の函館を116着。初日、準決と連勝で決勝にコマを進め上昇ムード。
 「4、5日前に来た追加だったけど、別に問題はないですよ。ずっと体調はいいんで、今回もそれと変わらずです。後は展開次第。オギ(荻原尚人)に頑張ってもらう」
 佐々木とタッグを組む荻原尚人も前回は名古屋で737着での優出。指定練習から引き揚げて来ると、例によって淡々と口を開く。
 「前回はあんまり感じがよくなかった。それで決勝に乗れたのはたまたま。あんまり体調が良くなかったですね。それから練習はしてたんで、前回よりはいいでしょう」

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東矢昇太選手
東矢昇太選手
 東矢昇太(写真)は初日予選でライバルとなる上野真吾、後藤彰仁の機動タイプを分析。来月の地元、熊本記念を見据えて、パワーアップに余念がない。
 「ここへ向けてとかはとくにないけど。(前回から)間隔が空いたんで、課題点を探りながら練習をやってきました。(レースで)やることは変わらないし、上野君とは8月の平塚で当たっている。後藤さんとはA級時代に何度もやっているし、後藤さんがどういうレースをするのかわかっている。それに後藤さんには分がいいんで。地元の熊本記念につながるように頑張っていきたい」

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屋良朝春選手
屋良朝春選手
 前々回の青森では3連勝の完全Vで待望のS級初優勝を飾った屋良朝春(写真)。4.25の大ギアで躍進のキッカケをつかんだ。
 「優勝はマグレですよ。それも3連勝なんて奇跡ですね(笑)。初日のギアは4.25でいくつもりです。自分としては4.42まで上げても大丈夫だと思う。ギアを掛けても苦にならないってことがわかったんで。それで(競走でも)余裕が出てきた。落ち着いて周りを見られるようになりました」

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 父(加乃敏)の影響で幼い頃から、愛着をもっていた地元バンク。窓場千加頼が夢のひのき舞台に目を輝かせる。
 「小さいころから(地元の選手が)平安賞にかける姿を見てきて。自分もようやくここまで来たんだって思いました。前回の記念ではお客さんのお出迎えをやって、“お前がいるのはここじゃなくてバンクだろ”って言われたんで、この記念を走れるってことは本当にうれしいです。前回は新しいギア比(3.85)で3日間走って、感触もよかった。4日間でも全然、踏み切れると思います。目標は一番は優勝ですけど。まずは自分の役割をしっかり果たすこと。ラインを考えた走りをすることが課題なんで」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 今期S級へとステージを上げた原田研太朗(写真)は、前回の奈良で初優勝。四国のホープが7月の地元記念以来、2度目のG戦線へ挑む。
 「優勝はできると思わなかった。まだまだ実感はないけど、自信にはなったと思う。ただ、初日は5着ですからね、いつもの予選だったら準決に行けてなかった。いろいろ勉強をしないといけないですね。練習はいつもと変わらずやってきました。(米澤大輔とは)連係するのは初めてですけど、アマチュアの時から面倒をみてもらっているので。ワンツーしたいです」

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 6月宇都宮での落車から復帰後、勝ち星から見放されている金成和幸。しかしながら、不振脱出へ前向きな姿勢を崩さない。
 「流れがよくないっていうのもありますよね。練習はやっているんです。落車した時は全然踏めてなかったけど。最近はようやくフォームが固まってきた。だいぶ脚は戻ってきました。後はキッカケがあれば。プラス思考でやります」

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海老根恵太選手
海老根恵太選手
 稲垣裕之は8月のサマーナイト最終日での落車が少なからず影響している様子。オールスター(AS)での反省を踏まえて、地元記念に気合を入れる。
 「落車がちょっと響きましたね。練習でも(感覚が)戻りづらくなって。ちょっとの違和感がレースで出た感じです。G1となるとみんな調整してくるし、その部分が出てしまいました。ASが終わってからは、ASの前以上に体のケアをした。だいぶいい状態で臨めると思います。ASでは悪い中でもカバーできる競走があったんじゃないかと…。不安要素が(レースに)出てしまいました」
 海老根恵太(写真)は寛仁親王牌7495着と振るわず。検車場でも曇った顔で自転車を組み立てる。
 「ASが終わってからは、北海道じゃなくて千葉でやってきました。(調子は)そんなに変わりがないですけど、やっぱり着が良くないんで。最近は車券に貢献できてないんで、車券に貢献できるように頑張りたい」

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野田源一選手
野田源一選手
 ホームバンクでの記念3連続Vがかかる村上博幸の今シリーズ。プレッシャーに押し潰されることなく、闘志を内に秘め自然体で臨む。
 「(地元は)やっぱり違いますね。それでも年々成長していると思うし、うまくコントロールしている。ここまでしっかりメニュー通りこなせた。不安はないし、いい状態で臨めたっていうのは間違いない」
 九州の2人は別線を選択。連続落車に見舞われている野田源一(写真)だが、手応えは悪くなさそう。
 「最近は流れがいいと思っていたら。川崎、前橋(AS)で落車してしまった。それでどうかなって思ったけど、直前の感じではそれなりにスピードが出てたと思う。(自分の)持ち味を出したいんで荒井さんとは別で」
 東口善朋はASが終わって、リセットを強調する。
 「あんまり疲れてはなかったし、次の日からすぐに乗ったけど。もう一回気持ちの面を切り替えて。練習の感じも悪くないし。初日は3着までに入りたい。地元の京都勢の流れに便乗したいです」

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村上義弘選手
村上義弘選手
 押しも押されもしない地元の看板選手、村上義弘(写真)はAS決勝で落車の憂き目。地元記念への出場の決断を、こう吐露する。
 「走る以上は不様なレースにはならないように。藤木には落ち着いて駆けてもらいたい。(ASが終わって)ここのために気持ちを切らさないように、動かせるところは毎日動かしてました。本格的なトレーニングをしたのは2日間くらい。それでもその前からやっていたこともあるんで。ちゃんと出場を決めたのは昨日の午前中です。(出場には)いろんな思いがある。いろんな人に期待されているし。今後のことを考えて体のケアをってこともある。当然、賞金ランクのことも。それでも一番は、たとえどんな形であっても走るべきかと。AS(決勝)ではゴールをしてないし、そういうモヤモヤした気持ちもあった。ゴールまで力を出し切りたいっていうのがあった。……、難しいですね」
 村上に前を任された藤木裕は、平常心をアピールする。
 「ASはG1だし仕上げていって、結果が残せなかった。それは言い訳できない。それからはちょっと疲れを抜いて、いつも通り練習をした。今回は自分がいい成績を残せるように。(村上が)付いたからって、いつまでも行っていても成長がないんで。それでも失敗だけはしないように」
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