『向日町競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:9月27日
 古都、京都の向日町競輪場を舞台に開設62周年記念「平安賞(G3)」が、27日に幕を開けた。1次予選は波乱の連続で好配当が続出したが、メーンの特選3個レースは比較的順当に決着。地元勢は9レースで稲垣裕之がまくりを決め好スタートを切ると、10レースの村上博幸、11レースの村上義弘が勝ち上がり、2日目の「朱雀賞」へとコマを進めた。
 本場では毎朝、京都支部の選手がお客様をお出迎えします。また、開催中の毎日、先着1000名様にハンドタオルを配布。2日目は「サニサイ」ライブ、「かみじょうたけし」お笑いライブなど、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、向日町競輪場へ足をお運びください。
<1R>
 吉川誠が緩めたところを竹澤浩司が、すかさず叩いて主導権。番手の鳥越靖弘に絶好の展開が訪れたが、後方からまくり追い込んだ高田大輔が豪快に外を突き抜けた。
「前が(ゴチャゴチャして)危ないと思って、ダメもとで行きました。コーナーに入っても回している感じだった。最後はよく届きましたね。今期は初勝利。前期も1勝しかできなかったし、今日は恵まれました」

<2R>
 オープニングの高田に続き2レースでも、柳谷崇が久々の白星を飾った。中近ラインから打鐘で4番手にスイッチすると、山口泰生と再度ドッキング。山口のまくりを楽に追い込んだ。
「(前が)合わせて出ると思ったんで、それでちょうど踏んだ時に惰性で4番手に行ってしまった。そしたら(山口)泰生が入ってくれて、まくって行ってくれたんでよかったです。1着は半年ぶりくらいですね。4コーナーをハコで回ってきたのは今年初めてじゃないですか(笑)」

<3R>
佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 赤板過ぎに機動型3車が密集して、最内の荻原尚人がバランスを崩す。一瞬、冷やりとしたが中団を確保すると、馬場和広と鈴光洋彦の踏み合いを誘ってまくった。
「あれで転んじゃね」と、振り返った荻原は、直線で後続に差し込まれて4着。
 番手の佐々木雄一(写真)はギリギリまで踏み出しを待ったが、直線で踏み出すと瞬時に抜け出し楽勝。
「あれで俺が(後ろに)食われたら意味ないし、(1着で)よかった。あれでオギ(荻原)も5着まで落ちることはないだろうし。自分も踏んだ時の(自転車の)出もよかったし、脚の感じもいいですよ」
 佐々木マークから流れ込んだ丸山啓一は、切り替える吉永和生をいなして2着をキープ。
「最終バックで絶対に俺のところに(吉永が)来ると思ってたら、案の定でした。今日は選んだラインに間違いはなかった。バックを踏んだりしているし、最後は脚がいっぱいだった」

<4R>
笠松信幸選手
笠松信幸選手
 打鐘から上野真吾と東矢昇太で踏み合い。中部勢に流れは向いたが、最終ホームから仕掛けた後藤彰仁は出切れず不発。笠松信幸(写真)は3コーナーから自ら踏み上げ、逃げる東矢をとらえた。
「(後藤は)ホームから慌てて踏んでいるような気がしたけど、前々に攻めてくれたんで助かった。出切れなくてもバック過ぎまでは付いて行こうって思っていた。久しぶりに余裕がありました」

<5R>
 屋良朝春を赤板過ぎで押さえて出た小松崎大地は、落ち着いてペースを掌握。最後までスタミナを持続させ、屋良を不発に追いやっての逃げ切りで1次予選をクリア。
「(屋良を押さえて)斬るところが課題なんで。そこだけは意識して出ました。結果としてはあんまりうまくなかったけど、出てからは落ち着いてできました。腹をくくって全開で行って、(別線に)やられたら仕方がないし。自分のできることをしっかりやろうと思った」

<6R>
小林則之選手
小林則之選手
 地元勢に人気が集中するなか、小林則之(写真)が打鐘先行に打って出て、強引に主導権を奪取。末脚もたしかで、手際よくそのまま押し切った。
「ここまでの競走を見ていたら、先行向きの風に変わったのでね、思い切りよく駆けました。これが(窓場との)15歳の差ですね(笑)。高橋(雅之)は仕事をいっぱいしてくれるし、付けてくれると駆けやすい」
 高橋雅之は直線で猛然と詰め寄ったが、その差は縮まることはなかった。
「抜きにいったんですけどね、なんかフワフワしてしまって、抜き損じてしまった。修正の範囲内なので、2次予選までには何とかしたい」
 窓場千加頼はレース後の表情が何よりも険しく、とても近寄り難い感じだったが、しばらく経過し、改めてレースを振り返る。
「初日は緊張もしていたし、頭の中が真っ白になってしまった。少しでもスキがあったら逃がしてもらえないのも分かっていたのに…。最終日までに自分らしい競走で巻き返すしかないですね」

<7R>
 打鐘で原田研太朗に叩かれた松田優一は番手で苦肉のイン粘り。隊列が短くなった前団を目がけて西徹が、7番手からまくって1着をもぎ取った。
「ああいう展開にならなくても。どっちにしても早めに仕掛けるつもりではいた。最終ホームから行って、(前に)追いついた勢いで、そのまま行った。結果、ラインの3人で決まったし、上デキです」
 逃げた原田研太朗は5着で辛くも2次予選へ進んだ。
「いつも通り行った感じ。いつもの競走ができているし、脚の感じは悪くない。2日目の方が多分軽くなってくると思う」

<8R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 先手を奪った山田久徳後位がもつれ、石井秀治(写真)が最終ホームから踏み込むと番手にスッポリ。4コーナーまで脚を温存し、山田を早めに交わしての1着。
「前と(車間が)詰まったんで、全力で行ったら(番手が)空いていた。それで締め込みながら入りました。恵まれました。それでも自分で動いて展開をつくれているし、状態はいいと思います」

<9R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 阿竹智史の上昇に合わせて踏んだ稲垣裕之が、同期の海老根恵太を制して4番手をキープ。最終2コーナーから踏み出しまくりで逃げる阿竹を飲み込んだが、切り替えた岩津裕介にゴール寸前で追い込まれた。
「しんどかった。中団を取れているけど、脚を使っていた。(まくって行って)横に並んでからは、力みすぎてしまった。それで末の甘さを出してしまった感じです。ただ、この一走で前回までの不安の要素を払しょくした。徐々に体調もよくなっている」
「いいところで行ってくれました」と岩津裕介(写真)は積極的に踏んだ阿竹の労をねぎらい、こう続ける。
「(稲垣は)直線で来てたし、イエローラインを越えて当たらないと無理だったと思う。自分の仕上がりはいいと思うし。今日は自力の人たちがきつかった。自分はうまく脚を溜められた」

<10R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 単騎の野田源一がインを斬って出ると、藤田竜矢がその上を出てハイペースで飛ばす。番手の長塚智広は、野田のまくりをけん制してから抜群の伸び脚を披露した。
「今日は藤田君がうまく駆けてくれた。それで自分が伸びることができました。ラインのおかげです」と、淡々と振り返ったもの。
 一本棒の7番手に置かれた金子貴志(写真)だったが、最終2コーナーからまくりを打つと驚異の猛追で2着に入線。
「危なかったですね。早めに行こうって思ってたけど、藤田君がなかなか緩めなかったんで。荒井(崇博)君も車間を空けてたし、先に前に出たかった。疲れは多少あるけど大丈夫。自分が思ったよりはいいと思います」
 金子に流れ込んだ村上博幸が、胸をなで下ろす。
「厳しい展開だった。内に行くかも迷ったけど、ギアが掛かっているんで。その瞬時の判断がミスにつながるし。今日の展開では3着がいっぱいです」

<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
 打鐘から藤木裕がペースを握って出る。最終ホームから反撃を開始した神山拓弥は不発に終わったが、さらに中川誠一郎が世界基準のスピードでまくり上げる。番手の村上義弘は4コーナーで中川を弾いて、山田裕仁と人気のワンツー。
「どの位置を走っても、その展開の中で一生懸命やる。今日は自分の感じがどうとかではなく、藤木がいいレースをした。それで自分に展開が向いた。感じとしてはバラバラですけど、しっかり修正して、この4日間でやれることをやるだけです」
 山田裕仁(写真)は村上を信頼しきっていた様子でこう振り返る。
「(村上は)落車でどの程度かわからなかったけど。いつもの村上なら何とかしてくれると思っていた。僕は入られないように締めていたけど、だいぶ詰まってきたんで踏ませてもらった」
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