『向日町競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月29日
 古都、京都の向日町競輪場を舞台に行われている開設62周年記念「平安賞(G3)」は佳境の3日目を迎え、ファイナル進出をかけた準決で激しい火花を散らした。地元勢からは10レースで村上博幸、11レースで村上義弘が勝ち上がり、今シリーズ2度目となる兄弟タッグが実現。地元記念5連覇がかかる決勝で、村上兄弟の走りに注目が集まる。
 本場では京都支部の選手がお客様をお出迎えします。また、先着1000名様にハンドタオルを配布。最終日には「サニサイ」ライブ、「成田栞」ミニライブ、地元の白井美早子選手による「ガールズケイリン」PRなどの様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、向日町競輪場へ足をお運びください。
<9R>
金子貴志選手
金子貴志選手
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 チャレンジャーの原田研太朗が藤田竜矢を押さえて主導権を握って出るが、金子貴志(写真)が打鐘前から矢のようなダッシュで前団に襲い掛かる。山田裕仁は高速ダッシュに付け切れず、援護を失った金子だったが強靭な粘り腰で2着に粘り込んだ。
 「(仕掛けたのは)あのタイミングしかないってところでしたね。最初の踏み出しから、出切るまで結構踏んでいたんできつかった。それで(後ろが離れているのは)わからなかった。軽かったし、後はゴールまでもつように。きつかったけど、踏み直しもできたからよかった。(積極的に駆けたのが)うまくいい方向に行ってくれてよかった。ここに来るまでに(練習を)きつめにやっていたけど、思ったよりはいいし。日に日に軽くなっている。決勝ももっと軽くなっていればいいですね」
 金子の番手に収まった原田研太朗は、苦笑いで岩津裕介とレースを振り返る。
 「気持ちは(決勝に)乗っていました(笑)。気持ちの余裕はあったけど、脚はいっぱいでした。最終2コーナーからバックくらいで一回外に持ち出そうとしたけど、金子さんに踏み直された。いい経験になりました」
 岩津裕介(写真)は最終2センターで原田が外に自転車を持ち出すと、内に進路を取るが金子を交わせず3着まで。
 「えらかったですね。原田もヤル気だったし、金子さんもすごいし。(自分は)半周くらい長かった。ペースが速いし、後ろもしんどかった。原田の判断もよかった。あれでちゅうちょしていたら2人とも力を出せずに終わっていた。後は藤田さんと中川(誠一郎)さんがどの辺からまくってくるのかと。もう少し末脚が欲しいけど、道中に脚を使っていたし。ボチボチ。それでも十分に戦えるデキだと思う」
 まくった藤田のスピードが最終2センターで鈍ると、長塚智広は大外を自ら踏み上げて一気に突き抜けた。
 「届いちゃいました。まさか届くとは」と、例によって淡々と長塚が振り返る。

<10R>
村上博幸選手
村上博幸選手
野田源一選手
野田源一選手
 腹をくくった藤木裕が、打鐘からペースを上げて果敢に風を切る。番手の村上博幸(写真)は最終ホームで神山拓弥を大きく弾くと、今度は後閑信一を再三に渡ってブロック。最後は野田源一のまくり追い込みに屈して3着も、大立ち回りで地元ファンを沸かせた。
 「今日はあんだけ連発で来られたら…。藤木の気持ちも伝わってきたから、一緒に勝ち上がりたかった。それが本心ですけど。まずは決勝に乗れたんで。緊張とかもないし、ここまでいい状態で入れた。悪くはないです」
 地元記念3連覇に向けてファイナルへ進出した、村上に気負いはない。
 関東勢と地元勢の壮絶なバトルをギリギリまで見極めた野田源一(写真)が、最終3コーナーからのまくりで前団を沈めた。
 「後閑さんもちょうど浮いていた感じだった。あれがまた降りて来たら、きつかったですね。なんのあおりもなくいいタイミングでいけた。今できることをした結果、1着が取れたっていう感じですかね。(2場所連続で)落車をしている割には踏めているし、そろそろと思っていたら記念の決勝に乗れた。記念の決勝はいつ以来かわからないくらい久しぶりです」
 単騎の野田に続いた荻原尚人が、村上をタイヤ差だけ凌いで2着。
 「どう仕掛けるかは神山君次第でした。神山君が突っ張られたんで、ああいう形になった。自分でも(まくって)行きたい気持ちがあったけど、野田さんを待ってしまった。そこは弱気でした」

<11R>
鳥越靖弘選手
鳥越靖弘選手
荒井崇博選手
荒井崇博選手
 山田久徳は赤板を通過すると、一心不乱に前に踏んで主導権を死守。後ろで車間を空けた稲垣裕之は、最終2コーナーの手前から番手発進。稲垣を追走した村上義弘が、満を持して直線で踏み出しシリーズ2勝目を挙げた。
 「(山田)久徳は緊張もあっただろうけど、その中で頑張ってしっかり力を出してくれた。気持ちが入っていたし、スピードもよかった。それで稲垣もしんどかったと思うし、僕もしんどかった。今の自分にできることは少ないかもしれないですけど、(決勝も)しっかり力を出して。この数年守ってきた(地元記念を)、自分たちが守れるように。僕は僕の今ある力を出し切るだけです」
 単騎の鳥越靖弘(写真)は阿竹智史―荒井崇博の後位から差し脚を伸ばして2着。
 「荒井君が外に踏んでくれたから、あのコースを踏んだけど。まさか2(着)までとは。流れだけ。まさか記念の決勝に乗れるとは」
 中団を奪取した阿竹に乗った荒井崇博(写真)は外を踏んで、薄氷を踏む思いの決勝進出。それだけに引き揚げて来ると、笑顔が絶えない。
 「久々に(記念の)決勝に乗った。633着で地味に上がりましたね(笑)。阿竹君が前で頑張ってくれたんで、あとは俺が外を踏むだけだった」
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