『向日町競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月24日
 向日町競輪開設63周年記念「平安賞」が9月21~24日の日程で開催された。機動型がそろい超細切れ戦となった決勝戦は最終ホームから内をすくって平原康多が先行。番手の木暮安由が浅井康太のまくりを好ブロックから逆転し、自身3度目となる記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲と同時に各車飛び出すなか、村上博幸がいち早く出てSを取った。初手の並びは浅井康太―村上、平原康多―木暮安由―浦川尊明、山崎芳仁、石井秀治―武井大介、松岡貴久の順で並んだ。
 動きがあったのは青板周回から。まずは石井が3角から上昇して平原の横で止まって蓋をする。その状態が続くと前の浅井が誘導との車間を空け、ペースを落として警戒する。石井は一旦内に斬り込む様子を見せたが、中団外に戻ったところで鐘が入る。2センターで浅井は腹をくくってペースを上げていくが、平原が石井に押し込まれた勢いで空いた内をすくっていき、ホーム線を取って先行態勢に入る。ここから一気にペースが上がる。平原が逃げるなか、ホームから石井が反撃に出るものの、3番手に入った浅井に止められ万事休す。浅井はそのまま2角からスパートするが、木暮の好ブロックに阻まれ2センターで力尽きた。後方からの反撃も山崎が伸びを欠き、前団で大勢は決した。平原が懸命に踏み直すなか、木暮がゴール寸前で捕えて優勝。浦川は一旦離れたものの、再度ドッキングに成功し、関東で表彰台を独占。村上はバックで下りてきた浦川が邪魔になり、踏みどころなく4着に終わる。


木暮安由選手
木暮安由選手
 直前のオールスターでも落車し、万全の状態ではないなかで今シリーズを迎えていた。「調子は悪いので我慢だと思って走った結果」。耐える木暮安由(写真)に勝利の女神は微笑んだ。赤板から平原康多が石井秀治にフタをされる。それでも平原は浅井康太が一瞬空けたインコースを逃さず最終ホームから主導権を握る。
 「平原さんがあの位置を取ってくれて、仕掛けてくれた。それが優勝につながったと思う。本調子じゃないけど、優勝できたのは平原さんのおかげ。自分ひとりじゃ獲れないので」
 3月ダービーの落車で鎖骨、横突起を骨折。師匠(須田知光)の「やることをやってるから、いずれ成果が出るぞ」という言葉を信じて我慢を続けてきた。木暮も「やっと成果が出ましたね」と笑顔を見せる。そして「優勝は気持ちいいですね」と続けた。
 次走は10月5日から開催される防府記念。「最近、1着が取れてないんで、1着が取れるように練習してきます」。最後まで笑顔を絶やさず締めくくった。

 逃げた平原康多はラインで確定板を独占した結果に満足げだ。
 「今日は先行の組み立てでした。まくられてないし、ワンツースリーですからね。最後は一杯。今日は力負けです」

 一度は前との連結が外れてしまった浦川尊明だが、上手くバック過ぎに追い上げ再度ドッキングすると3着入線。
 「迷子になっちゃったけど、あれで3着に入れば大きい。2車で先行させる訳にいかないし、(村上に)外で勝ったからね。6番(石井)がピラんだときに内に行けたのが大きかったです」

 3度目の地元記念優勝を狙った村上博幸だが、予想外の流れの連続で4着まで。
 「悔しいけどね。浅井の気持ちは伝わってきたし、嬉しかった。内から行かれてセオリーどおり(レースが)動かないと難しい。(オールスターから)強行日程のなかで体のバランスを整えられたし、後半戦もやっていけそうです」

 まくり不発の浅井康太は「(石井を)さばいて、そのまま行ったけど、止められなかったら行けてましたね。脚に余裕はあったし、あとは仕掛ける気持ち。しっかり練習してきます」とレースを振り返った。


ゴール
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