『向日町競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月2日
 向日町競輪開設64周年記念「平安賞」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。シリーズ3連勝で完全Vに王手をかけた深谷知広に、地元の村上義弘、稲垣裕之らベストナインが出そろった。明日の決勝戦で頂点を決める。また11Rには外国選手2人を迎えて、ワールドステージが一発勝負で争われる。
 最終日も場内ではいしきりん&バルーンパフォーマー、山口幸二氏の予想会、Purpure☆イベントなどイベントが盛りだくさん。ぜひ向日町競輪場でお楽しみください。
<10R>
石井秀治選手
石井秀治選手
松岡健介選手
松岡健介選手
 人気を集めた福島コンビは後方に置かれて不発。最終ホーム手前で松岡健介を叩いた石井秀治(写真)が会心の逃げ切りで決勝一番乗りを果たした。
 「このバンクは軽くて先行した方が有利ですからね。初手の並びが良かったし、考えていた通りの展開でうまく前に出れました。最後までしっかり踏み切れたと思います。脚は軽いんで状態はいい。明日も精いっぱい頑張ります」
 松岡健介(写真)が千葉コンビを受けて3番手をキープ。最終4コーナーから外を力強く踏み込んで石井に迫った。
 「あんまり早く斬ってしまうと、石井が来て、その上を(渡邉)一成がいってしまいますからね。あそこで叩いておけば3番手には入れますから。落ち着いて走れたと思います。3番手に入って2コーナーで躊躇なく仕掛けられれば良かったけど見てしまった。最後は阿竹(智史)君を警戒しながら踏んだけど伸びなかった」
 成清貴之は番手で献身的に石井を援護。3着で決勝に進出した。
 「昨日は展開が良かったけど、今日の石井は自ら展開を作りましたからね。昨日よりも今日の方が強かった。あのメンバーであそこから仕掛けて押し切るんだから、さすがドリームレーサーですよ。自分はきっちり2着を取らないといけなかったけど力不足です。でも、今日で石井の強さは分かりました」
 阿竹智史は4着で惜しくも決勝進出を逃した。
 「(決勝に)乗れる位置だったので悔しい。もうちょっとでしたけどね。気持ちはレースで出せたと思います」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
矢野昌彦選手
矢野昌彦選手
 深谷知広(写真)がシリーズ3連勝で完全優勝に王手をかけた。優秀戦に続き、次元の違うスピードで前団をひと飲み。後続をぶっ千切って圧勝した。
 「後ろが地元だったんで、しっかり主導権を取りたかったんですけどね。打鐘でいければ良かったけど、見られていたし、(ラインが)分解するかなって考えてしまって動けなかった。昨日よりも重たかったですね。疲れもあるんで、やれることをやって明日に備えます。決勝も力を出し切ります」
 深谷のまくりに地元の村上博幸は離れてしまった。まくられた矢野昌彦(写真)が最後までしぶとく踏み続けて2着に踏ん張った。
 「自分のやれることをやろうと思って走りました。山下(渡)さんの援護があって何とか残れました。でも、深谷君の後ろが付いてきてたら終わってましたね。諦めないでゴールまで踏めました。脚は軽かったし、決勝も頑張ります」
 山下渡は小松崎のまくりを好ブロック。矢野に続いて3着に入った。
 「前と後ろのおかげです。矢野さんはかかっていたし、強かったです。小松崎さんのまくりはしっかり止められたけど、深谷君はどうしようもなかった。深谷君じゃなければ3人で決まってましたね。明日も矢野さんの番手でしっかり仕事をします」

<12R>
井上昌己選手
井上昌己選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 打鐘前に先行態勢に入った稲垣裕之に天田裕輝がカマシで襲いかかる。もつれた前団を井上昌己(写真)がひとまくり。地元コンビを直線で捕らえて、1着をさらった。
 「若い選手(天田)が近畿とやり合ってくれたので、自分に出番がありました。感触は悪くなかったです。決勝は深谷君の番手が空いているみたいなので、付かせてもらいます。2日目の優秀戦のリベンジをしたいですね」
 稲垣の先行に乗った村上義弘は井上の強襲に屈して惜しくも2着。
 「自分が思っていた以上にレース勘のズレがありますね。あの展開で1着を取らないといけない。最後は何とか稲垣と一緒に上がりたかったし、稲垣が3着に残れて良かった。日に日に向日町競輪場が盛り上がってきているのが分かるし、決勝も精いっぱい頑張ります」
 稲垣裕之(写真)は打鐘前から先行。天田裕輝を突っ張り切り、3着に粘り込んだ。
 「初日、2日目を経験して、今日はさらに落ち着いて走れたと思います。日に日に良くなっている感じがします。休む前から長い距離をもがくことに不安はないし、力は出し切れました。最後は(渡部)哲男にいかれたと思ったけど何とか残れて良かった。決勝は松岡君の番手で頑張ります」
 稲垣に叩かれた東龍之介は地元コンビの後ろで粘って3番手を奪ったが、5着に終わった。
 「全部の詰めが甘いですね。隙があって叩かれてしまったし、粘るなら番手にいくべきだった。3番手を取っても仕掛けられなかった。全てにおいてまだ力が足りない。いい勉強になりました」

<最終日11R ワールドステージ>
パーキンス選手
パーキンス選手
 最終日の11Rはワールドステージが一発勝負で争われる。世界のトップ選手2人と日本人選手が激突する。人気を集めるのは外国勢だろう。パーキンス(写真)は5回目の来日で日本のファンにもその強さは知れ渡っている。今年も5場所走って完全優勝2回、準V2回と文句の付けようがない成績。ここもワールドクラスの脚力を見せつける。
 「先週末にスコットランドのコモンウェルスゲームズという大会に参加してスプリントで3位でした。木曜日の夜に帰ってきて、少し時差ぼけはあるけど、明日までにはしっかり準備します。3週間前に背中を怪我したんですが、それもほぼ治ってコンディションはいいです。明日はボティシャーの後ろで頑張ります」
 ボティシャーは13年世界選手権スプリントの覇者。初来日だが、6場所で優勝4回、準V1回と日本の競輪に順応している。
 「一番最初のレースは決勝で7位でしたが、そのあとは1位、2位が取れているので、日本でいいスタートが切れたと思います。日本の競輪と国際ケイリンはたくさん違うところがあるけど、だいぶ慣れてきました。前回の岸和田(決勝)はぺルビスの2位で残念でしたけど、今回はコンディションもいいので楽しみにしています。先行、まくりで頑張ります」
 迎え撃つ日本勢も黙ってはいない。中川誠一郎は寬仁親王牌でG1初優出。充実一途の近況だ。
 「(G1決勝は)やっと乗れました。終わってから練習はやってきたし、体調は問題ない。仕上がっていると思います。7月に競技の大会でボティシャーにはスプリントで勝っている。でも彼の強さは半端じゃないですね。いつも通り自力で力を出し切ります」
 稲毛健太は7月小倉でパーキンスを破って優勝している。
 「あのときは外人をそこまで意識せずに、自分のタイミングで仕掛けたら結果が出た。今回もいつも通り積極的に前に出たいですね。練習はしっかりやってきたし、状態はいいと思います」


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