『向日町競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月3日
 向日町競輪開設65周年記念「平安賞」は佳境の3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。大会連覇を狙う村上義弘に、新田祐大、岩津裕介、稲垣裕之らベストナインが出そろった。明日の決勝戦でいよいよシリーズの頂点が決まる。また11レースにはケイリンエボリューションが一発勝負で争われる。こちらも注目だ。
 最終日はオートレーサー・森且行選手のトークショーをはじめ、ガールズの青木志都加選手のトークショー、手裏剣戦隊ニンニンジャーショー、スピーチーズライブなど場内イベントは満載。ぜひ向日町競輪場でお楽しみください。
<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 新田祐大(写真)が圧巻の走りを披露。郡司浩平の上昇を許さずに、赤板から突っ張ってレースを支配。そのまま強じんな粘りを発揮して、断然の人気に応えた。
 「流れの中でタイミングを見ながら踏んで、引くに引けなかったですね。苦しさはあったけど、どういう風に組み立てるか考えていた中のセオリーの1つでした。コンディションは悪くないし、それがいい形で結果につながっています。今日は後ろも強いし、自分らしいレースはできました。見てるお客さんが喜んでもらえるレースをして、それが結果につながるのが一番ですからね。決勝も気持ちで負けないように走ります」
 新田と即席でラインを組んだ岩津裕介(写真)が2着に続いた。
 「新田君がいいレースをしてくれました。赤板前から後ろを警戒していたので、突っ張る雰囲気はあった。ラインで決める駆け方をしてくれたのがうれしかったですね。郡司君も想像以上に粘っていたので、僕も少し脚を使いました。普通ならまくられる展開だし、新田君が強かった」
 最終ホーム過ぎに3番手に切り替えた勝瀬卓也がそのまま3着に流れ込んだ。
 「あそこで突っ張るのは予想外。新田が強かったですね。(郡司を)1回入れようと思って待ったけど、そのままバックまでいってしまって…。自分だけ乗ってしまって申しわけないです」
 郡司浩平は新田に突っ張られて万事休す。外併走で踏ん張ったが、最後は力尽きた。
 「(新田に)もてあそばれました。ダッシュがあるからあのレースができる。あそこで突っ張られて引いても苦しいですからね」

<11R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
小倉竜二選手
小倉竜二選手
 目標の横山尚則は不発に終わってしまったが、最終バック過ぎに自ら踏み込んだ芦澤大輔が混戦を断った。4車で結束した東日本ラインと地元勢との激突に注目が集まったが、両ラインがにらみ合う中、風を切ったのは吉田敏洋。後ろ攻めとなった川村晃司は中団にいた横山に執拗にけん制されて踏み込めず、横山は横山で後ろを気にし過ぎて失敗。前受けの吉田敏が腹をくくる展開となった。
 「横山君はチャレンジャーとしてもう少しでしたね」と話すのは芦澤大輔(写真)
 「あそこからまくり切れれば良いけど甘いですよね。後ろに先輩もいましたし。せっかくのラインを生かせなかった。勝ってナンボの世界だけど勝ち方もあるから。自分自身の体調とかは2日目よりも良くなっているけど、横山君だけじゃなくて自分もしっかり反省したい」
 2着は吉田健市。吉田敏が男気あふれる突進戦を披露。番手有利に追い込んで記念初優出を決めた。
 「本当にうれしいですね。頼りない俺なんかを連れて、しかもラインも2車。でもその気持ちがあるから上で勝ち負けできるんでしょうね。本当にすごいとしかいえない。吉田敏君のおかげで初めて決勝に乗れたし、言うことないですね」
 3着には不発となってしまった地元コンビから切り替えて内を突っ込んだ小倉竜二(写真)が入線。
 「(川村が)踏み込んだ瞬間に行けないと思いました。だから空いているところを探して入ろうと。判断が難しかったけど、村上(博幸)君を入れていたら自分は届かないと思って。少しシビアだったけどそのまま前に踏みました」
 打鐘から仕掛けた川村晃司は吉田敏を叩けずに大敗を喫した。
 「もっと長い距離を踏む自信があれば違ったんでしょうけど…。いいときならずっと併走でへばりついていけるのにダメでした。あんまり良くないですね」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 最終レースは地元コンビがきっちり締めた。打鐘前に飯野祐太が斬った上を稲垣裕之が叩いて先行。番手の村上義弘(写真)は大きく車間を空けて稲垣をガード。最後はきっちり差してファンの圧倒的な支持に応えた。
 「距離は長かったけど、稲垣が思い切って行ってくれました。決勝はとにかく新田(祐大)が強いし、また新田に挑戦するチャンスを与えてもらったので、しっかり頑張りたいですね」
 稲垣裕之(写真)は長い距離を最後まで力強く踏み切った。
 「絶対に決めないといけない。その思いだけでしたね。初手は取れた位置から。あとは周りの動きにうまく対応しようと思ってました。村上さんが車間を空けてくれるので、先行しやすいし、本当に心強かった。今日はフレームを換えたんですが、感触は良かったです。前回が短走路で今回と感覚が少し違うので、マッチしてなかった。決勝は自力でしっかり力を出し切ります」
 中団の4番手を確保した飯野祐太がまくり追い込みで3着に入った。
 「村上さんが車間を切って、詰まったところで反応できれば良かったんですけどね。村上さんに見られて、ピクリとも動けなかった。決勝は新田君の番手で。何回も付いているけど、離れてしまうことが多い。まずはしっかり付いていきたいですね」

<最終日・11R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 最終日の11レースはケイリンエボリューションが開催される。国際大会を規範とした競技規則で行われる一発勝負だ。中心はナショナルチームで力をつけている早坂秀悟(写真)だろう。前回の松戸オールスターは3連対と存在感を示した。磨きをかけたスピードで他を圧倒しよう。
 「地区プロを走ってから2日間しかなかったけど問題はないです。エボリューションは手探りの状態なので分からないですね。個人で走らないといけないし、ブロックもないですから。仕掛けるポイントはいつもより早いかもしれないし、遅くなるかもしれない。先行しないといけないわけじゃないですからね。しっかり力を出し切ります」
 三谷竜生(写真)は今期に入って落車、失格など流れは悪いが、強気に攻める気持ちは変わらない。
 「オールスターが終わってから違反訓練もあったんですが、このフレームでちょっと乗ってきました。カーボンフレームのほうが勝手に進んでくれるので好きなんですよ。エボリューションに関してはそんなに意識しないで、行けるところから仕掛けたい。展開でどうなるか分からないですけどね。後方にならないようにします」
 高原仁志は前回の地元小松島で今年初優勝。調子は確実に上向いている。
 「練習はいつもどおりやってきました。こっちのフレームでバイク誘導もしてきました。自力というわけでもないし、動く選手もたくさんいますからね。いい位置にいたい」
 原誠宏は新フレームを投入。準備万端で乗り込んできた。
 「今回はこのために新車のカーボンフレームを買いました。地区プロでも使えますからね。直前はこのフレームで乗ってセッティングも出しました。車は流れてくれる感じがありました。とにかく前々にいないと話にならない。早坂君の後ろにいれればいいですけどね。そこがダメなら流れ次第で自分で仕掛けていきたい」
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