『向日町国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月7日
 向日町競輪場を舞台に開催された「第2回国際自転車トラック競技支援競輪(G3)」が、2月7日に最終日を迎えた。決勝は、中団からまくった才迫開がG3を初優勝。昨年3月の名古屋以来、2度目のG3決勝で栄光を手にした。また、8レースに行われたガールズケイリン決勝は、児玉碧衣に叩かれた奥井迪が、まくり返して優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると澤田義和がS取りを制し、窓場千加頼を迎え入れる。以下隊列は村上直久―安部貴之、才迫開―星島太、西川親幸、稲毛健太―西岡正一で周回を重ねる。
 青板2コーナーから後ろ攻めの稲毛が上昇すると、才迫もこの動きに乗っていく。稲毛が窓場に蓋をしにいくと、窓場も合わせて動き4コーナーで誘導を切る。窓場は突っ張る素振りを見せるが、徐々に車を引く。入れ替わりが激しくなり、赤板過ぎに才迫が斬った上を、すぐさま村上が1センターで叩いて主導権。村上は近畿勢が後方で互いにけん制する中、打鐘4コーナーからスパート。8番手まで下げた窓場が最終ホームからアタックすると、4番手から才迫が合わせて先まくり。才迫は安部のけん制を乗り越え2センターで出切るが、星島は離れた。人気の稲毛も後方で不発に終わり、才迫はそのまま独走に持ち込みS級初優勝をG3で決めた。伏兵の一発に3連単は31万1600円の大波乱となった。


才迫開選手
才迫開選手
 「信じられないです」。才迫開(写真)はいつもの飄々とした姿とは裏腹に、G3を初制覇して喜びを爆発させた。
 「父(実)も、兄(勇馬)もG3は獲っていません。うれしいです。最近は初日が終わったら、記者に囲まれることもなくて。気持ち良いですね。でも、この一回で満足しないようにしないと」
 今シリーズはSS班が不在。さらに、優勝候補も次々と優出を逃す中、才迫は連日力強い走りでファイナルに駒を進めた。決勝は実力が拮抗して誰が勝ってもおかしくはないメンバー。才迫は「一発チャンスがあれば」との言葉通り、決勝では自ら動いて絶好の4番手を確保。最終1センターから勇気を持って仕掛けると、そのまま軽快なスピードで前団をひとまくり。最後は後続を2車身突き放して優勝を飾った。
 「打鐘からでは自分の距離じゃない。後ろは一回も見ていないし、(星島太が離れたのも)無我夢中でわからなかったです。あおりを受けてしんどかったですね」
 この優勝で競輪祭の特選スタートがほぼ確実。今後は、さらなるパワーアップを誓い練習に打ち込む。
 「(競輪祭は)せっかくのチャンスなので、良いところまで行けるように。もっと練習をきっちりやって頑張りたいと思います」

 西川親幸は村上直久ラインに続くと、バックから空いたインコースを突いて準V。
 「チャンスでしたけど、あそこからまくる勇気はなかったですね。でも、楽しかったです。これで競輪祭にも出れるので、うれしいですね」

 安部貴之は絶好の番手回りで3着。まくってきた才迫をけん制したときに、西川に内をすくわれてしまった。
 「村上さんが頑張ってくれたし、それに応えて(才迫を)しっかり止めてゴール前勝負がしたかったんですけどね。止め切れなかった。ライン2車だし、(西川に)内を行かれるのはしょうがないですね」

 人気の稲毛健太は後方で凡走した。
 「緩んだところで仕掛けようと思っていたんですけどね。ホームで少し詰まって行きたかったけど、それだと窓場(千加頼)を引き出す形になってしまいますから。窓場を気にして、見すぎてしまいました」

 地元の窓場千加頼は最終ホームから仕掛けるも不発。初のG3決勝はシンガリ負けに終わった。
 「本当は自分で動いてレースを作らないといけないんですけど、その為には見合った脚力を付けないといけない。悔しいですけど、これが今の実力ですね。でも、良い経験になりました」



ゴール
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