『被災地支援競輪向日町競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月30日
 京都向日町競輪場を舞台に開催されている平成28年熊本地震被災地支援・開設66周年記念「平安賞(G3)」は2日目を迎えた。優秀「朱雀賞」は吉澤純平と山本伸一で壮絶な主導権争いとなり、単騎の脇本雄太が鮮やかにまくって快勝した。明日は準決勝3個レースでファイナル進出をかけた戦いが繰り広げられる。
 明日3日目は加藤茶のお笑いステージが6R、9Rの発売中に予定されています。そのほかにもスピーチーズのライブ、山口幸二さんによる予想会など場内イベントは満載。ぜひ向日町競輪場でお楽しみください。
<6R>
小泉俊也選手
小泉俊也選手
 ここからが二次予選。打鐘で高橋和也が斬った上を高木翔が叩いて先行。そのまま軽快に飛ばしていく。まくってきた高橋に合わせて、小泉俊也(写真)が最終2センターから前に踏み込み、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「高木君の頑張りに尽きますね。恵まれました。高橋君がいいスピードで来たので、前に踏むしかなかったです。僕の中ではうまくいきましたけど、もう少し追い込みに慣れれば高木君を残せたかもしれませんね。1着が取れてよかったです」
 最終ホームで俊敏に追い上げた坂本亮馬が北日本コンビの後位に収まり、そのまま小泉を追って2着に流れ込んだ。
 「3番手を取れたのが大きかったですね。あのライン(北日本)が出たときは2段駆けがあるので、流すようならカマシ、それか追い上げの半々ぐらいで考えてました。3番手を取るまでに脚を使ったんできつかったですね」
 ホームで坂本との連結を外してしまった三宅達也だが、懸命のリカバリーでしぶとく3着に食い込んだ。
 「3着と4着では大違いなんでよかったです。追い込みとしてだいぶ落ち着いてきたし、リカバリーもできるようになってきました」

<7R>
清水裕友選手
清水裕友選手
 赤板の2コーナーで押さえて前に出た小原唯志を小嶋敬二が内から抜くが、これに気付いた小原が打鐘で叩いて出る。そこを今度は飯野祐太がタイミング良くカマして最終ホームから主導権。北日本勢を追って3番手をキープした清水裕友が最終2センターから外を踏み込むと、池田良も内を突いてくるが、絶好の番手を回った内藤宣彦がゴール前で伸び勝って僅差の争いを制した。
 「飯野君が良いところで仕掛けてくれた。できれば残したかったけど、清水君も強かった。内から池田君も来ていたので、締めなければいけないと思ったけど、清水君も来ていたので余裕はなかった。展開が向けば勝負はできる感じ」
 最終2センターで内を突いた池田良が直線で中を割って2着に突っ込んだ。
 「作戦は先行だったので想定外の展開になったが、清水君が落ち着いていましたね。(2センターで)清水君がダメかなと思って内を突かせてもらった。コースは見えている」
 清水裕友(写真)は北日本勢を追う形で3着に入り、記念初の準決に駒を進めた。
 「ホントは先行したかったけど、思ったより早くレースが動いてしまい…。それでも前々に攻めていこうという意識でいたので、飯野さんの仕掛けにうまく反応できたと思う。内藤さんにかなり警戒されていたけど、諦めずに最後まで踏んでよかった。明日はしっかり自分のレースをしたい」

<8R>
長島大介選手
長島大介選手
 赤板前から上昇した窓場千加頼に合わせて中団から長島大介(写真)も動く。窓場を出させて、すんなり中団をキープした長島が最終2コーナーからまくり一閃。関東ラインを上位独占に導いた。
 「いい位置が取れたし、余裕もありました。しっかり仕掛けることができました。踏んだ距離は初日より短かったけど、感じはよかったです。ラインで決まったのが一番ですね。明日は厳しいメンバーになると思うけど頑張ります」
 最終バック手前で3人が落車するアクシデントがあったが、懸命に長島を追った稲村成浩が2着をキープした。
 「長島君とは初連係だったけど強かったですね。組み立ては上手いし、スピードもよかったです。付いていくのは問題なかった。森川(大輔)が内に来て警戒しているときに長島君が仕掛けたので、ちょっと危なかったですね」

<9R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 打鐘前に先行態勢に入った高久保雄介を岩本俊介が強引に叩いて最終主導権。3番手で立て直した高久保がバックからまくると、石毛克幸がこれをけん制して止める。直線で粘る岩本をきっちり捕らえた石毛が久々の勝ち星を挙げたが、ゴール後に落車してしまった。
 「岩本君がレースを作ってくれたし、彼のおかげで余裕もあった。バックを絶好の展開で回ったのは久々。ただ、落車してしまうのは余計でしたね。痛みはあるけど、走る分には大丈夫です」
 高久保との先行争いを制した岩本俊介(写真)が2着に逃げ粘った。
 「高久保君は強いし、紙一重の差だった。ただ、叩いて出切れているし、状態も大丈夫だと思う。G1で成績を落としていて調子も落としていたけど、これなら戦えそう。自分の思ったようなレースができているのは大きい」
 布居寛幸、石毛にブロックをもらった阿竹智史だが、それでも外を諦めずにまくり上げて3着に入った。
 「脚には余裕があったので、すんなり出れていればもっと楽にゴール前勝負できたと思う。反応が遅れているので布居さんにも良いブロックをもらってしまった。反応が良くない」

<10R>
根本哲吏選手
根本哲吏選手
 後攻めの嶋津拓弥が打鐘から飛び出して先行策。4番手のポジションを根本哲吏(写真)と相川永伍で取り合う。中団外併走となった根本だが、最終2コーナーからアタック。抜群のスピードでまくり切った。
 「今日はまくりですけど、外併走から行けてるし、1着を取れているんで悪くないですね。出ないかと思ったんですが、意外と車が出てくれました。前場所から新車で重い感じはしなかった。あとは押さえ先行したときにどうかですね」
 佐藤康紀が完璧マークで2着に流れ込み、人気の北日本コンビで連を独占した。
 「別線もみんな調子がよさそうだから、厳しいレースになると思ってました。根本君はああいう展開は得意ですからね。自分の方が見た目以上に付いていくのがきつくて、最後は差せなかった」
 北日本コンビを追う形で成松春樹が3着に入った。
 「記念の準決勝に行けたのは初めてですね。ここは相性がいいです。でも、今回はハナに立てていないので、そこは何とも言えないですけど、脚は軽いです」

<11R>
渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)が赤板過ぎから始動し、先行態勢を築く。ホームで山形一気は中団まで追い上げるもそこでいっぱい。小橋秀幸は被って仕掛けられず、内を突くので精いっぱい。結局、マイペースで駆けた渡邉が内藤秀久と白戸淳太郎を連れ込み、ラインで上位独占を決めた。
 「二次予選のメインで緊張はしたけど、自分のレースはできたと思う。今日はきつかったし、踏んだ時に重さがあった。この重さだと準決では相手も強くなるし、厳しいかも。体のケアをして修正したい」
 番手絶好展開の内藤秀久は前を交わせず2着。レース後は渡邉に称賛を贈った。
 「別線に狙われる位置だし、イン粘りされたら対処しようと考えていたけど、渡邉君が競らせないように駆けてくれた。強かったし、車間を空けたら踏み直しされてすごかった。ラインで決まったし、とにかく渡邉君が強かった」
 南関ラインの3番手を固めた白戸淳太郎が3着に流れ込んだ。
 「僕の位置が狙われなかったし、今日は恵まれた。内からも来ていたけど、最後は踏み込めたし、自分の感じも悪くない」

<12R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 メーンの優秀「朱雀賞」を制したのは脇本雄太(写真)だ。レースは赤板から吉澤純平と山本伸一で壮絶なもがき合いになる。前受けの吉澤が突っ張って主導権を握ったが、単騎の脇本が7番手からのロングまくりで襲いかかる。圧巻のスピードで前団を抜き去った脇本がそのまま後続の追撃を振り切った。
 「あんなもがき合いになって、どうしようかと思った。苦しかったです。体調も自転車も含めて、めちゃくちゃ重く感じました。僕の中ではまだまだ全然ダメですね」
 初手から脇本の後ろにいた山田英明がそのまま追走。ゴール前で迫ったが、捕らえられなかった。
 「この展開はある程度、予想してました。詰まったら自分で行こうと思ったけど、ワッキー(脇本)も行きますからね。番手のレースが少ないので、追走とかいろいろ勉強になりました。最後は抜きにいったんですが、ダメでした。あれを差せるぐらいになりたいですね」
 山崎芳仁も単騎の2人を追って3着に入った。
 「(吉澤が)前を取った時点で突っ張るかなって思ってました。打鐘で行こうか迷ったけど、まだ長いかなって。どうせワッキーが行くだろうし。最後は詰めていけてるし、新車の感じはいいですね」
 吉澤純平は同期の山本を相手に突っ張り先行で意地を見せた。
 「地元勢を行かせたら厳しいですからね。一気に来るようなら出させるしかなかったけど、踏んだり止めたりという感じだったので、突っ張れると思いました。でも、距離が長かったです。今日は疲れたので、しっかりケアして明日また頑張ります」
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