『向日町競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月1日

 向日町競輪場を舞台に開催されている開設67周年記念「平安賞(GIII)」は、9月1日に2日目が行われた。メーンの優秀「朱雀賞」では、稲垣裕之の番手から村上義弘が追い込んで地元ファンの声援に応えた。シリーズもいよいよ佳境、2日の3日目には、決勝進出をかけて準決の3個レースで火花が散らされる。
 本場では開催中の毎日、平安賞オリジナルクオカードが当たるラッキーカードを1000名様に配布します。近畿マイスター予想会(3日目は齊藤哲也氏)、選手会京都支部によるお出迎えなど、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、2日の3日目には「宇宙戦隊キュウレンジャー」のショー、「スピーチーズ」によるライブなども予定されています。ぜひ、向日町競輪場へ足をお運びください。

<6R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 前受けの清水裕友(写真)は窓場千加頼に押さえられると、3番手に引いて菅田壱道と併走で打鐘を迎える。そのまま窓場がペース上げて逃げる。最終2コーナーで菅田が外併走からまくりを打って、中井勇介も合わせて番手発進。両者の踏み合いを、清水は菅田後位の佐々木雄一を弾いて追い込む。後ろの2人を連れ込み中国ライン3車での上位独占で、清水が勝ち切った。
 「7番手まで引いて巻き返す自信がなかった。前受けだったらどこかで止まろうと。ズル引きはあんまり好きじゃないんで。腹をくくって結果オーライですね。(佐々木を弾いて)そこしかなかった。僕があんなことをするとは誰も思ってない。本当はああしたくはなかった。不甲斐ないんで、反省するところはしっかり反省したい」
 流れ込んだ三宅達也が、清水を労い目を細める。
 「恵まれました。(清水)裕友はさばけるから、引かない方がいいと思っていた。裕友がよく頑張ってくれた。どんな形であれ、ワンツースリーまで決まったんで最高の結果です。自分も初日より体が動いていたと思います」
 中国ライン3番手の古城英之は、三宅と逆のインコースを踏んで3着。
 「前2人がすごく頑張ってくれた。自分は黙って付いていただけです。もう運だけですね(笑)。脚の感じですか? そこも問題ないと思います」


<7R>

川村晃司選手
川村晃司選手
 小笹隼人が先行態勢を取るが、真船圭一郎がすかさず反撃に出て最終ホームで主導権を奪取する。小笹が叩かれると、川村晃司(写真)は神田龍に合わせて自力に転じてまくりを打つ。一次予選からの連勝で準決進出を決めた。
 「展開が早かったですね。小笹君が主導権を取りに行こうと頑張ってくれたので、僕にとってはいい展開になってくれました。真船君がもう少し早く叩いてくれていれば、小笹君を3番手に入れても良かった。でも、最終ホームを過ぎていたので、シビアに行かせてもらいました。バンクコンディションもあると思うけど、状態は重いですね」
 目標の神田が合わせられると柴崎俊光は、俊敏に川村後位にスイッチして流れ込んだ。
 「神田君には悪いことをしたけど、あれじゃ厳しいと思った。川村さんが行くのが見えたので、うまくスイッチできました。人の後ろだったけど、自分は重く感じました」
 大矢崇弘マークの山田義彦も、最終2コーナー手前で切り替えて川村、柴崎を追うも3着まで。
 「すごくキツかったです。自力選手はすごいですね。大矢君が進んでいなかったし、ホームでは入れてはダメだと思って自分で仕掛けていきました。自分が一番脚を使っていなかったので、欲を言えば前の2人を抜きたかった」


<8R>

石井秀治選手
石井秀治選手
 鈴木謙太郎、谷口遼平の順で切って、その上を打鐘前に押さえた石塚輪太郎が主導権を握る。5番手となった鈴木は2センターから踏み上げる。もつれた前団を石井秀治(写真)が豪快にまくって完勝。約4カ月ぶりの勝ち星を挙げた。
 「風が強かったので、うまく組み立てないとって思ってました。冷静にいけたし、いいスピードが出たと思います。最近は1着が取れてなかったけど、フォームをちょこちょこ変えたりして、ワンテンポ早く反応できるようになった。パワーアップできていると確信できました」
 和田健太郎がきっちり続いて2着。人気の千葉コンビで決まった。
 「展開は厳しかったけど、石井さんがちょっと抜けてましたね。強かったです。自分も付いていけてるので悪くないと思います」
 石塚の先行をフルに利してバック過ぎから前に踏んだ筒井裕哉が3着に入った。
 「(石塚)輪太郎のおかげです。自分はなにもしてないし、ただ付いていっただけ。ラスト200メートルしか踏んでないので」


<9R>

池田憲昭選手
池田憲昭選手
 酒井拳蔵を叩いた鈴木竜士が、打鐘の3コーナーから駆ける。太田竜馬も鈴木のペースを許さず早めの巻き返し。グングンと加速して前団に迫り、太田は最終2コーナー手前で鈴木をとらえる。高橋大作のけん制を乗り越えて、太田に続いた池田憲昭(写真)がゴール前できっちり追い込んだ。
 「(太田は)前より強くなっている感じがする。(太田の)緩急がすごい。想定内ではあったけど外々を回された。とりあえずクリアできたんで良かったですけど。自分はちょっとダッシュの時に、力んでいる感じがある。そこを修正していきたい」
 打鐘の3コーナーから踏み上げた太田竜馬は、ロングまくりで別線を沈めて2着。
 「すんなりポンポンと(順番が)来るかと…。もうちょっと(別線が)モガき合うかと思ってたら、モガき合わなかったんでキツかった。(新車と3.93のギアで)ペースに入れやすいし、ゴリゴリいけますね。ゴールまで踏めていると思います」
 前受けの竹山陵太は後方に置かれたが、一撃にかけてなんとか3着に届いた。
 「みんな脚を使うと思ったから、最後の1回にかけてた。デキすぎですね。前の方で結構、ヨコに動いていた。ちょっと前だったらビビッて外々を踏んでいた。でも、余裕があるから内々を行けた。感じはいいと思います」


<10R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 打鐘で主導権を握った中井俊亮に村上博幸(写真)が抜かりなく続くが、富弥昭は付け切れず佐藤一伸が3番手に飛び付く。最終ホーム手前から坂本健太郎が仕掛けると、逃げる中井も合わせてペースを上げる。3番手からまくった佐藤と坂本を村上が阻んで、番手からきっちり追い込んだ。
 「打鐘で佐藤君が後ろに入ったのはわかりました。感触は良かったし、脚はきれいに回せていたと思います。今回は向日町記念ということで、S班が2人いるし、気負いはない。でも、気合は入りますね。そういう意味ではいい精神状態で臨めていると思う。連日、(三谷)竜生といい、(中井)俊亮といい早めに仕掛けてくれているのでありがたいです」
 打鐘からの1周半をうまく駆けた中井俊亮が、近畿での上位独占をメイクして2着に粘った。
 「相手の動きを見ながら、落ち着いて駆けられました。残れたので状態的には悪くないです。自分は日に日に上がってくるタイプ。村上さんとワンツーが決まってよかったです」
 坂本に合わせて3番手からまくりを打った佐藤一伸は、村上に止められるもあきらめずに食い下がり3着。
 「いい位置が取れて良かったです。なんとか凌げました。前々に動けているし、体はいいと思う。(今開催の)直前に練習ができたことがいい方向に出たのかなと思います」


<11R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 後ろ攻めの山田庸平が早めに動いて中団の三谷竜生(写真)にフタをすると、その後ろから仕掛けた竹村勇祐が打鐘で先頭に立つ。7番手まで下げた三谷が最終ホーム前から巻き返すと、瞬く間に前団を抜き去る。バックではライン3車で出切って、近畿勢で上位独占の態勢。三谷がそのまま力強く押し切り、人気に応えた。
 「仕掛けるべきところでしっかり仕掛けようと思ってました。連日、しっかり仕掛けられていると思います。初日よりも感じもよかったです。準決につながるレースはできました」
 西岡正一がしぶとく2着に流れ込んだ。
 「三谷君が全部やってくれました。2コーナーからの踏み直しはすごかったです。もう必死でした。最後は差せる感じじゃなかったけど、感じはいいです」
 ライン3番手の鷲田佳史がきっちり3着に続き、近畿勢で確定板を独占した。
 「しっかり付いていけてよかったです。準決に乗れるのはうれしいですね。内容はともあれ、結果は出ている。6月に落車したんですが、体調も良くなって、セッティングもかみ合ってきました」


<12R>

村上義弘選手
村上義弘選手
 永澤剛が切りにかかるが、吉田敏洋が内から盛り返して突っ張り主導権。小倉竜二が連結を外して、番手には伊勢崎彰大が打鐘の3コーナーで入る。8番手に置かれた稲垣裕之だったが、外が空くとすかさず仕掛けて前団に襲い掛かる。逃げる吉田を最終1センター過ぎに稲垣がとらえて、村上義弘(写真)の追走。地元コンビの後ろに伊勢崎が切り替える。村上は伊勢崎の中割りを警戒しながら差し脚を伸ばし勝ち星をつかんだ。
 「(稲垣は)後方になりましたけど、しっかり仕掛けてくれた。3番手に伊勢崎君が入っているのがわかった。後方を気にしすぎて、内をすくわれないようにと。僕にとっては4日間とも勝負なんで、一戦、一戦をしっかり頑張りたい」
 伊勢崎マークの近藤隆司は、直線で外に持ち出し2着に強襲した。
 「村上さんが車間を空け始めたんで、3コーナーで詰まってきた。そこで勇気を振り絞って踏み込めればアタマまで届いたかもしれない。結局、ギリギリ届いてないですからね…。風が強かったですけど、自分は人の後ろだったから楽だったです」
 吉田の先行を抜群のスピードでとらえた稲垣裕之は、ゴール前でわずかに失速して3着。準決を見据えて気を引き締める。
 「周りの動きがあるなかで、しっかり力を出そうと思っていた。末が甘くなって、お客さんに迷惑を掛けてしまいました。吉田君も強い先行選手だから、自分が踏み込まないと勝負権がないんで。しっかり集中はできている。初日と2日目も修正はしているけど、まだですね。あと2日間、しっかり対応していきたい」
 地元コンビの中を突いた伊勢崎彰大は、伸び切れずに5着。
 「いい位置が取れたけど、吉田君も掛かっているところに稲垣さんが来た。あの上を来るんだから、一流どころは違いますね。稲垣さんが駆けているんで、(直線のコースは)中かと思ったんですけど…」