『和歌山競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月11日

 開設72周年和歌山記念「和歌山グランプリ」は1月11日にシリーズ3日目が行われた。注目の準決ではS級S班がそろって本領を発揮。松浦悠士、郡司浩平、古性優作が次々と1着をゲットし、郡司と連係した佐藤慎太郎も2着で順当に決勝へと駒を進めた。1月12日の最終日の最終12レースで決勝の号砲が鳴らされ、大会覇者が決定する。
 和歌山競輪場では、豪華解説陣によるスペシャル予想会が開かれるほか、最終日にはタカシェンカジャグリングショーが行なわれますが、引き続き新型コロナウイルス感染症感染拡大予防にご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビや、連日豪華ゲストを迎えて行われる「和歌山オレンジちゅーぶ」などのインターネット中継での観戦もお楽しみください。

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松浦悠士選手
松浦悠士選手

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 青板バックから早めに根田空史が動き出す。中団の南潤も合わせて動き出すが、根田は赤板のホーム線すれすれで誘導を交わして先頭へ。前受けの松浦悠士(写真)は、南には切らせずに中団を確保する。根田がペースを上げて先行し、前と車間を空けた松浦は南の仕掛けに合わせるように最終ホームから巻き返す。松浦は和田健太郎のブロックを乗り越え、今節初の1着で決勝へと駒を進めた。
 「昨日(2日目)の走りで南君はあまり積極的ではないのかなと思って、誘導を残せば欲が出て入るかなと思った。でも、根田さんを出させたので中団はしっかり取ろうと思った。あそこで誘導が残っていたら8番手でしたね。あの辺はうまくいったと思います。掛かりは悪くないかなと思ったけど、上りタイムが悪いので、バンクの重さもあるんだと思う。いつも気温とかコンディションでアップ方法を変えるんですけど、今日(3日目)はアップからバッチリ来た」
 松浦マークの岩津裕介(写真)は、和田が松浦を外に張ると、その内をすくって和田をさばき、再度松浦とドッキング。トリッキーな動きで2着に続いた。
 「赤板から松浦がいい動きでプレッシャーをかけて、楽に中団を取ってくれた。(近畿と南関の)どっちが駆けてもきついと思っていたけど、よくあの上をまくってくれましたね。(松浦は)自分のタイミングっていうよりはカマシに合わせて出ていく感じで、だいぶ無理した感じだったので自分も余裕はなかった。前回よりも感覚はいい。よかったころの体の張りが出ているし、手応えも感じています」
 椎木尾拓哉が後方から中を強引に突っ込み、和田と絡んで落車。3着には根田空史が逃げ粘った。
 「早めに動いて南君にフタをできればいいなと思っていたけど、警戒されたので何としても踏み勝たないとと思って早期追い抜きだけ気を付けて踏みました。あれだけの距離をいって残れているし、カマシだけじゃないと見せられている。自分の中ではかなりプラスですね」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 前受けの郡司浩平(写真)が島川将貴を突っ張る。すかさず吉田有希が叩いて、郡司は3番手を確保する。島川は永澤剛と絡み、押圧を受けて最終ホームで落車してしまう。最高の位置を取った郡司が2コーナーから鮮やかにまくって、今シリーズ3連勝で決勝進出を決めた。
 「(初手は)前は嫌だなって思ったんですけど、他の自力選手も若いですし受けて立つ立場かなって。前でもしっかり考えて、ただただ引くんじゃなくて流れに乗ってレース展開を持っていけるように。そこは僕の課題でもあるので。こういうレースで勝ちパターンも増えてくるんじゃないかなって思っています。寒いですけど体も動いてくれていますし、いい状態だと思います」
 郡司マークの佐藤慎太郎(写真)がしっかりと続き、S班ワンツーが決まった。
 「スタートでけん制が入りましたね。でも郡司君が強かったですね。あそこ(2コーナー)で仕掛けなくてもいい所だと思うんですけど、力の違いを見せるっていう今後の戦いに繋がる走りをしていますよね。トップスピードも高いですし、出切ってからも4コーナーでしっかりと踏み直していましたから。少し疲れがあるのでケアをして臨みたい」
 3着入線の永澤剛は押圧で失格。松本秀之介が3着に繰り上がった。
 「一回も切れず前に出れなかったので。島川さんが切った上を叩いて勝負できればよかったんですけど、想定外のことが多くて…。郡司さんが突っ張ったのも見てしまって。ジャン(打鐘)で行けなかったところがダメですね。体の感覚は悪くないんですけど、あとはアクションを起こせるかどうかだと思うので」

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古性優作選手
古性優作選手

神山拓弥選手
神山拓弥選手
 後ろ攻めの今岡徹二が切って、その上を長島大介が叩く。打鐘でカマシを狙った櫻井正孝だが、東口善朋のけん制を受けて不発。杉山悠也は切り替えて、内から古性優作(写真)に絡む。一車下げた古性は東口のアシストもあって6番手をキープ。最終2コーナーから仕掛けると、あっさりと前団をまくり切って、S班としての初勝利を上げた。
 「前受けはしたくなかったけど、スタートけん制が入ったので前を取るしかなかった。東口さんはプラスアルファで仕事をしていただける先輩。あの(打鐘の)北日本勢へのけん制がなければ、自分にとって悪い展開になっていました。連日苦しいかなって感じだったけど、今日(3日目)はちょっとマシだった。特に変えた点はないけど、アップを少し変えた。ローラーでしっかり乗りました。連日1番車にふさわしくないレースだった。松浦さんや郡司さんからはS班としての責任感を感じる。まだまだ1番車のユニフォームは似合っていないけど、これから似合うように頑張りたい」
 長島の先行に乗った神山拓弥(写真)が2着に入った。
 「北が絶対カマしてくると思っていたけど来なくて、(長島)大介が腹をくくって先行してくれた。悪天候で大介も自分もきつかったけど、頑張ってくれました。後ろに入った今岡君を見ながらだったけど、その外を古性が勢いよくいって、踏まないと自分の着はないと思って踏ませてもらった。同県の後輩に感謝したいです」
 東口善朋は、北日本勢をけん制し、小松崎大地を外からキメて古性を拾うなど献身的なサポートが光った。古性の踏み出しには口が空いたが、懸命に追いかけて3着をキープした。
 「(古性)優作に助けられているし、持ちつ持たれつのレースだった。外も内もやって脚を使っている分離れたけど、気持ちで走り切りました。ガムシャラに踏みました。決勝は今ある力で精一杯気持ちを入れて走りたい。今日(3日目)離れて迷惑を掛けた分、しっかり追走して一番高いところを目指します」