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『和歌山競輪開設59周年記念（GIII）レポート』　3日目編

配信日：1月10日

　和歌山競輪場開設59周年記念「和歌山グランプリ」は後半戦となる3日目に突入した。午後からは激しい風雨に、雪も舞う厳しいバンクコンディションの中、準決勝A、B、Cの計4個レースで決勝への切符をかけた激しいレースが繰り広げられた。武田豊樹や稲垣裕之、紫原政文らベストナインが決定。明日はいよいよ決勝戦が争われる。
　最終日の11日は先着2000名様にラッキーカード配布し、抽選で記念クオカードをプレゼント。好評の「新春わかちゃん祭り」も引き続き場内で開催中。井上茂徳氏と滝澤正光氏によるトークショーやジャグリングパフォーマンスなどイベントが盛りだくさん。皆様のご来場をお待ちしております。

＜８Ｒ＞

武田豊樹選手

　武田豊樹（写真）が1着権利を突破して決勝一番乗りを果たした。マイペースで先行した同期の森田達也を目標に、直線きっちり追い込み、今シリーズ初勝利を飾った。
　「同期の森田君がいいレースをしてくれました。今日は粘られたら、それも経験なので、しっかり番手を死守することを考えていました。最後はギリギリまで我慢してから踏みました。2日間、不甲斐ないレースをしてしまい、ファンに申し訳なく思っています。年齢からくる疲れ、そしてお正月に練習した疲れはあるけど、明日もしっかり頑張ります」
　武田の勝利に貢献した森田達也も納得の表情を見せる。
　「武田さんが後ろだからとかではなく、自分が残ると思ったところから仕掛けたんですが、やっぱり武田さんの脚は違いますね。結果的に松岡さんにもまくられたし、今日は力不足でした。でも、自分のレースはできたし、バックからも踏み直せているので、感じはいいです」
　松岡健介は好回転でまくるも、武田に合わされ2着まで。レース後は落胆の色を隠せない。
　「頑張っても報われませんね。打鐘の4コーナーで行こうと思ったけど、森田君もちょうど駆けそうな感じでしたから。1着権利なので、一発勝負に賭けました。いいスピードだったけど、武田さんに軽く合わされてしまった」

＜９Ｒ＞

稲垣裕之選手
紫原政文選手

　川村晃司が積極果敢に先行。稲垣裕之（写真）が巻き返してきた三宅達也に合わせて番手まくりを放って人気に応えた。
　「あんな重い中、川村さんに駆けてもらって本当に感謝しています。自分の力で勝つのももちろん嬉しいけど、駆けてもらって勝つのも本当に嬉しいです。みんなに盛り上げてもらい、力になる。正直、調子はあんまり良くないんですが、そんなことも言ってられませんからね。明日は力を出し切って優勝を狙います」
　紫原政文（写真）が三宅不発の展開を凌いで2着。SS班の意地を見せた。
　「前回、落車して不安もあったけど、最低ノルマの決勝に乗れて良かった。初日、2日目はダメだったけど、感触は悪くなかった。今日も松坂君がちょっと空いているのが分かって、上手く入り込めました。あの展開で稲垣君は抜けないでしょう。脚の状態は全く問題ないです」
　ホームで笠松信幸の内をすくって稲垣後位を奪った松坂英司だが、稲垣の番手まくりに少し離れてしまった。
　「今日は前々勝負で、流れで何でもしようと思っていました。バックがちょっときつかったですね。あそこで付いていければ、楽に決勝に乗れていたのに」
　まくり不発の三宅達也だが、気落ちはしていない。
　「来るのが遅ければ粘ることも考えていたんですけどね。稲垣が2コーナーから容赦なく番手まくりしたので厳しかった。でも、自分のタイミングで仕掛けてまくれなかったし、しょうがない。何とか我慢しようと思ったけど、稲垣も元気だったからね」

＜１０Ｒ＞

加倉正義選手

　先行した荻原尚人の番手から成田和也が抜け出すも、直線で斜行して齋藤登志信を落車させたため失格。成田との競り合いを避けて三番手から流れ込んだ加倉正義（写真）が1着に繰り上がった。
　「言ったことと違うレースをしてしまってファンに申し訳ないし、反省しています。今の自分の脚では外からじゃ勝てないと思い、内から行ったけど、締まってしまって…。三番手ですんなり登志信が下げたので、その位置に甘えてしまった。何か弱気だったし、本当に情けない」
　逃げた荻原尚人がしぶとく粘って記念初優出を果たした。
　「風が半端じゃなかった。この条件では前も後ろもきついですからね。今日は先行しやすい番組だった。市田さんのカマシが来るかなと思っていたけど、ギリギリ合わせられるように踏んでいた。4コーナーからタレたし、最後は一杯だった」
　齋藤登志信は落車して滑入。繰り上がりの3着で決勝に進出した。
　「ちょっと油断しましたね。加倉さんはもう1回、成田のところに行くと思っていました。落車のケガは大丈夫です。成田が失格したから喜べない。あいつの分も決勝は荻原と一緒に頑張る」

＜１１Ｒ＞

吉永和生選手
稲村成浩選手

　菅田壱道が後ろ攻めから押さえて先行。タイミング良く内をすくって明田春喜をさばいた吉永和生（写真）が直線追い込んで快勝した。
　「どっちか仕掛けた方の番手を考えていたし、思った通りのレースができた。作戦と読みがバッチリ当たりましたね。気持ちも入っていたし、慌てることなく、余裕を持って走れました。腐らず練習してきた成果が出ている。今年は記念を大切にしようと思っているし、一発目の記念で決勝に乗れて良かった」
　稲村成浩（写真）が中団確保から鋭いキメ脚を発揮して2着に食い込んだ。
　「武田さんが決勝に乗ったので、気合はかなり入っていました。外を踏みたかったけど、ずっと新田君がいたから仕掛けられなかった。あとは吉岡君が行かないコースを踏もうと。和歌山はやっぱり相性がいいですね。先月に休んで練習した成果も出ています」
　吉岡篤志は吉永追走から3着に入り、久々の記念優出を決めた。
　「中団の組み立てだったけど、吉永さんが俊敏に動いてくれたので、それに付いていっただけ。別に話はしていなかった。最後に抜かれてしまったけど、状態はいい」
　新田康仁は早めに巻き返したが、意外に車が伸びなかった。
　「打鐘の4コーナーから行こうと思っていました。明田と接触してバランスを崩したのが痛かったです。調子は悪くないので、気持ちを切り替えて明日また頑張ります」
　先行して5着の菅田壱道は「重くてかからなかった」とガックリ肩を落とす。

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情報提供：日刊プロスポーツ新聞社