『和歌山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月11日
 今年の記念競輪第2弾は和歌山競輪の「和歌山グランプリ」。開設63周年記念として開催される。GP覇者の村上義弘が今年の走り初め。また、武田豊樹は5年連続で当所記念に参戦する。地元記念制覇へ気合が入るのは和歌山のエース東口善朋。藤木裕も追加参戦し、東口にとってはチャンスの多いシリーズとなった。
 明日はガールズケイリン選手&地元ゆるキャラによるお出迎え、地元アイドルグループ「Fun×Fun」のオープニングショーで開幕。ガールズケイリン選手のローラー対決やトークライブ、井上茂徳氏による予想会などイベント盛りだくさん。明日から始まる「和歌山グランプリ」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
 オープニングレースを走る高橋陽介。早いレースを嫌う選手も多いが、高橋は1Rを全く気にする素振りを見せない。
 「早いレースは久々だけど、いつも朝早くから練習してるのでリズムは問題ないです。和歌山は去年の記念で初めて走ったけど、相性はいいと思います。先月までは配分が詰まってて練習できてなかった。今回は1週間だけどしっかりできたので不安はない」
 山田英明は今シリーズが3カ月以上の欠場明け初戦となる。
 「10月1日に練習中に乗り上げて肩鎖関節を脱臼した。リハビリを入れたら2カ月前から体を動かしてたけど、自転車に乗ったのは今年に入ってから。フレッシュな状態で違和感なく乗れたけど、復帰戦だし走ってみてですね。上手くいかないと思うけど、力を出し切れるようにしたい」

<2R>
 守谷陽介は伊東F1で優出と新年の好スタートを切った。
 「去年の後半はギックリ腰とかノロウィルスとかで体調を崩したけど、もう治ったので感じがいいですね。前回も久々にリフレッシュして走れました。消極的なレースで大敗してるし、今回は司令塔(三宅伸)もいるので下手なレースはできない。ここは去年の8月にバンクレコードも出してるし、相性はいいです」
 渡部幸訓は2年半ぶりのS級復帰だ。
 「復帰戦がいきなり記念だけど、とくに意識するところはないですね。練習も普通にやってきました。ただ久々のS級なんで、今回でどんなものかをつかみたい。それで勝ち上がれたら最高ですね」

<3R>
馬場勇選手
馬場勇選手
 馬場勇(写真)はここ3場所連続で優出するなど乗れている。
 「復帰戦の平塚の成績は悪かったけど、その後もとくに状態は変わってないんですけどね。レース勘とかなんですかね。年末、年始はすることもないので、普通に練習してました。状態もいいと思います。山田(和巧)さんには前に和歌山で迷惑をかけてるので、今度は『強いね』と言われるように頑張りたい」

<4R>
 和田健太郎は追加の大宮記念を走って、中2日での参戦だが、「疲れはない」と頼もしい。
 「前回は自分で動いてないですからね。やっぱり人の後ろは付き切ってしまえば楽。前回の成績も前の人のおかげです。ここも上野(真吾)君の番手なんで決めたいですね」
 対する田中誠はいつになく弱気なコメント。
 「前回が終わってから体調を崩して、あまり練習はできなかった。上野君とは最近よく戦ってるけど、あまり勝ってないですね」

<5R>
 山田久徳はここ2場所連続で予選を1着。調子がよさそうだ。
 「前回の四日市ナイターは追加だけど、この日程になるのが分かってて入ったので。去年の最終戦からは1カ月くらい空いてたので、しっかり練習はできた。大丈夫だと思います」

<6R>
稲毛健太選手
稲毛健太選手
 稲毛健太(写真)は2年連続の地元記念。地元勢のトップバッターとして、後続の選手に勢いをつくりたい。
 「あんまり気合を入れてもね。自分の力を出し切れたら、いけると思うので。ナショナルチームの活動もあるけど、中野(浩一)さんには『こっちを優先で』と言われたし、いい結果が出せたらいいですね。前回は緊張したけど、今年はその経験をいいほうに持っていければ。前回よりはいいと思います」
 池田智毅も年に一度の地元記念に気合をみなぎらせる。
 「(支部長の)雑用も多くて、あまり日がなかったけど、自分なりにできることはやってきました。最近はギアを色々試したけど、やっぱり4.15の感じがよかったので元に戻します。毎回、地元のトップバッターはいい成績を残しているので、今回もその流れに乗りたいね」

<7R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
 昨年前期の度重なる失格で加藤慎平(写真)は今期から2班に降格。予選からのスタートとなる。
 「みんなが言うほどは緊張してないですね。実際走ったらプレッシャーはあると思いますけど。12月の平塚でコケて、首と肩がパンパンで年末はキツかったけど、もう大丈夫。腰も痛みは出てないし、予選から頑張りますよ」
 志村太賀が加藤にとって最大の敵となる。
 「調子はいたって普通です。去年の後半は優勝とかもしたけど、自分では成績をまとめたなって感じです。和歌山は優勝したこともありますよ」

<8R>
中野彰人選手
中野彰人選手
 予選メインの8レースは地元コンビに注目が集まる。中野彰人(写真)は昨年は怪我に苦しんだ時期もあったが、「自分を見つめ直す良いきっかけになった」と、それをきっかけに一皮むけた。
 「去年の3月に鎖骨を骨折してから気持ち的にも弱気になったけど、やっぱり自分のスタイルである先行でしっかり走ろうと思うようになった。それで点数も上げていかないと。調子はだいぶ上がってきてるし、思い切って力を出し切るだけです」
 先輩の布居寛幸も地元戦で気合十分だ。
 「四日市から帰ってきてから次の日自転車に乗ったくらい。年齢的にもガツガツ練習することはないけど、その分、レースでしっかり走れてるんで。アイツ(中野)も今回が勝負だと思っていると思うんで、その中でアイツがしっかり力を出し切ってくれれば俺はそれで良い。そうすれば俺にもチャンスがくるだろうしね」

<9R>
東口善朋選手
東口善朋選手
 東口善朋(写真)にとってはのどから手が出るほど欲しい地元記念のタイトル。準備は万端、初日は藤木裕を目標からシリーズの好スタートを切る。
 「村上(義弘)さんやワッキー(脇本雄太)もいるけど、気持ちで負けんように。地元なんで優勝目指して頑張ります。仕上がりも順調だし、とにかく一戦一戦頑張るだけです」
 藤木裕は追加参戦。層の厚い近畿勢に新たな戦力が加わった。
 「追加は2日前に受けました。静岡記念に向けて追い込んでる最中だったけど、走れると思ったので。ただ状態に関しては一走してから判断したいですね」
 近畿勢のライバルになるのはSS班の岡田征陽だ。
 「GPは雨で前が見えず、よく分からないうちに終わってしまった。GPが終わってからは宮古島に7泊8日でリフレッシュに行ってきました。今年は立川でダービー、京王閣でオールスターがあるので去年と同じように頑張りたい」

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹(写真)は5年連続の和歌山記念参戦。過去4年は優勝に決勝2着、3着が1回ずつと、武田にとって新年のスタートを切るにはゲンのいい開催だ。
 「これで5年連続の和歌山記念ですね。毎年走ってるのでイメージは悪くないです。GPのあとはゆっくり休んで3日から乗り始めました。取手は開催してたので街道ですね。今年もタイトルを獲ってGPに出たい。年の始めだし、今回は新車でいく。ギアも色々試したいと思ってます」
 小嶋敬二にとってもここが新年初戦となる。
 「初日から武田に当てられるとは…。キツいですね。ただ(去年6月の)岐阜記念で落車してまだ半年だから、やってるほうでしょう。前回の高松もそうだけど、いいときと悪いときの差が出てるので、そこを修正したいですね」
 小野俊之も当所54周年記念の覇者だ。
 「前回の佐世保は(北津留)翼を交わせなかったけど、そこで課題点は見つかった。その後は2日休んで4日乗った感じです。和歌山は相性がいい。今年の目標は自分のなかでは決めてるので、それに向かってしっかり走るだけ」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 検車場でひと際多くの記者に囲まれたのは村上義弘(写真)だ。チャンピオンユニフォームを身にまとう村上の新たな1年はここから始まる。
 「3週間たったし、肋骨の痛みは楽になってきました。GP優勝は目標だったし、賞金王にもなれて嬉しいけど、1年を通して力を出したのが誰かはファンも分かってると思う。今年はそこを追求していきたいですね。今までも全レース、全力で戦ってきたし、それ以上のことはできないと思うけど、1番車のプレッシャーを自分に与えて今年は頑張りたい。和歌山は久しぶりですね」
 脇本雄太は佐世保記念から3.92のギアにして今年からの戦いに備えていた。今年こそはGPへ、ここから新たな1年が始まる。
 「去年は(あと一歩でGP出場を逃し)惜しかったけど、まだその段階までいってないってことだからしょうがないですね。今は3.92に慣れるのが大事。6月くらいには4.08に持っていけるようにと思ってます」
 昨年後半は欠場が続いた五十嵐力だが、復調気配あり。
 「12月までは股の手術をした後のしこりが残ってて30分くらいしか続けて自転車に乗れなかった。でも、ここ1、2週間はしこりが取れてきて、練習ができるようになりました。すぐに結果が出るかは分からないですけどね。村上さんとの対戦は想像してたけど、初日からとなるとガックリですね」
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