『和歌山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月12日
 和歌山競輪開設63周年記念「和歌山グランプリ」が今日から開幕した。注目を集めたGPメンバーの走り初めは武田豊樹、村上義弘が1着スタート。明日は優秀の「熊野古道賞」をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出をかけたサバイバルレースが繰り広げられる。
 明日は有力競輪選手のトークライブ(当日のお楽しみ)や抽選で場内食堂や特別観覧席食堂のお食事券をプレゼント。井上茂徳氏による予想会やジャグリングショーも引き続き予定されています。明日もぜひ和歌山競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
<1R>
 人気の北日本勢が打鐘過ぎから一気のカマシ先行。番手の竹内智彦が絶好の展開をモノにした。
 「恵まれました。最近は腰の痛みも出てないんですよ。佐世保記念から腰に負担がかからないパイプの立ったフレームにしたら、すごくいいですね」
 高橋陽介も打鐘から仕掛けて2着なら納得のようだ。
 「後ろから押さえて駆けたかったけど、森川(大輔)君や怪我明けの山田(英明)君もヤル気だろうから中団からカマしていけばイケルかなと思った。ホームの向かいがキツかったけど、打鐘からカマして2着なら問題ないです」

<2R>
守谷陽介選手
守谷陽介選手
 渡部幸訓が先行。バック7番手に置かれた守谷陽介(写真)だったが、出色のスピードで大外を突き抜けた。
 「あれじゃダメっすね。ちょっと(組み立てを)修正します。でも、あそこから届いたから調子はいいと思いますよ」
 渡部の番手を回った小橋秀幸が2着に入ったが「僕は恵まれました。残したかったんですけどね。最後は焦って踏んでしまいました」と、渡部を残せず悔しがる。

<3R>
 松山桂輔が先行し、番手の鰐渕正利が中団まくりの天田裕輝をブロック。しかし、その外を馬場勇がまくって熊本ワンツーを決めた。
 「山田さんには『下手くそ』と言われました。(天田が)行かなければ行こうと思ってたけど、後ろも見なかったので先に行くだろうと。レースは落ち着いて見れましたね。進む感じもありました」
 続いた山田和巧は「ホームで大バック踏みましたよ。あれは追い込みでしょ」と辛口コメント。
 対照的に逃げて3着の松山桂輔は満足げだ。
 「鰐渕さんも仕事してくれたし、ペースで行けてよかった。久々に勝ちあがれましたね」

<4R>
伊藤成紀選手
伊藤成紀選手
 前受けから車を下げた伊藤成紀(写真)が田中誠、上野真吾の順に斬った上を打鐘から叩く。1コーナーから再度踏み上げると、そのまま押し切った。
 「打鐘でけっこう踏んだので、出た時点で一杯でした。引っ張るだけ引っ張りたかったのでホームで休んでから踏んだんですけどね。自分が自力では一番点数がないし、駆けさせてくれた感じでしたね」
 2着の水島章は「いつもは抜いてるけど、今日は思ったよりかかったから。上手いこと駆けたなあ」と伊藤の粘りに舌を巻いた。

<5R>
山田久徳選手
山田久徳選手
 前受けの山田義彦が山口貴弘、そして山田久徳を出させず主導権。中団で立て直した山田久徳(写真)はバックまくりで前団を飲み込んだ。
 「中団に入れてもらったんで助かりました。そこから間髪入れずまくれてるし、吸い込まれる感じでけっこう伸びた。感触はいいですね」
 2着には逃げた山田義ライン3番手を回った真崎新太郎が食い込んだ。
 「前の2人がやることをやってくれたから。踏むのを我慢するだけ我慢して、直線は内か外か考えようと思ってた。脚に余裕はあったし、山田(義彦)がラインを生かすレースをしてくれたのが大きかったです」

<6R>
 服部正博が先行態勢に入ったところをすかさず稲毛健太が巻き返す。小笠原弘高が離れ、服部後位に入る選択肢もあったが、そのまま叩き切ると近畿ラインで上位を独占した。
 「6番(服部)の動きが分からなかったので組み立てが難しかったけど、レースを見てると出ると流す癖があるので出切れるなと思った。前検日が一番緊張しましたね。バックで焦って踏んだのはあったけど、悪くはないと思います」
 2着にはライン3番手から中を割った河村章憲が食い込んだ。
 「脚は溜まってたので、待ってから中を踏んだ。打鐘でキツかったのか、池田さんも外してからはモコモコした感じでしたね。僕の感じは戻りつつあります」
 池田智毅は3着で2次予選に。
 「打鐘のとこ(稲毛に口が空いたの)が後を引きましたね。その後は脚を溜められたけど、あそこで脚を使った分伸びなかった。でも首の皮一枚つながったので、明日また頑張ります」

<7R>
志村太賀選手
志村太賀選手
 倉野隆太郎が果敢に主導権を握ったが、きっちり中団を確保した志村太賀(写真)が鮮やかなまくりで快勝。鋭い出足で倉野後位から合わせて出た加藤慎平を置き去りにした。
 「バックはスッと車が出た感じはします。でもちょっとやりにくかったなあ。風もキツくて疲れました」
 2着の加藤慎平はホッと胸をなでる。
 「頭は緊張してなかったけど、体が緊張してました。ほんとだったらもっとスーッと切り替えるはずだったんだけど、力が入ってました。ただ一走して変わるとは思います」

<8R>
 ギリギリまで中団の中野彰人にフタをして先行しようとした越智展孝を前受けの五日市誠が突っ張って先行。これでモガき合いになると、待ってましたの中野彰人が豪快なまくりを決めた。
 「やっぱりすごい緊張しました。でも、モガき合いになってくれたので。前ならやり合いの決着がついてから(の仕掛け)だったけど、駆けてるところを行けたので、そこは今までよりよかった。考えてから動いてるんじゃないので。空回りが怖かったけど、力を出し切れてますね」
 番手の布居寛幸は逆転ならず。
 「エラかったですね。ダッシュもよかったし。後輩が育てば嬉しいし、次は押さえ先行させますよ(笑)。あのスピードだからワンツーは決まるだろうと思ってた。いや、でもいいスピードだったな」

<9R>
藤木裕選手
藤木裕選手
 鈴木裕の抵抗にあった藤木裕(写真)だったが、岡田征陽との中団争いをしのぐと再度まくり返し。力強いまくりで特選を制した。
 「僕もけっこう踏んだけど、鈴木君の先行勝負する気持ちに負けました。でも、あとの対処は冷静にいけたと思う。岡田さんに持ってこられるのは分かってたし、気持ちの余裕はありました。ヨコの動きも(村上)博幸さんに教えてもらってるので、自力同士なら負けない自信はあります」
 一度は藤木との連結を外した東口善朋だったが、まくり気味に外を伸びて2着に突っ込んだ。
 「内容がね…。付いとかなあかんのに、気持ちが入りすぎたというか、情けないレースをしてしまった。ラインが大切なのは分かってるのにね。また明日から気持ちをもっと入れて、集中して頑張りたいと思います」
 藤木を目標にまくって3着の阿竹智史だが、「ホームで岡田さんをしゃくっとけばよかった。でも藤木も行くと思うしね。動けたけど、感触としてはイマイチですね」と不満げ。
 阿竹マークの三宅伸は「外を踏んどけば2、3着はあったのにな」と判断ミスを悔やんだ。

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 単騎の岩見潤まで続いて松川高大は4車で主導権。それでも武田豊樹(写真)は強かった。小嶋敬二との外併走をしのぐと、1センターから小野俊之のブロックも届かない大外をまくり切った。
 「やっぱり初戦は緊張しますね。リラックスしたつもりが、ピリピリしてた。GPでも不甲斐ない走りだったし、勝ててホッとしました。4.25のギアもGPで初めて使って今日で2回目。いいとこも悪いとこも分かったし、感じはつかめました。またこれで1年が始まったから、(GPの)12月30日を目指してやるしかない。どう流れを作って1年を戦うかですね」
 2着には稲村成浩が続いた。
 「武田君の踏み出しに全神経を集中させてた。日本一強い選手だし、打鐘前から気を引き締めてました。正月もなく普段どおり練習してたので、状態は問題ない」
 3着にもライン3番手を回った齋藤登志信が。
 「3番手は(からまれるかもしれない)怖い位置だけど、武田君が上手く外を行ってくれた。外併走でも行けると信頼してたし、いつもいいレースをくれますからね。僕は頑張ったんじゃないですか」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 武田豊樹に負けじとばかり、村上義弘(写真)が1着スタート。逃げる脇本雄太の番手を回る好展開をモノにした。
 「一発目のレースということもあって、ワッキー(脇本)はペースを乱してたと思う。かかりがいつもと違いました。緊張のせいなのか自分も疲労感があったし、走っててフワフワしてる感じがあった。でも前のレースで武田さんの強さを見て、自分も頑張らんとと思った。ここからまたスタートが切れたし、近畿のみんなでまた頑張っていければいいですね」
 バックからまくり上げた五十嵐力が2着に食い込んだ。
 「ワッキーはGPレーサーをつけて緊張してましたね。バックで緩んだので、あそこしかないと思った。思ったよりも車が出ましたね」
 3着には近畿3番手を回った三谷将太が入線した。
 「村上さんのオーラがすごかった。後ろでもそれを感じたし、走ってて緊張しました。赤板でワッキーのダッシュはすごかったし、離れずついていけてよかった」
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