『和歌山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月14日
 和歌山競輪開設63周年記念「和歌山グランプリ」は佳境の3日目。今日は準決勝3個レースでシリーズのベストナインをかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝は脇本雄太、武田豊樹に齋藤登志信が快勝。地元からは東口善朋が勝ち上がり、悲願の地元記念優勝を目指す。
 明日も引き続き内林久徳氏をゲストに招いてのトークライブ&予想会。荒木実氏による予想会、タカシェンカのジャグリングショーなどが予定されています。そして最大の見どころは決勝戦。ベストナインによる迫力ある頂上決戦をぜひ本場でお楽しみください。
<9R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
東口善朋選手
東口善朋選手
 後ろ攻めの鈴木裕が青板で脇本雄太にフタをするが、脇本はあっさりと車を下げる。中団の鈴木裕は赤板1センターから先頭に立つが、そこを打鐘過ぎ2センターから踏んだ脇本雄太(写真)が東口善朋を連れて一気に先行。池田智毅以下は大きく離れ、東口とのマッチレースになったが、逃げた脇本が力強く押し切った。
 「気合でした。今日は気合と展開です。楽じゃないし、キツかったですよ。全てのタイミングがおかしかったですもんね。とりあえず最低条件はクリアしたけど、(体調も脚も)どっちもキツいです」
 東口善朋(写真)は決勝戦にこそ駒を進めたが、渋い表情。
 「自分の力じゃなく(脇本に)乗せてもらった。今開催は力をいっこも出してない。先輩、後輩のおかげで乗せてもらった感じです。ワッキーは2コーナーからまだ伸びていった。思った以上の伸びがないんで、自転車を戻してみます」
 離れた3着には五十嵐力が食い込んだ。
 「ワッキーは絶対来ると思ってたけど、なかなか来ないのでアレッ?て感じでした。キック(鈴木)もずっとスタンディングしてる状態でキツかったと思う。来るのが遅かったのが誤算でしたね。僕はキックのおかげです。東口にも抜かせてないんだから、ワッキーが強いと思います」
 鈴木裕は脇本の前に完敗だった。
 「僕にもう少し脚があれば。これが力の差ですね。でも後ろが3着に入ってくれたし、また明日頑張ります」

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 後ろ攻めの中野彰人が格上機動型を相手に果敢に主導権を奪う。中野のダッシュに一度は3番手のアウトで休んだ武田豊樹(写真)は2コーナーからリスタートすると。一気に前団を飲み込んだ。
 「中野君のダッシュがよくて、出切れず一回休んだ。圧勝? そうなんですか? 必死でしたよ。それでも神山さんとワンツーで人気に応える役割は果たせたと思う。日に日に状態は良くなってる。今年のテーマはさらにギアを上げるってことだし、下げたい気もするけどギアはこのままでいきます」
 武田の仕掛けに口が空いた神山雄一郎(写真)だったが、意地で2着を死守した。
 「中野が思った以上に強かった。だから武田も休んで呼吸を整えてから行ったんでしょう。差すってレベルのまくりじゃない。人気に応えることだけ考えて、マークすることに集中してた。今年も武田は強いね」
 3着には単騎の池田良が。バックから神山を目がけてまくり気味に踏むと、関東3番手に続いた。
 「前の2人(武田、神山)が強かったから、茨栃後位はちょっと考えてた。打鐘からホームにかけて遅れたけど、冷静にそこから脚を溜められて前の2人を追いかける形になったのがよかったですね。明日は京都の3番手で村上さんのオーラを感じたいです」
 中野彰人は地元で出し惜しみすることなく戦った。結果は9着だったが、「勉強になった」と晴れやかな顔でレースを振り返った。

<11R>
齋藤登志信選手
齋藤登志信選手
藤木裕選手
藤木裕選手
 五日市誠、上原龍の順で動くと、藤木裕は打鐘過ぎ7番手からの仕掛け。五日市のけん制で一度はスピードが死んだ藤木だが、そこから意地で踏み上げ村上義弘と出切る。これで近畿ワンツーかに、五日市マークから京都コンビを追った齋藤登志信(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「雨があがって、気温も上がったからコンディションの不安はなくなった。風はあってみんな後ろを取りたくないだろうから、それを逆に考えたらたまたま藤木が引いてくれて展開が変わった。感じ? ボチボチですね」
 藤木を懸命に残しに行った村上義弘は齋藤の強襲の前に連勝ストップ。
 「藤木は自分が思っている以上にすごいスピードで強くなってる。藤木が行けないと思って内をキメて位置を確保しようとしていたら藤木が行ってしまった。あれで行ってしまうのは強いですね。頼もしい後輩です」
 藤木裕(写真)も連日苦しい展開をしのいで力強い走り。
 「踏み出しとか緊張感とか色々あるなか、何とかしのげましたね。でも初日から全部合わされてるし重いですね。GPレーサーが後ろで今まで以上の力が出るだろうし、また明日もそれを味わいたい。決勝は近畿別線で。脇本と勝負したかったし、明日は近畿が脇本だけじゃないのを見せたい」
 逃げた上原龍は「風がキツかったし、あまりかかってなかった」とガックリ。
 五日市誠は「藤木に早めに気づいて飛ばしにいかないといけなかった。でも僕の横で休みながら行ってしまいましたね。力負けです」と僅差の4着にも力の差を実感した様子だった。
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