『和歌山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月15日
 新春の記念第2弾は和歌山競輪開設63周年記念「和歌山グランプリ」。決勝戦は近畿勢が別線勝負。武田豊樹擁する関東ラインに、単騎の五十嵐力で4分戦での戦いとなった。レースは前受けの藤木裕が先行。4番手まくりの武田に対し、村上義弘は番手まくりで応戦し、最終バックからはこの両者で意地のぶつかり合いに。ゴール前までもつれた争いを制した武田豊樹が今年初戦を見事に飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴りスタートけん制の後、脇本雄太が出るが、その上から村上義弘が誘導を追いかける。前団は藤木裕―村上―池田良。脇本―東口善朋が続き、後方待機の武田豊樹―神山雄一郎―齋藤登志信に単騎の五十嵐力が続いて周回を重ねる。
 武田は青板の4コーナーから車を外に持ち出すが、中団の脇本がけん制。武田は内を進出して赤板を通過する。早めに誘導を交わした前受けの藤木が、そのまま先行態勢。村上―池田と続くが、4番手以降は武田―神山(イン)と脇本―東口で併走となって齋藤、五十嵐。藤木は打鐘前の2コーナーからハイペースで飛ばして主導権。外併走の脇本は打鐘過ぎに仕掛けて出るが、1車しか出ずにいっぱい。武田はコースが空かずに4番手のインで脚を溜め最終回へ。
 外の脇本が1コーナーで力尽き、東口も後退。単独で4番手をキープした武田が2コーナーからまくって出ると、藤木の番手から村上も満を持して発進。神山は武田に付け切れず、池田後位にスイッチ。村上と武田の壮絶なつばぜり合いは、4コーナーを迎えても決着はつかず直線へ。両者の争いは、ゴール前で武田が踏み勝ち優勝。武田と村上の間を伸びた池田が、寸前で村上を交わして2着。


武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹(写真)が新年一発目のシリーズで優勝を飾った。新車、GPから投入した4.25のギアと初ものづくしのシリーズで2013年、会心のスタートを切った。「苦しいですよ、本当に。4番手でひとつも脚は溜まってなかったし、正直まくりに行きたくなかった」とレースを振り返るが、ラスト半周で村上と演じた壮絶なバトルを制した表情は晴れやかだ。
 「お客さんが納得してくれる、良いレースは見せられたと思う。脇本、藤木(の先行争い)、僕と村上の対決を見たかったと思うし、ワクワクするレースをしないとと思ってました。番手が村上だから負けて当然と思って外を踏んだけど、運よく勝てたかなって感じです」
 毎年、「一発目のレースは大切にしたい」と新年のレースに臨んでいるが、今年もスタートダッシュに成功した。この後は京王閣記念を走って、最初のG1・全日本選抜が待っている。
 「まずは全日本ですよね。去年はなかった大会だから。新車も違う冒険に入ったし、これが正解なのかは分からないけど、これからじっくり考えて。勝てば相手は研究してくる。僕もそれを上回る答えを見つけないとね」

 2着は池田良。京都コンビの後ろを選んだ読みがピタリと的中した。
 「チャンスがある位置はあそこだなと思ってました。あそこまでいったら獲りたかったですね。でも4コーナーからは(武田、村上の)気迫が違った。余裕がなかったです。あの辺の気合がまだまだ。また頑張ります」

 村上義弘は3着に敗れたが、バックからの壮絶なモガキ合いは見応え十分だった。
 「藤木の気迫が違いましたね。日本を代表する先行選手ですよ。(武田を)目一杯待ってから行った。あとは武田さんと力勝負してと思ったけど、ねじ伏せられて力を感じた。また立て直して頑張ります」

 武田の踏み出しに口が空いた神山雄一郎は4着。
 「キツかった。あの重馬場でも武田が強かったね。今日はほんとにキツかった。でも、これでまた頑張ろうって気になりましたね」

 東口善朋は赤板ホームで関東ラインに内をすくわれ万事休す。
 「藤木も脇本も自力で勝負に行ってるし、何とも言えないですけどね。最後は脚のない自分が悪いんだから。今回は乗せてもらった決勝だし、今度は前を援護して決勝に乗れるように頑張ります」


ゴール
↑ページTOPへ