『和歌山競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月13日
 和歌山競輪開設64周年「和歌山グランプリ」は佳境の3日目を迎えた。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。GP覇者の金子貴志は惜しくも準決勝で敗退。池田勇人、林雄一に稲垣裕之がそれぞれ準決勝を制し、決勝戦には村上義弘、新田祐大ら豪華メンバーが勝ち上がった。
 明日は山口幸二氏のトークライブ&予想会。さらに「紀州の競輪博士 岡本新吾に何でも質問!」ブースやジャグリングショーなども引き続き予定されています。注目の決勝戦はぜひ和歌山競輪場でお楽しみください。
<9R>
池田勇人選手
池田勇人選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 決勝進出一番乗りを決めたのは池田勇人(写真)だ。石丸寛之が中団にこだわり、7番手に置かれてしまったがホームから巻き返すと、上手く新田祐大の仕掛けに乗る形に。そのまま追走すると直線鋭く伸びた。
 「打鐘でコケそうになって下げたけど、どうあれ打鐘過ぎの4コーナーで行こうと思ってた。(単騎の新田と)石丸さんが即席ラインみたいになってたし、外からでも石丸さんは下げると思った。あのタイミングで行ってよかったです。今回は先行できてないのが気がかりだけど、走れてるとは思う」
 続いた飯嶋則之が2着で決勝進出を果たした。
 「よかったです。3日間、展開と番組に恵まれて悪いなりに決勝に行けた。感じは昨日よりよかったけど、まだ分からないですね。でも余裕はないです」
 単騎でもホームから仕掛けた新田祐大(写真)は昨日に続き3着に。連日、末を欠く結果にレース後は浮かない表情を見せる。
 「ほんとは1着じゃないといけない展開。出足は悪くないけど、最後失速してますね。疲れなのか何なのか。微妙に何かがズレてる感じ。何かが変わればよくなると思うんで、そこに早く気づくことですね。でもレースは自分で作ってるし、悪くないと思ってます」
 道中の組み立てはよかった石丸寛之だけに、新田に続けなかったのが悔やまれる。
 「詰めが甘いですね。(中団に入る)あそこまでは予定どおりだったけど、池田がいいタイミングで来た」

<10R>
林雄一選手
林雄一選手
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 後ろ攻めの三ツ石康洋が斬った上を田中晴基が先行。番手で車間を切った林雄一(写真)が、別線の反撃をけん制しながら好展開を生かした。
 「晴基が強くて、ラインのおかげです。三ツ石が勝負どころで斬ってくれて、晴基の持つところから行けた。僕は車間を切るしかできないし、最初から切っておけば3コーナーで止められるかなと思ってた。晴基が強かったし、うまく残ってくれてよかったです」
 6番手から先まくりを打った牛山貴広(写真)が2着に突っ込んだ。
 「2車で突っ張っても、後ろに金子さん(のライン)がいるんで。稲村(成浩)さんと決めたかったですね。(金子の仕掛けで)絶対かぶっちゃいけないと思ってた。前(林)が車間をあけてたから伸びたように見えるけど、実際には田中のヨコまでしか行ってない。今回はフレームの効果が大きいですね。周回中も楽だし、もう少し煮詰めれば。今年からはセッティングもやろうと思ってます」
 逃げた田中晴基は3着に粘り、自身2度目の記念優出を決めた。
 「斬って楽に出させてくれたんで、展開は最高でした。後ろの気配がなかったんで、(林が車間を)あけてくれてるなと思いました。ホームで後ろが見えなかったので、落ち着いて自分のペースで行けた。これで(配分がなかった)2カ月分の元を取りましたね(笑)」
 金子貴志は絶体絶命の8番手。あまりにも前は遠すぎた。
 「スタートで迷ったけど、結果的に前(受け)のほうがよかった。イチかバチかホームで行くべきだったかな。牛山は2着まで行ったんですか? すごいですね。しょうがない。明日頑張ります」
 上手く4番手を取った三ツ石康洋だが動けず。「(展開が)出来すぎて、どうしようって。仕掛けを待ってしまった」と肩を落とした。

<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
村上義弘選手
村上義弘選手
 矢野昌彦のヤル気に対し、稲垣裕之(写真)は一度3番手で休むと最終ホームから発進。田中誠のイン粘りをしのいで続いた村上義弘とワンツーを決めた。
 「昨日は行くだけのレースになってしまったし、そこは(村上にも)言われてた。自分の求められてるレベルももっと高いところにあるので。あんまり3番手で休んでると、村上さんもからまれるし、行けるところから思い切ってとは思ってた。2人でワンツーが決まってよかった。状態は悪くないので、決勝も気持ちをしっかり持って走りたい」
 村上義弘(写真)は田中の飛び付きを意地でしのいで稲垣に続いた。
 「稲垣が打鐘で休んだし、(田中は)俺のところやなと。勝負のポイントは最終ホームでしたね。あそこで締めてるときに稲垣が行ったし、あそこをしのげたのが大きかったのかな。ファンの声援も近畿頑張ってくれって感じだし、1着を取って(ファンの)前に出たかったけどね。今日は子供のファンも多かったので、いいレースを見せたかったです」
 五十嵐力の仕掛けに乗って最後は外を伸びた福田知也が決勝戦最後の切符をゲットした。
 「五十嵐さんのおかげです。8、9番手からあんだけ行ってくれるし強かった。僕も余裕はあったし、最初は(菅原の)内だと思ってたけど、五十嵐さんが内に行ったので外でいいやと。2人で乗りたかったし、五十嵐さんはもったいないですね」
 ホームから俊敏に京都コンビにスイッチした菅原晃は権利取りのレースはせずバックまくり。自らのスタイルを貫いた。
 「誠には悪いことをした。一瞬(田中の切り替えを)待ったけど、そこが勝負だと思って自分で追いました。バックで仕掛けたのは緩んだと思ったから。脚がなかったです」
 後方から好回転でまくった五十嵐力は「タイミングも展開もバッチリだっただけに、外を踏めばなんてことなかったのに」。菅原の内にコースを選んだのが失敗だった。
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