『和歌山競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月12日
 和歌山競輪場を舞台に開催されている開設65周年記念「和歌山グランプリ(G3)」は、12日に3日目を迎えシリーズも後半に突入した。西日本地区の今年の記念幕開けとなった今シリーズもいよいよ大詰め。S級戦士たちによるバンクでの戦いは、さらにヒートアップした。ファイナル進出をかけた準決では、津村洸次郎、小原太樹が1着で波乱となったが、最終の12レースは武田豊樹が白星で人気に応え3日目を締めた。最終日の13日には決勝戦が行われ、65周年記念の「和歌山グランプリ」のチャンプが決まる。
 本場では、和歌山グランプリのオリジナルクオカードを抽選でプレゼントします。また、「紀州の競輪博士 岡本新吾に何でも聞いてね!」のブースもあります。決勝戦3連単車券プレゼント(先着504人)、トークライブ&予想会(ゲスト 山口幸二)なども予定されています。和歌山競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<10R>
津村洸次郎選手
津村洸次郎選手
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
 鈴木謙太郎に押さえられた稲垣裕之は、4番手まで下げて小林則之と併走。ペースを握った鈴木―神山雄一郎の後ろを手に入れた単騎の津村洸次郎(写真)は、3番手で脚を溜めると最終2センターで進路を外に取り直線強襲で突き抜けた。
 「マジっすか。超うれしくて頭が真っ白です」と、引き揚げて来た津村は信じられない様子。今期S級への昇級を果たした101期生は、初めての記念でいきなり決勝進出。九州の先輩たちの出迎えに、満面の笑みで応える。
 「もう今日は落ち着こう、落ち着こうって思っていた。先輩方のおかげで、リラックスできました。(単騎だったんで)カマシは無理でも、まくりに行こうと思っていた。鈴木さん、神山さんの3番手が一番いいなって思っていたらそうなったし、神山さんがこうして(ブロックをして)いたんで。自分は絶対に外だって思った。こんな展開が向くとは思ってなかったけど、ゴールした瞬間はニヤケすぎました(笑)」
 強引に外をどかしてまくりを打った稲垣を、神山が猛ブロック。両者でからんだところに、東口善朋が内を突いて神山は落車。2着に逃げ粘った鈴木謙太郎(写真)だが、神山の援護に助けられただけに手放しでは喜べない。
 「稲垣さんが(小林と)併走になっていたし、自分にとってはいい展開でした。でも、思ったより巻き返しが早くて、気づいたら(稲垣が)僕のところに半分くらいまで来ていた。もうワンテンポ早く踏んでいれば、神山さんにあんなに仕事をさせてしまうこともなかったですね。和歌山は記念で走るのは初めてですけど、ここは相性はいいんですよ。(決勝は)外してないんで」
 小林マークの内藤秀久は、内から稲垣に当たられ反撃の隙を与え、さらに先輩の白戸淳太郎が落車に巻き込まれるアクシデント。ラインを気遣いながら、反省しきり。
 「僕だけ3着に入ってしまい、後味が悪いですね。白戸さんにも申し訳ない。僕は(落車を)避けられたけど、あれが白戸さんの位置だったら乗り上げていたと思う。任された位置で責務を果たさなきゃいけないのに、その責務を果たせなかった…」

<11R>
小原太樹選手
小原太樹選手
稲毛健太選手
稲毛健太選手
 10レースに続き、今度は大量4車が落車のアクシデント。人気の新田祐大も最終2センターで巻き込まれゴールまで至らず。3番手の好ポジションを奪取した小原太樹(写真)が、2コーナーからのまくりで関東勢を飲み込み押し切った。
 「(芦澤大輔が)もってくるのもわかっていたし、そこを乗り越えられればと思った。必死だったし、行けるときに行っておかないと、みんな来ちゃうんで。自分のタイミングで(まくって)行って、ダメだったら仕方ないですから。今日はもう後ろを見ている余裕もなかったけど、感じはいいですね。(2日目から)またセッティングを変えて、さらに良くなった」
 打鐘の3コーナーでは新田に大きくけん制された稲毛健太(写真)は、後方からの立て直しを余儀なくされた。最終2コーナー手前からまくって出ると、新田を乗り越えて2着。
 「やっと(地元記念の決勝に)乗れました。先行した方が自信があったんですけど。6番(松岡篤哉)の内…。そこ(赤板の1センター)だけですね。あそこでしっかりと引いていれば、(先行するのには)よかったんですけど。いつも通り感じは日に日に良くなっている。(決勝も)チャンスはあると思うし、(優勝を)狙いにいきます」
 芦澤とからみ接触した渡邉晴智は、直線で追走いっぱい。稲毛に交わされ3着で決勝にコマを進めた。
 「(小原が)レースを作ってくれた。(芦澤は)一番ブロックが強烈なんでね、あそこは。もう自分は(小原に)付いていただけだし、(調子は)見てもらった通りです。最後は離れてしまっているし…。(記念の)決勝は久しぶりですよ」

<12R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
真崎新太郎選手
真崎新太郎選手
 赤板過ぎに吉本卓仁が菅田壱道を押さえて出ると、すかさず宿口陽一が飛び出してグングンと加速。打鐘では後続を一本棒にして、そのまま主導権を明け渡すことなく駆ける。人気を背負った武田豊樹は、最終2コーナーから番手発進で後続を振り切った。
 「(お客さんに)車券で支持してもらってましたからね。自力じゃなかったんで、まだわからないし、これが(今年)3走目ですから。それでも(ギアには)慣れてきていると思う。明日(決勝)は鈴木謙太郎がいるんで、(後ろで)頑張ります」
 関東後位の4番手を手に入れた吉本卓仁(写真)は、武田の番手まくりを待って追い込み勝負。前の真崎新太郎を交わして2着で、後輩の津村が待つ決勝へと進んだ。
 「うれしいですよ、こうやって(後輩が)出てきてくれるのは。プレッシャーにもなったし、変なところは見せられないって思いましたから。(津村とは)街道でもバンクでも一緒に練習をするんで。今日はあの位置だったら、慌てないで我慢しようと思っていた。(前との)追走も課題だったし、空けないようにと思っていた。まだ、(感じとしては)悪いんですけど、それでも今日が一番しっくりきた」
 武田の後輪に集中した真崎新太郎(写真)が3着。プレッシャーを感じながらの走りだったことは想像に難くないが、ラインの先頭を務めた宿口を気遣い汗をぬぐう。
 「俺は武田さんに離れないように緊張したけど、自分よりも宿口君、武田さんはもっと大変だったと思いますから。今回は武田さん、神山さんが一緒で本当にいいモチベーションで走れている。ギア規制も自分は(前回の)前橋で走っているから、それに対応できている感じがする。先に気づけている部分もあるし、そのぶん(ほかの選手より)有利だと思う。今日は足が熱くなって、眠れないですね」
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