『和歌山競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月8日
 和歌山競輪開設66周年記念「和歌山グランプリ」が明日9日から開幕する。武田豊樹は今年も和歌山から新年のスタート。他にもS級S班の村上義弘、山崎芳仁、稲垣裕之をはじめ、豪華メンバーが激突する。予選にも年末にS級特進したばかりの新山響平やS級初挑戦の選手が数多く参戦する注目のシリーズだ。
 開催中は毎日、山口幸二さんのトークライブ&予想会や岡本新吾さん&茂村華奈さんの競輪おしゃべりブースなどのイベントを予定。明日9日はわかちゃん&きいちゃんのお出迎えに始まり、美空ひばりそっくりものまねショーや煌陽会による書道パフォーマンス、競輪選手のトークライブやチャリティーオークションも予定されています。明日から始まる「和歌山グランプリ」をぜひ本場でお楽しみください。
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津村洸次郎選手
津村洸次郎選手
 オープニングレースで1番車のユニフォームをまとうのは小野俊之だ。前回岸和田では失格したが、昨年秋頃から優出を増やすなど徐々に復調。一次予選は津村洸次郎を目標に勝ち上がりを狙う。
 「(1レース、1番車は)久しぶりですね。そんな予感もした(笑)。でも、朝練をして、そのままレースに臨めるからいいんじゃないかな。(前回岸和田で失格をして、今後は)良くなる一方だと思いたい。津村君とは連係も結構あるし、相性も良いね」
 昨年の当所記念で優出を果たした津村洸次郎(写真)は、ここが今年初出走。前回の前橋から中11日としっかり準備をしてきた。
 「正月は休んで、いつも通りの練習をしてきました。疲れもないです。もう一年たってしまいましたね。去年の和歌山記念は良い展開にもっていけたし、今回もしっかりレースを作りたい。小野さんと寺崎(祐樹)さんもいるんで、積極的に。油断しないように、いつも通りに走りたいです」

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 坂本周輝は今年初出走となった前回宇都宮でS級初優勝。今シリーズも勢いに乗って暴れるか。
 「優勝は後ろも競りだったし、たまたまです。でも、良い状態はキープできていると思う。優勝した時は自然体で獲れたので、今回も自然体で走りたい。和歌山は前回(15年8月)の初日で9着だったけど、2日目、最終日はピンピンだったので、イメージは良いです」
 昨年は2V28勝と充実の1年を過ごした森川大輔。近況は優出こそ少ないが、前回の小倉で611着と、しっかり2勝をマークした。
 「前回はメンバーがきついなと思って、考えて走りました。落車した影響かわからないけど、今はこれくらい。調子の良かったころに戻せれば。和歌山は風が強くて、あまり好きではないですね」
 上吹越俊一は今期が初のS級戦。前回の玉野では、負け戦ながら連勝と存在を十分にアピールした。
 「(玉野では)2日目、最終日と自力で勝てて、自信になりました。(戦い方の)幅も広がりましたね。今回も気負わず、でたとこ勝負で頑張る。細切れ戦なので、チャンスがあれば思い切りいきたいです」

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 矢野昌彦、宗景祐樹の栃木コンビに人気が集まりそう。矢野は久しぶりの実戦でレース勘に不安はあるが、ここは機動力上位だけに負けられない。
 「(11月)高松の最終日に腰を痛めて、帰ってからは動けなかったです。年末はもともとあっせんがなくて(レース間隔が空いた)。でも、腰も治ったし、練習も問題なくこなせました。何とか和歌山に間に合いましたね。あとは走ってみてです」
 宗景祐樹は前回岸和田で328着と良い流れ。メンバー表を見つめ、一次予選の作戦を綿密に練る。
 「矢野君とは久しぶりの連係ですね。彼は走りが毎回同じだから作戦が立てやすい。仕掛け所を考えて。(自分は)数字は良くなったけど、脚の感じは変わらない。いつも通りの走りをして、勝ち上がれればいいですね」

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 昨年中盤から完全復活した山中秀将。前回、小倉の準決勝9着をしきりに悔しがるが、最終日もしっかり白星で締めるなど好調を維持している。
 「小倉の中日に9着やって、精神的にキツかったですね。残り2日間、あれだけ動けてたから残念です。行きたいところで行けば着が悪くても納得するけど、ああいうレースをすると…。調子はいいので、そのへんをしっかりしたいです」
 今期からS級に復帰した伊藤信は復帰初戦の静岡で511着。走り慣れた舞台で、まずまずの滑り出しをみせた。
 「やっぱりS級のほうがいいかな。こっちのほうが(走ってる期間が)長いし、慣れてる感じがします。最近は疲れが残りやすかったけど、今回は思ったほどではなかった。状態は大丈夫だと思います」

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 年末の玉野から新車を使っている石丸寛之。2場所で2勝、3着2回と新フレームの感触は上々だ。
 「新車は車の出がいい。玉野の最終日は柴崎(淳)のまくりの上を行けたし、自信になりますね。ただ最近は初日に失敗してるので。前回もそうだけど、予選は(A級上がりで)分からない子が多いからね。今回はしっかり初日決めたいです」
 ここで石丸にとって「分からない子」になるのは松田大だ。今期から初のS級。初戦の静岡は2日間バックを取ったが、969着とほろ苦いS級デビューとなった。
 「成績は悪かったけど、着以上にやれるなって感じはありました。もっと冷静に走れればですね。もう少しこうすればとか思うことはあるので、走りながらつかんでいきたい」

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新山響平選手
新山響平選手
 年末の前橋でS級特進を決めた新山響平(写真)。S級デビュー戦が記念という流れは同期の吉田拓矢と同じ。11月京王閣記念で準優勝した吉田や12月伊東記念で準決勝まで勝ち上がった鈴木竜士に負けない活躍が期待される。
 「いつもより緊張しますね。でもS級なんで最初は楽しめたらいいかな。前橋から10日ぐらい空いたので普通に練習はできました。見てる人に強いなと思ってもらえるような競走ができたら、ガンガン主導権を取りにいけたらいいですね。同期が先に出ていい走りをしてたので、そこは意識して走ります」
 番手を回る加藤圭一は注目の若手といきなりの連係となった。
 「11月平塚で誘導してたときに彼の走りは何となく見てました。しっかりついていきたいですね。前回(立川)の落車は肋骨を痛めたぐらいであとは大丈夫。フレームが壊れたけど、練習で使ってたのを持ってきたので心配はないと思います」
 岸澤賢太はS級の先輩として新山の前に立ちはだかる。
 「前回から空いてたので練習はできた。感じはよかったけど、セッティングとか色々変えたので、まずは走ってみてですね。新山君は強いと思うので頑張りたい」

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 永井清史は昨年後半、F1戦で4連続優出するなど調子を上げていた。それだけに最終戦の平塚で449着だったのは残念だが、年も新たに気持ちを入れ直す。
 「平塚はあまりよくなかったですね。違反点も多くて、まくりやカマシになったのもあるけど先月でそれも消えたので。年末年始は休みも入れながら普通にやってきた。今年は大きいところで結果を出したいので、ここから頑張りたいです」
 地元の池田智毅は「S級に上がってすぐにある」と話す、久々の永井の番手で一次予選突破を狙う。
 「(欠場した)佐世保記念の前に練習中に落車した。骨は大丈夫だったけど、恥骨のあたりの痛みがひかず、前回(玉野)も走れるかなと思ったけど、走っといてよかったなと思います。あとは気持ちで何とかやりますよ」

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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 今期から2班の吉澤純平(写真)は一次予選からのスタート。新年早々、師匠(武田豊樹)と一緒の配分になりいつも以上に気合が入る。
 「とくに変わったことはしてないけど、去年の後半は成績がまとまってきてましたね。レースでもバックを取れてるし、攻められてたと思う。その辺がよかったんでしょうね。和歌山は初めて。あっせんが出た段階で師匠と一緒なのは分かってたので、しっかり走りたい。今年一年のいいスタートが切れるように頑張ります」
 柴田洋輔は今年からのフレーム規制に対応するために、佐藤慎太郎(福島・78期)のフレームを投入する。
 「自分のフレームで規制に引っかからないものは重かったので、慎太郎さんに連絡してフレームをお願いしました。2日間乗ったけど違和感はなかったですね。初日は(吉澤の番手で)いい位置なんでモノにしたい。慎太郎さんのフレームなんで出ると信じてます」

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稲毛健太選手
稲毛健太選手
 ここは稲毛健太、中野彰人の地元コンビが人気を集めそう。稲毛健太(写真)は5回目となる地元記念をリラックスムードで迎えた。
 「去年もそんなになかったけど、今回はあまり緊張感はないですね。ただ地元記念は1年に1回しか走れないので、そこだけですね。正月もとくになく練習は普通にやってきたし、感じも悪くなかった。考えず行けるところで行きたいです」
 中野彰人は昨年10月大垣記念の落車から復帰3場所目が地元記念となる。
 「大垣で肋骨と肩甲骨を骨折。若手のダッシュについていってたら、ここ3日ぐらいまた肋骨が痛いけど走る分には大丈夫です。稲毛君には去年5月に川崎でS級初優勝させてもらってる。やることはやったし、あとは頑張るだけですね」

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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 「自力でもいいかなと思って来た」と話す山崎芳仁(写真)だったが、フタを開けてみれば飯野祐太と同じ番組。新年初戦は番手戦からのスタートになった。
 「グランプリで下ろした新車は今回も使いたいと思って持って来ました。グランプリは新田(祐大)の後ろで参考外でしたけどね。年末年始は31日だけ休んで元日は軽く初乗り。2日ぐらいから本格的に始めました。体調は崩さなかったし、あとは疲れが抜ければ大丈夫だと思う」
 井上昌己は小倉F1を3連勝で新年の好スタート。昨年終盤から一気に調子を戻している。
 「しっかり練習をやってきたことが少しずつ出てきました。小倉のあとも3日だけゆっくりして、あとは普通にやってきた。和歌山はよかったり悪かったりだけど、悪い印象はないです」
 郡司浩平は広島記念を途中欠場で2015年を終了。すっきりと1年を終えられなかっただけに、新年初戦は大事にしたい。
 「広島を途中欠場して、その分時間が空いたんでここに向けてしっかりやってきました。終わり方が悪かったので、いいスタートが切れるようにしたい。去年は成長できた1年でした。今年はそれ以上の結果が求められると思うけど、一歩ずつ目標をクリアしていきたい」

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東口善朋選手
東口善朋選手
 今年も武田豊樹は和歌山から始動する。過去には3度優勝と相性も抜群で、大会連覇で新年の好スタートを切れるか。
 「グランプリのあとも普通に練習してきました。今年もグランプリに乗るのが目標ですね。初日が誕生日? そこはもう喜ぶような年齢じゃないですよ(笑)」
 地元の東口善朋(写真)は「想定してなかった」と話す武田の番手回りとなった。
 「武田さんの番手は緊張します。自分のデキは完調ではないけど、現段階でできることをやってきたし、一戦一戦ですね。(佐世保記念で落車した)痛みはないし、あとは感覚の問題ですね」
 小倉竜二は松川高大の番手で本線に抵抗する。
 「状態はまあまあ。悪くはないですね。正月も練習して、普段どおりにやってきた。去年よりは状態がいいはずです」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 グランプリに続いて京都コンビが初日特選から連係。稲垣裕之(写真)は初出場となったグランプリをこう振り返る。
 「納得はしてるけど、満足はしてません。武田(豊樹)さんのヤル気、オーラがすごかったし、そこに負けないようにと思って頑張りました。これまでやってきた自分の走りを見せたかった。今年はS級S班。責任のあるポジションなんで、そこをしっかり感じながら毎レース走りたい。G1を獲ってグランプリ。今年もそれが目標です」
 村上義弘はグランプリ後も元日から始動し、2016年の開幕戦に備えた。
 「今年も目の前のひとつひとつ(のレース)を頑張っていくことですよ。グランプリはいいレースだったと思う。稲垣も頑張ってくれたし、武田さんの気迫もすごかった。終わってからの充実感はあったけど、強い緊張感を持ち続けた部分の疲れがあった。その辺もあって練習を続けてたのにかみ合いが悪かったですね。でもそこは戦いながらかみ合っていくものだと思います」
 近畿コンビに菊地圭尚がどう抵抗するのかも注目だ。
 「正月は1日、2日は休んだけど、普通に(冬期移動先の)大垣で練習してました。去年は腰痛でだましだましやってたけど、最近ようやく練習でも集中できるようになってきた。あとは自分の気持ちひとつ。初日も引けないときは何でもやるし、強気に攻めたいですね。今年はガツガツやっていきたい」
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