『和歌山競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月11日
 和歌山競輪開設66周年記念「和歌山グランプリ」も佳境の3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝では森川大輔、稲垣裕之に地元の稲毛健太が1着で決勝に進出。S級S班の村上義弘に地元からは東口善朋、西岡正一も決勝進出を決め、明日の決勝戦でシリーズの頂点を争う。
 最終日も3日目に引き続きスピーチーズのライブステージやタカシェンカのジャグリングショー。さらに明日はザ・ぼんちのお笑いステージも予定しています。注目の決勝戦をぜひ和歌山競輪場でお楽しみください。
<10R>
森川大輔選手
森川大輔選手
松浦悠士選手
松浦悠士選手
 後ろ攻めの森川大輔が動くと、郡司浩平が押さえて前に出る。後方から津村洸次郎が巻き返すが、郡司もピッチを上げて抵抗。津村はスピードが合ってしまい不発に。しかし、津村を追った森川大輔(写真)が大外を一気にまくっていく。内藤秀久のブロックも乗り越えると、ゴール寸前で郡司を交わし1着を手にした。
 「本当は初手で中団くらいにいて、叩きにいきたかったけど、車番も悪くて。レース中も、どのタイミングでいくか悩みながらでしたね。難しかったです。津村がきたのがわかったので、すぐ反応しました。まさか1着とは。初日、2日目と良くなかったけど、今日の感じは良かった。記念の決勝は(15年の)福井以来です」
 逃げた郡司浩平は強靭な粘りを発揮して2着に残った。
 「内藤さんが後ろにいてくれたから安心して先行できました。残れて自信になったし、駆けた感じも良かったです。去年は一つの目標として記念を優出することだったんですけど、それが去年の12月(伊東記念)に達成できた。今年はもう去年の目標に並べました。今年はもう一つ上の目標に。決勝は優勝を意識せずに、いつも通りのレースをすれば結果はついてくると思います」
 松浦悠士(写真)は森川を追う形で仕掛けると、内藤の抵抗も凌いで3着。初の記念決勝に駒を進めた。
 「レース内容が悪い。自分だけのレースになってしまいました。もっと早くに津村が動くと思っていたけど、行かなかったので、ちょっと組み立てがズレましたね。最後は余裕もあったし、手応え的にアタマまでいけると思ったけど。内藤さんの一発が効きましたね。でも、昨日よりは状態は良い。踏んだ感触も良いです。決勝は楽しみたい」
 永井清史は打鐘過ぎ4コーナーから前と口が空いたのが致命的だった。仕掛けた森川を必死で追いかけようとしたが、差は詰まらず4着まで。
 「津村が来てるなと思って見てたら前が踏んで行ってしまった。後ろは難しいですね。もったいなかったです」

<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
東口善朋選手
東口善朋選手
 稲垣裕之(写真)が力の力をまざまざと見せ付けた。前受けから突っ張りに行ったが、吉澤純平が強引に叩くと稲垣は冷静に4番手を確保。バック手前からまくってラインで上位を独占した。
 「今日は先行基本で、緩めてたら突っ張りもと思って踏んだけど吉澤君も踏んだんで。あれぐらい踏んだら大体突っ張れるんだけどね。細かい駆け引きもあったし、自力同士の勝負としては面白かったと思う。ホームで突っ掛かってしまって、あそこは吉澤君も落ち着いて駆けてましたね。自分のタイミングではなかったけど踏み込めたしすごく調子はいい。グランプリユニフォームがいい緊張感を与えてくれて、すごい集中して走れてます」
 東口善朋(写真)は稲垣の仕掛けにピタリと続いて3年ぶりの地元記念優出を決めた。
 「よかったです。3人で決まったというのが何より。中団4番手が取れたし、あとは離れたらいかん。稲垣さんが行くのは分かってたし、西岡さんにも迷惑がかかる。そこだけはしっかりしようと思ってました。この状態で何とか決勝に乗った感じ。でも乗ったというより、稲垣さんに連れてってもらったんですけどね」
 西岡正一は開口一番、「乗ったぁ…」と安どの表情を浮かべた。
 「すごいまくりやった。離れたらいかんと思ってたけど、感じよくついていけた。稲村(成浩)さんのブロックを乗り切ったら、次に小倉(竜二)さんの突っ込みも乗り切れた。フレームも初日は違和感があったけど、3日間で慣れてきました」
 真っ向勝負を挑んだ吉澤純平だったが稲垣に力負け。
 「もうちょっと頑張りたいって思ったけど甘かったですね。脚使ってから駆けたけど、それでもやらなきゃと思ってた。中途半端だと突っ張られるし、(稲垣は)引くふりして来たんで余計な脚を使った。力負けですね」

<12R>
稲毛健太選手
稲毛健太選手
田中晴基選手
田中晴基選手
 準決勝の最後は地元の稲毛健太(写真)が勝ち名乗りを上げた。レースは後ろ攻めの田中晴基が前に出ると、稲毛が後方からカマして主導権を握る。番手の村上義弘が車間を空けて援護すると、別線は手も足も出ず。最後は稲毛が村上との直線勝負も制して逃げ切った。
 「今日は2車でもいこうと思っていました。変に勝ちにこだわるより、思い切りいった方が良いと思って。出切ってからは、後ろで村上さんが車間を空けているのもわからなかったです。でも、最後まで踏み切れました。去年から色々試していた成果が今回に間に合った感じですね」
 好アシストした村上義弘は稲毛を抜けずも、存在感を十分に示した。
 「昨日よりメンバーが良いので、車間を切っとかんとと思ったら、足が一杯になってしまった。最後も目一杯抜きにいったけど、アカンかったね。稲毛が強かった」
 3番手を確保した田中晴基(写真)が、そのまま3着に流れ込んだ。
 「飛び付こうとしたら脚が一杯になってしまいました。余裕があればまくりにいけたけど。あと、タツ(近藤龍徳)の動きもわからなくて。3番手を取りにくるのかなと思ったけど。村上さんを後ろから見てて存在感を感じました」
 近藤龍徳は2センターから内コースを突くも4着まで。検車場に引き揚げてくると、悔しそうにレースを振り返る。
 「田中さんの上を、すかさずいけば良かったです。脚を使って位置を取ることにビビッてしまいました…。あれでは俺が前を回った意味がない。(柴崎)淳さんに迷惑をかけてしまいました」
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