『和歌山競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月12日
 和歌山競輪開設66周年記念「和歌山グランプリ」は1月12日、4日間の熱戦に幕を下ろした。決勝戦は京都コンビ、和歌山トリオで近畿勢が別線勝負。レースは稲毛健太の逃げを中団5番手から稲垣裕之がまくりにかかると、稲垣をけん制しながら東口善朋も前に踏む。近畿勢で白熱の優勝争いかに、郡司浩平が大外を一気に駆け抜けて嬉しい記念初優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で飛び出した田中晴基が郡司浩平を迎え入れると、周回は郡司―田中、稲毛健太―東口善朋―西岡正一、松浦悠士、稲垣裕之―村上義弘、森川大輔の並び。
 青板バックから稲垣が上昇。森川も続き、松浦も森川後位に切り替える。稲垣は郡司を押さえに行くが、郡司も下げずに応戦。京都勢後位で内に包まれていた稲毛だが、赤板1センターで森川を強引にこじ開けると、2コーナーから仕掛け打鐘前に稲垣を叩いて主導権。稲毛は後方の動きを警戒しながら最終ホーム前からスパート。5番手から稲垣が2コーナーで満を持してまくってくるのに対して、車間を切って待ち構えていた東口も2センターから踏み上げる。東口は稲垣のまくりに合わせ切り、そのまま優勝かと思われたが、後方でじっくり脚を溜めていた郡司が京都勢を追う形でまくり一閃。前団を一気に飲み込んでG3初制覇を遂げた。2着には田中が続いて南関ワンツー。地元勢は東口が3着まで。


郡司浩平選手
郡司浩平選手
 圧倒的な強さで勝ち上がってきた稲垣裕之、続く村上義弘の京都SSコンビに人気は集中。稲垣が中団を確保し、バックからまくると稲毛後位の東口善朋も踏み込み、近畿勢での優勝争いになるかと思われた。しかし、優勝をさらったのは郡司浩平(写真)。7番手から上がり11秒フラットの好ラップで大外を突き抜けた。
 「今日は前からで。チャンスを見てホームぐらいで行ければと思ってました。後手に回ったけど、稲垣さんは絶対に仕掛けると思ったし、僕も余裕があった。稲垣さんのスピードをもらえましたね」
 これが記念初優勝。前検日に「去年は成長できた1年。今年は一歩ずつ目標をクリアしていきたい」と抱負を話していたが、初戦から目標の記念優勝をクリアした。
 「まずは(目標が記念の決勝)3着とかだったので、デキ過ぎかな。もちろん嬉しいです。まだ早いなっていうのはあるけど、これで次のステップに進めるので。もうひとつ上の目標を立てて、ここからまた頑張っていきたい」

 田中晴基が続いて南関ワンツー。抜けば記念初優勝だったが、2着の結果にも満足げな表情を浮かべる。
 「2着でよかった。郡司にどうしたい?って聞いたら『前から』と言うので、今日は前からの作戦でした。前はどうなってるか分からなかったし、僕は郡司だけ見て離れないようにと思ってた。最後も抜くとかじゃなく、行けるところまで。ワンツーでよかったです」

 記念初優勝を地元で決めたかった東口善朋だったが、今年もその夢は叶わず。稲毛の頑張りに応えることができず、レース後はガックリと肩を落とした。
 「(期待に応えられず)そうですね。残念ですね。(まくりを)止めることだけ考えてもアカンし、(番手から)早く行っても持たない。あそこ(稲垣のまくりを)こらえたら後ろの西岡さんも何とかなると思ったけど…。しゃーないですね」

 稲垣裕之はまくり不発の5着。連日、圧倒的なパフォーマンスで勝ち上がってきたが、最終ホームの動きで歯車が狂ってしまった。
 「(作戦は)取れた位置からいつもどおり。最終ホームで松浦がすくって、西岡が下がってきたので、そこでバックを踏んで仕掛けるタイミングがずれてしまいました。仕方ないですね。稲毛もいいかかりでした。また力を付けてきます」

 単騎で動向が注目された松浦悠士はホームから内をすくって東口後位を奪った。
 「今日は先行の後ろって考えていました。東口さんが早めに出ればチャンスはあったけど。でも、余裕もなかったし、みんなが強かった。稲垣さんのスピードも違いましたね」

 松浦にすくわれた西岡正一は「想定してたけど、内を締め切れなかった」とポツリ。地元勢から優勝者を出すために風を切った稲毛健太も残念そうにレースを振り返る。
 「あまり遅くても稲垣さんに突っ張られるし、しっかり斬ってあとは後ろに任せて駆けたけど。東口さんが優勝したと思ったけど、ガッツポーズしてたので郡司か…と。前々に攻めれてるし、また来年ですね」

ゴール
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