『和歌山競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月10日
 和歌山競輪を舞台に、開設69周年記念「和歌山グランプリ」が1月11日に幕を開ける。三谷竜生、村上博幸、武田豊樹のS班3名に、中川誠一郎、新山響平、昨年の覇者・東口善朋ら強豪たちが参戦してV争いは激戦必至。寒さを吹き飛ばす、熱い戦いに注目だ。また、最終日の第6レースでは、稲垣裕之らが出場するS級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
 なお、本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。開催を通して記念競輪クオカード抽選会や、初日はガールズケイリン選手トークショー、「ウインズ平阪」によるミニライブなどのイベントを予定しています。11日から始まる「和歌山グランプリ」を、ぜひ本場でお楽しみください。

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 昨年後半から好調を維持していた池田憲昭。しかし、今年初戦の岸和田は855着と振るわなかった。
 「岸和田は状態が悪くなかったけど、かみ合わなかったですね。でも、自転車を乗った感じも悪くなかったし、良い状態はキープできています。ここまでも普通に練習してきました。(1レースの1番車で)新人みたいですね(笑)」
 池田勇人は初戦の1月平をV。池田憲とは対照的に、好スタートを切った。
 「優勝しているし、状態が悪いとは言えないですね。徐々に良くなってきています。こんりゅう(近藤隆司)とかに話を聞いて、最近は体の使い方を勉強している。前回(平)は、セッティングを換えて一発目で好成績を出せたので方向性もわかりました」

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山田庸平選手
山田庸平選手
 前回の1月平塚を優出した山田庸平(写真)だが、反省を口にする。
 「最近はレース内容にこだわってやっています。でも、平塚は良いレースができなくて反省点が多かったですね。しっかり仕掛けないと。何もしないで終わるようだとダメですし、見せ場を作らないといけない。練習量も増やそうと思っているので、平塚の次の日からがっつりやってきました」
 志佐明は「勝ちパターンを作りたい」と、さらなる成長を誓った。
 「今は駆けて守ってもらうだけ。切羽詰まったときに得意なパターンがあれば勝ち上がれる。まくりだったりも(戦法に)入れることを考えて。(現在99勝で)ずっと100勝にリーチのままです。2、3着が多いけど、大敗もあるので、そこらへんも意識して走ります」

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 和田圭が得点最上位の存在。グレード戦を含めて優出を重ねているが、厳しく自己ジャッジする。
 「初日をもうちょっとまとめたいですね。(昨年の)春先は良かったけど、オールスターの落車で自転車が壊れて、そこからセッティングをいじっている。良い時はいじらなくていいんだけど。体調も競輪祭で一気に悪くなった。でも、今は(体調が)まあまあ良くなりました」
 前回の岸和田で落車失格した岡崎智哉だが、幸い大事には至らず。
 「怪我はほぼ無傷だし、フレームも大丈夫です。ちょっとダサかったですね…。変に位置を取ろうと思ってしまって失敗しました。今回はあんまり気にしないで、しっかりタテを出せたら」

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 金子幸央は次の目標に向けて、試行錯誤を重ねている。
 「今は全日本(選抜)に向けてやっています。でも、最近は良くないですね。12月の伊東記念からフレームを換えたけど、前回(1月武雄961着)が良くなくて。今回は元に戻します。ここで結果が出れば、(全日本選抜に向けて)気持ちも上がる」
 濱田浩司は、直前の立川記念から中2日の強行軍。
 「しっかりケアをしてきたし、調整もしてきました。状態は、見ての通り1着が取れていない。でも、今回は追加ですけど立川より悪くないかな。(連係する)吉武(信太朗)君は強いですよね。練習を熱心にやっている」

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菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 菊地圭尚(写真)は12月四日市、前回の平塚を連続優出。徐々に調子を上げている。
 「良くなっている実感もあるし、勝負できる体になってきました。今は例年通り、大垣に冬季移動しています。(竹内)雄作とか、松岡(篤哉)とかと一緒に練習をやっています。今年は結果を出したいですね」
 森川大輔は怪我から復帰した12月佐世保を2813着。さらに、続く岸和田も優出と好感触を得ている。
 「佐世保も良かったし、状態は維持できていると思います。怪我の影響はないと思いますよ。ここまでも、1日休んで普通にやってきました。今年はS級1班を取りたいですね。和歌山は3年前の記念で決勝に乗っているし、相性も悪くないです」

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簗田一輝選手
簗田一輝選手
 簗田一輝(写真)は、練習中の落車で約1カ月の戦線離脱。復帰戦となった地元のグランプリシリーズは723着と一息に終わった。
 「怪我は肩鎖関節の脱臼です。静岡は想像以上に良くなかったですね。でも、怪我はほぼ大丈夫。状態も、前回に比べたら良いと思います。去年の目標は記念の優勝だったけど、今年はタイトルを獲りたい」
 11月立川の決勝で落車した川崎健次。しかし、12月平塚を116着など影響が薄れてきた。
 「落車で指を怪我してしまって。影響はあったけど、もう大丈夫だし戻ってきました。(連係する簗田は)めちゃくちゃ強いので、何とか食らい付いていきたいですね。連係は、(簗田がS級に)上がりたてのころにあったと思う」

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 直近の2場所で大きい着が目立つ横山尚則。当所が今年初出走だけに、気持ちを新たに臨む。
 「体は悪くないけど、(成績が)良くないですね。修正と言うより、レースになっていない感じです。何とか気持ちを切り替えて、一走一走やっていくだけ。練習もやってきたし、きっかけをつかめたら。和歌山は去年の記念で決勝に乗っています。風が強い印象がありますね」
 朝倉佳弘は4日制だった前回の平塚を9438着と優出。収穫を得て、さらなるレベルアップの糧にする。
 「初日は直線ですり抜けたらよかったのに、頭が出てしまった。でも、良いメンバーの中で変わらずに自分の仕事をして。そういう判断ができたし、自信になりました。準決も杉森(輝大)君のまくりに付いていけたし、新年としては悪くなかったですね」

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取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は、ここまでに3場所連続でFI戦を優出。状態が万全では無い中で、V争いに参加した。
 「状態は5割くらい。もっと踏めるって感覚で走っています。どこかが悪いわけではなくて。しっかり自力で決勝に乗れてはいるけど、感覚が戻らないですね。今回は同期が多いので話を聞いて、少しでもヒントがあれば。今年は自分の形を作りたい。行ってばかりもいられないし、自分も勝てる様に」
 岩津裕介は、直前の1月武雄を312着でオール確定板入り。しかし、好感触は得られなかった。
 「前回は新車だったんですけど。うまく乗れない感じがありました。今回は(自転車を)元に戻します。調子自体は問題ないですね」

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 稲毛健太は昨年の夏場からFI戦を3V。さらに、正月開催の1月岐阜も制するなど、ムード最高潮で地元記念を迎えた。
 「12月の宇都宮以外は感じが良い。デビューしてから、今が1番良いですね。(要因は)セッティングが出ているので。前回(岐阜)で優勝できているし、調子は大丈夫。今回は楽しみですね。(目標は)やっぱり決勝に乗れる様に。初日も油断せずにいきたいです」
 神田紘輔は12月伊東記念を優出など、トレーニングの成果を発揮して成績を上げている。
 「練習の感じは良くないけど、考えるようにやっていたら良くなってきました。(練習内容は)技術練習を増やして、自転車に長く乗って。時間をかけて、ゆっくり動作確認をしながら取り組んでいます」

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和田真久留選手
和田真久留選手
 近況の和田真久留(写真)は記念シリーズの優出こそないが、崩れずきっちり白星を挙げている。
 「前回の平塚(5271着)は、心身ともにマッチしなくて良くなかった。あっ旋が詰まっていた影響もあったと思う。でも、ここまでは練習ができたので。今年は一戦一戦で1着を意識して。そうしたら、優勝できると思う」
 山内卓也は、今シリーズが鎖骨骨折からの復帰戦となる。
 「(落車して)1週間入院して、1週間休んで。1カ月間は練習ができました。グランプリシリーズで復帰したかったけど、間に合わなかったですね。練習はできたけど、あくまでも練習。本番は力が入るので走ってみないとわからないですね」

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東口善朋選手
東口善朋選手
 波に乗れていなかった南潤だが、年末のヤンググランプリを準V。2度目となる地元記念も、プレッシャーを力に変えて仲間を盛り立てる。
 「最近はレースの感じが良くなくて。でも、ヤンググランプリは脚を使って位置を取って2着だった。2着に入れたのがすごいなと。今回もやっぱり決勝に乗りたいですね。そして、決勝で先行して、地元から優勝者を出したいです。新年の一発目で良い結果を出して、その流れで今後に行けたら」
 昨年の当所記念では、南の番手から地元Vを決めた東口善朋(写真)。初日からチャンスを生かすか。
 「南君とは相性が良いですね。(今年の)競輪祭の4走目でも連係して1着を取らせてもらっています。連覇は意識していないです。狙って獲れるものでもないし、去年と違って自然体ですね。ちょっとでも上のレースを走れるように、気を引き締めて」

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三谷竜生選手
三谷竜生選手
 三谷竜生(写真)は年末のグランプリを制し、年間賞金獲得額の最高記録を更新。チャンピオンジャージを身にまとい、昨年と同様に当所から新年をスタートさせる。
 「昨年は前半が良くて、最後も締め括れた。競輪としては良い1年だったし、初のS班としてしっかり結果を残せたと思います。グランプリ王者としての身構えはないけど、去年以上になれるように。追われる立場と言われるけど、自分は変わらないと思う。やれることをやってですね」
 村上博幸は、4年ぶりにS班に返り咲き。己と向き合って、まだまだ進化を続ける。
 「(S班は)4年ぶりなんですけど、心境の変化を感じますね。今回は気負わずに。自分のやれることをやって、トレーニングとかいろいろなことにチャレンジしたいです。今年で40歳なんですけど、まだ年齢のせいにせず、40歳にしかできない練習をしたいです。グランプリは良い状態で走れて、やっと良い感じになってきました」
 和田健太郎は自力転向を宣言。前回の平塚でも連日ラインの先頭で戦って、8112着と結果を出した。
 「自力自在の1年生です。(自力に転向は)わがままだと思うけど、自分に対しての挑戦ですね。前回、自分でやってみて、いろいろレースが見えるようになってきました。先行はないかもしれないけど、何でもやりたいですね」