『岸和田競輪開設71周年記念 in和歌山(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月9日

 今年は和歌山競輪場を舞台に行われる開設71周年記念「岸和田キング争覇戦」が1月9日に開幕した。メインの初日特選は、先行した和田真久留の番手からグランプリ王者の和田健太郎が鋭く抜け出して1着。地元勢では岡崎智哉が一次予選で白星スタートを切り、和歌山ホームの中西大も後続を突き放して快勝した。2日目は、二次予選7個レースで準決勝進出が争われる。
 本場では開催中の毎日、3レース、7レース、10レースの終了後に「ガチンコ予想会in和歌山」が行われます。
 ご来場の際は、必ずマスクを着用のうえ、検温や手指の消毒をお願いします。本場の滞留人数が2500人を超えた場合は、新型コロナウイルス感染防止の観点から入場制限を行う場合がありますのでご了承ください。

<1R>

才迫開選手
才迫開選手
 7番手の才迫開(写真)は中団の恩田淳平のけん制で動けず、後方に戻って打鐘を迎える。4コーナー手前から踏み上げた張野幸聖に対して、恩田は最終バックから反撃に出るが、なかなか車は進まない。才迫はその外を3コーナーからまくって、直線で前団をとらえた。
 「本当は叩きたかったけど、ペースが上がって…。(仕掛けるチャンスは)何回かあったけど、波とペースにはまってしまいました。前がすごい遠かったので、もっと早く仕掛けられたら良かったんですけど。(最近はレースが続いているが)自転車に乗れているし、正月でだらけることもないんで良い感じです」
 才迫マークの三宅達也が2着に続いた。
 「寒かったですけど、レースが始まったら気にならなかったです。風が強くて、周回中にふわふわしていたのは嫌でしたね。(才迫)開に付いていって2着まで来てるので、感じは良いと思います」


<2R>

 打鐘手前で主導権を握った加賀山淳は、最終ホームからスピードを上げて、隊列を一本棒にして逃げる。中団の大利航平はバックから仕掛けるも車の出は悪く、その外をすかさずまくった佐藤幸治が前団を一気に飲み込んだ。
 「カマシかまくりで、流れを見てと思っていました。加賀山さんは手強いので、少し様子を見てしまった。タイミングが遅れて仕掛けが遅くなりました。最後は届いて良かったです。思ったより自転車の出は良かったですね」
 加賀山の逃げに乗った山田幸司が2着に食い込んだ。
 「この風なのでいつも通りだとキツイのに、加賀山君はよく先行してくれました。できるだけ残したかったけど、ホームの向かい風でダメでした。前(加賀山)のお陰です」


<3R>

池田憲昭選手
池田憲昭選手
 山賀雅仁を打鐘手前で押さえた小川丈太が主導権。後方になった竹澤浩司は4コーナーから反撃に出るが、最終1センターで力尽きて後退する。その後も小川が快調に逃げて、最後は番手の池田憲昭(写真)が絶好の展開をモノにした。
 「(小川は)自分が思っていた以上に強かったです。もっとタレて来るかと思ったけど、4コーナーから伸びていきました。(自分の状態は)今日(初日)は、すんなりだったからなんとも言えないですけど、良いと思います。自転車もメーカーを変えたり迷っているけど、方向性は見えてきました」
 別線を完封した小川丈太が2着に粘った。
 「風が強すぎるし、寒いし、いつもと違うので感触は分からないですね。気持ちだけで最後は踏み切った感じです。(四国ライン3人で決まって)最高です。池田さんもめっちゃ仕事をしてくれていたので、後ろのお陰です」


<4R>

 後ろ攻めの佐藤雅春が赤板過ぎに中西大を押さえて徐々にペースアップ。後方へ下げた中西は打鐘の4コーナーから一気に巻き返して前団をまくり切ると、バックからさらに後続を突き放して快勝した。
 「弟子(張野幸聖)が赤板で突っ張って先行して(勝ち上がって)、あれは真似できんぞって(笑)。地脚があるからそっちの方がいいと思う。前取れたらそれで組み立てようと。全部引いてから力勝負でと思っていた。阿部(力也)さんに当たられないように避けて仕掛けていきました。普段よりは重たかったけど、勝ち上がれて良かった」
 離れながら中西を追いかけた澤田義和の後位にスイッチした阿部力也が2着に食い込んだ。
 「熊本勢が中団かなって思って出させてはダメだなって。中西君が来たら突っ張るか、どこかをさばいてと思っていたら予想以上に佐藤君が頑張ってくれた。風も強いし、寒いし、重いし、こんなキツイのは久しぶり。とんでもない風で初めて体感した。なんとか2着までこれたし、脚は悪くない」


<5R>

和田圭選手
和田圭選手
 伊藤信を押さえて打鐘の2センターから踏み上げた菅原裕太を、佐藤博紀が最終ホームで叩いて先制。伊藤は7番手から仕掛けるも前は遠く、佐藤と車間を空けた和田圭(写真)が直線きっちり抜け出した。
 「(佐藤は)押し出される感じになったのに、なかなか行かなかったですね。流れを自分で殺している感じだった。一回、後ろを見たら(伊藤)信さんが外に外している感じだったけど、結構、遠かったので大丈夫だなと思いました。あとは(佐藤)博紀を残すことだけ考えて。(調子は)上がってはないけど、下がってもないかなと思います」
 佐藤博紀が2着で北日本ワンツーが決まった。
 「本当はジャン過ぎくらいで行きたかったんですけど、ちょっとまだ自分の距離じゃないなと思って、見ちゃいました。逆にあそこまで行ってしまったら、出切れるか、出切れないかの勝負なので、僕の競走になってしまいましたね…。出切ってからは我慢だけでした。風が強くてキツかったけど、脚に刺激が入りました」


<6R>

 打鐘から内へもぐり込んだ福永大智が最終ホームで先頭に立ってそのまま逃げる。別線の巻き返しは厳しく、最終4コーナーを絶好の番手で迎えた村田雅一が最後はきっちり差し切った。
 「(福永は)変則的な動きでしたね。しっかり周りは見えていました。(福永は)しんどそうだったし、ずっと踏んでいる感じでした。最後は落ち着いて引き付けて(抜く)って感じでした」
 通算100勝はお預けとなったが、福永大智が2着に粘り込んだ。
 「中団からが良かったけど、誰もスタートで出なくて前になった。前団がペースを落とし過ぎていたので吸い込まれるように内にいった。全然車が進まなかったし、かかり切っている気がしなかった。キツかったです。なんとか勝ち上がれて良かった」


<7R>

川口聖二選手
川口聖二選手
 赤板の2コーナーで矢野昌彦が小川賢人を押さえて主導権を握る。中団の小川は最終2コーナーから反撃に出て矢野をとらえたが、その外を豪快にまくった川口聖二(写真)が後続を突き放して白星を挙げた。
 「風が強かったですね。小川さんも僕のことを意識していたし、まくりの上をまくっているのでキツかったです。1着を取れているので申し分ないけど、欲を言えば早めに仕掛けてラインで決めたかったですね」
 中村圭志は、最終2センターで笠松信幸を飛ばして2着に入った。
 「もう必死でした。川口君のスピードが違ったし、後ろの笠松さんも厳しいので、構えながらでした。前回、前々回と比べるとちょっとキツかったですけど、その中でもやれているので良いかなと思います」


<8R>

 赤板の1コーナー手前でハナに立った阿部拓真が打鐘の2センターから踏み上げると、中団の山形一気は最終ホームで内に進路を取る。後方の藤井栄二は隊列が短くなったホームから反撃に出て、最終3コーナーで先頭に。番手の岡崎智哉は直線できっちり藤井を交わして、地元記念で白星スタートを切った。
 「まずは付け切って、援護してってことしか考えていなかったです。(展開が)ああなったら落ち着いて藤井君のタイミングで行けば決まるなって。付いている感じは良いかなって思います。僕は追加なので、ここに向けてって感じはなかったけど、今回は練習グループの人ばっかりだし、勝ち上がっていきたい。十分戦える状態だと思います」
 別線を一蹴した藤井栄二が2着に粘り込んだ。
 「前とって一回突っ張ろうと思ったけど、できなかったので。展開が向いてくれただけです。山形さんが内へ行ったのは見えた。風が強くて感じは分からないくらいきつかったけど、結果は良かった。明日(2日目)は自分らしいレースをできるようにしたい」


<9R>

長尾拳太選手
長尾拳太選手
 長尾拳太(写真)、相川永伍の順で切った上を、望月一成が打鐘で叩いて先制。しかし、相川が番手勝負に出て、海老根恵太とからむ展開に。前の動きを冷静に見ていた長尾は最終2コーナーからスパートすると、良いスピードで前団に迫って直線で望月をとらえた。
 「(望月は)後ろが競りになったからペースに入れるかなと思ったけど、割と踏んでいたので、(番手の)勝負がつきそうなところで前に踏めたら行けるかなと思っていました。最近、感触が良いので、しっかり車が進んだ感じがありましたね。流れは悪くないと思います」
 外併走の海老根は最終2コーナーで力尽きて後退。望月一成は援軍を失うも、3着に逃げ粘った。
 「(別線が)切ったところを切って、あとは出させないっていう作戦でした。相川さんの飛びつきもありそうだとは思っていたんですけど、後ろを競らせる形になってしまった。バンクと体は軽いけど、風と寒さで重たく感じますね。でも、冷静には走れていたので(感触は)悪くないと思います」


<10R>

 後ろ攻めの小川祐司が中団の竹内雄作にフタをしてから打鐘の3コーナーで飛び出して主導権を握る。佐藤一伸が5番手に収まり、7番手となった竹内は2コーナーからまくり上げる。前団を一気に抜き去り、後続に6車身の差を付けて圧勝した。
 「ジャンでもう少し(小川が)駆けてくれると思った。内へ差してしまって後ろに迷惑かけたのでそこは反省。いつでも行けるタイミングでした。スピードの感覚も凄い良かったし、踏み出した感じでイケると思った。苦手なまくりが打てているのでいいと思う」
 小川の先行に乗った佐々木則幸が2着に食い込んだ。
 「2カ月半空いていたので心配はあったけど、小川君が上手く駆けてくれた。もうちょっと自分が上手くやれれば良かった。失敗したなって。レースからは離れていたけど、思ったよりも動けたかな」


<11R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 前受けから7番手に下げた寺崎浩平(写真)は、打鐘の4コーナーから反撃開始。最終1センターで金野俊秋を一気に抜き去ると、巧追した神田紘輔を振り切って白星を挙げた。
 「前にもうちょっとペースを上げてほしかったんですけど、4コーナーの下りで行こうと思っていたので予定通りでした。出やすい感じはしたけど、バンクのコンディション的に全部、向かい風のような気がしましたね。周回中に脚も冷えてきてました。明日(2日目)はもうちょっと風がなくなるといいんですけど」
 寺崎マークの神田紘輔が2着でゴールした。
 「(寺崎は)いつもカマシで、だいたい行くところは分かっていたので、まずはしっかり付き切ることに集中していました。そこはクリアできたんで、あとは抜けるかだったんですけど…。(初めて寺崎に付けて)上手い感じがしました。ダッシュとかは南潤とかも強いけど、落ち着いていますね」


<12R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 細切れの初日特選は、打鐘手前で先頭に立った小松崎大地を、古性優作にフタをしてから踏んだ和田真久留が2センター過ぎで叩いて先行態勢に入る。8番手になった古性は最終ホームから巻き返すが、6番手の松浦が1センターから合わせるように踏み込んで前団に迫る。しかし、松浦も3番手にいた単騎の浅井康太のけん制を受けて3コーナーで失速。和田真が懸命に逃げて、絶好の展開となった和田健太郎(写真)は2センターで浅井を振って、直線鋭く追い込んだ。
 「(和田真は)風が強くて寒い中、よく行ってくれました。(最終3コーナー辺りでは)浅井と松浦がかかっているのが見えたんで、少し加減をしてというか、見ながらけん制しました。そこからは(和田)真久留に僕の前輪が重なってしまったので、申し訳ないけど踏ませてもらった。真久留が強く踏み込んでくれたので、風はあまり感じなかったです。当然、真久留の頑張りがあってですけど、状態は悪くないと思います」
 初手から南関コンビの後ろに付けていた浅井康太が2着に入った。
 「(初手の位置は)南関の後ろっていうより、前から2番目のラインに付こうと思っていました。(最後は)小松崎(大地)君が後ろにいたし、古性君もいたので、早めに踏み過ぎたら行かれるかもしれないっていうので遅めに踏んだんですけど、結果的には行った方が良かったかなとも思いますね」
 松浦に合わされた古性優作だったが、松浦の後ろに付き直して3着に突っ込んだ。
 「良いタイミングで絶対行こうと思っていたんですけど、(打鐘の)3コーナーで(浅井と園田匠の間に)挟まってしまって、全部台無しになってしまいました。松浦が気づく前に行きたかったけどバレてしまって、園田さんが離れていたので(最終)2コーナーからもう一回、行こうと思ったんですけど、脚が残ってなかったです。結果と内容はダメでしたけど、自分で行こうっていう気持ちはありましたし、感触自体は良かったと思います」